3つのスーパー戦隊の"正義の戦い"を描く『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』が、2021年2月20日から公開されている。

新條由芽(しんじょう・ゆめ)。1998年生まれ、群馬県出身。フリーモデル活動を経て芸能界入りし、CMやミュージックビデオに出演。『3年A組~今から皆さんは、人質です~』(2019年)や『電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-』(2019年)などのテレビドラマ出演で人気を博す。2021年2月25日、初の写真集「ゆめいろ」(集英社)を発表。撮影:大塚素久(SYASYA)

『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』の3作は、いずれも劇場用新作映画。『キラメイジャー』では邪悪で妖艶な敵ミンジョ(演:壇蜜)によって"夢の世界"に送り込まれ、果敢に戦うキラメイジャー6人の活躍が繰り広げられる。

映画公開記念インタビューの今回は、速見瀬奈/キラメイグリーンを演じた新條由芽にご登場いただいた。緑のキラメイストーン(魔進マッハ)に選ばれ、キラメイグリーンとなった瀬奈は、持ち前の俊足を活かしたスピーディな攻撃を得意とする戦士。常に明るさを忘れず、前向きに物事を考える陽気で元気な瀬奈を1年間演じてきた新條に、役が自分自身に与えた"影響"や、『キラメイジャー』の撮影で強く印象に残った出来事、そして映画で見せたスペシャルなシチュエーションを、輝く笑顔で語ってくれた。

――新條さんが『キラメイジャー』に出演したことで、ご自身にどんな変化が現れましたか。

周りの方たちからもよく言われるのですが、撮影が始まったころに比べて明るくなった気がします。最初のときの自分を振り返ると、インドアで大人しめのタイプでしたし(笑)。でも、明るく元気で天真爛漫そのものの瀬奈からすごく良い影響を受けて、撮影を離れていても笑顔でいることが多くなりました。ふと気が付けばニコニコ笑っている自分を意識したとき、瀬奈を演じてきたおかげだなと思いました。

――今お話をうかがっていても、テレビで拝見する瀬奈と同じようなはつらつさが感じられますね。

瀬奈って、誰とでも仲良くなれるタイプだと思うんです。私は瀬奈のように自分から積極的に話しかけたりするのが基本苦手だったのですが、最近は自分からこんな話題をふってみようとか、ちゃんと対話ができるようになりました。自分にとって、これはとても大きな成長だと感じています。以前だったら、どんなことを話していいかわからずに内心で苦しんでいたことも少なくなかったのですが、最近はいろいろな考えを口に出していけるようになりました。

――瀬奈は陸上選手としてキラキラ輝いている設定で"素早さ"が持ち味となっていました。新條さんの身体能力的にも、かなりの成長が見られたのではないですか。

今までは運動全般が苦手で、走りなんてもってのほかでした(笑)。『キラメイジャー』の撮影に入る前、陸上選手のようにキレイなフォームで走るよう、コーチの方についていただいたんです。それまでは、ひと目見て"足が遅い"と思われるような走り方でしたが、テレビ放送を見てみると、普段の自分とはぜんぜん違うカッコいいフォームになっていてうれしかったですね。『キラメイジャー』では瀬奈の走っているシーンが多くて、たぶん学校に通っていたころよりも走った距離が長いんじゃないかって思います(笑)。改めてイチから走り方を学ばせていただき、ありがたく思っています。

――運動といえば、ベチャットや邪面師を相手に、抜群の身のこなしで元気よくアクションをする瀬奈も魅力的に映りました。東京ドームシティ・シアターGロッソでの役者公演でも、新條さんは飛んだり跳ねたりの立ち回りをこなされていましたが、アクション面でも成長されたのではないですか。

特技になるほどはこなせていなかったとは思いますけれど(笑)。普段のドラマ撮影とかでは"敵と立ち回る"なんてことは今までなかったので、アクションを教わることができたのは貴重な体験ですし、やれてよかったと思います。

――これまでにいろいろなエピソードがありましたが、特に印象的な回を挙げるとしたら、どれになりますか。

瀬奈が5人に分裂してしまうエピソード37「せな1/5」ですね。あの回は、性格がそれぞれ異なる瀬奈を5人分演じなければいけないという大変さがありました。瀬奈1から瀬奈4までは、わりといつもの瀬奈を演じればよかったのですが、瀬奈5だけは、自分でも「こんな瀬奈いるの?」と思うくらい、どんなことでも最悪の事態しか想定しない極端なネガティブさでしたよね。1~4と5との差が激しすぎて、演じ分けるためのスイッチの切り替えを意識するのが苦労したところです。

――キラメイジャーの仲間と絡むシーンでは、瀬奈1~5として同じ場所で5回演技をしないといけないわけですね。

そうなんです。画面を見ると、5人の瀬奈が普通に立っていたりするので、映像技術の凄さを実感しました(笑)。今は瀬奈2だ、次は瀬奈3だ……というように、瀬奈5以外の撮影はスパスパと切り替えながら臨んでいました。

――「せな1/5」では、大治小夜/キラメイピンク役の工藤美桜さんと新條さんとのコンビネーションもよかったです。

あの回は、瀬奈と小夜姉(ねえ)のダブルヒロインエピソードですよね。前向きな瀬奈1~4がいれば大丈夫、楽しくやっていける!と男子メンバーが思っていた中で、小夜姉だけは瀬奈5が必要だってことに気づいてくれたんです。ずっと一緒にいたからこそ、瀬奈の本質を理解してもらえたんでしょうし、瀬奈は小夜姉に支えられてきたんだなって思いが強まった回でした。

――普段の新條さんと工藤さんは、いつもどんなことをお話されているのですか。

撮影現場では主にお芝居の話が多いですけど、美桜ちゃんは食べるのが好きなので(笑)、SNSで美味しそうな料理の写真を見つけてきて、「こんどここ行こう!」と提案してくれたりします。食べ物の話はよくしていますね。以前カフェに2人で行った時は、私はフルーツのミルフィーユ、美桜ちゃんはイチゴ入りのあんみつを食べました。2人でラーメンを食べに行ったこともあります。コロナ禍のご時世なのでキラメイジャーの仲間たちと集まって食事に行く……みたいなことがなかなかできなかったのですが、状況が落ち着いたら、みんなと一緒においしいものを食べたいですね。