――キラメイジャー6人のチームワークはどんな感じでしたか。

宝路はメンバーの中で最年長という設定ですけど、みんなの中では下のほうなんです。最年少(17~18歳)の璃央の次でしたからね。芝居については、すでに演技経験を積んでいる(工藤)美桜や(水石)亜飛夢からいろいろ教えてもらうことも多々ありました。普段の6人は、誰がリーダーシップを取っているとかはなくて、フラットにふざけあったり、マジメにやるところはやるし、すごくいい関係でしたね。それぞれ個性が違っていて、デコボコなようで、まとまっている。キラメイジャーをこの6人で演じることができて、本当によかったと思えます。

――『キラメイジャー』の1年間を経て、どんなところが"変化・成長"したと思いますか。

撮影の一瞬一瞬を"積み重ねて"いくことができたという実感、これに尽きますね。大勢のスタッフさんからは、何をするのもぜんぶ初めてという状態の僕に、この世界でやっていくにあたって必要なことをすごく親身になって教わりましたし、時には厳しい言葉をいただきました。今はまだ20代の若造ですが、これから社会人としてやっていく中で、こんな風に手取り足取り物事を教えてもらえる機会はなかなかないんじゃないかって思います。 宝路のキャラクターに助けられた部分も大きいですね。僕はもともと下を向いて人の後ろを歩くような人間だったのですが、宝路は常に胸を張り、堂々としている男でしょう。宝路の影響からか、以前から比べると、みんなから「顔つきが変わったね」と言われます。人から見られるようになったことも大きいと思うんですけれど、実際にも普段から"前を向ける"ようになりました。宝路を演じた1年間、周りからいろいろなことを吸収、経験して身に着けたものは多く、よい影響を受けたと思っています。

――キラメイシルバーのスーツアクターを務められた高田将司さんとのコンビネーションについてはいかがですか。

高田さんは歴代スーパー戦隊で活躍されているレジェンドです。アクションから芝居の仕方まで、多くのことを教えていただきました。変身前/変身後としては直接細かいお話をするのではなく、お互いの動きを見ながら、それぞれの仕草、動き方、しゃべり方をコピーし合うといった感じでしたね。ただ、脚本に書かれていた宝路像に、僕らの組み立てたものと齟齬が起きそうだなと思ったときは、監督を交えて高田さんと僕とで相談をすることもありました。

高田さんの演じるヒーローは、立ち姿だけで強そうに見えるんです。それは長年培ってきた経験値のなせる業だと思いますし、僕も高田さんのキラメイシルバーを間近で見ながら、立ち方とか構え方とか、いかにカッコよく見せることができるのか、その表現テクニックを身に着けようとしていました。

――闘志をむき出しにしてヨドン軍に挑む宝路はカッコいいのですが、持ち前の陽気さで積極的に"笑い"を取りに行く場面もあって、楽しませていただきました。

エピソード23「マブシーナの母」で王妃マバユイネが復活したとき、マバユイネにショックを与えないよう"オラディン王の死"をひた隠しにする……って展開になったでしょう。マブシーナの後ろで宝路があわてながら必死にごまかしている動きとか表情とかで、彼の不器用さがうまく出せたかな、と思っています。映像を見返すと、後ろのほうでアドリブを交えつつ、みんながワチャワチャやっている姿がとても印象的で、面白く演じられたなって感じました。真面目なだけではなくて、コミカルなほうにもふり幅があると、エピソードによってキャラの違いを出すことができていいですよね。

――待望の映画となった『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』の見どころを教えてください。

映画では5人と一緒にいるシーンが少なくて、キラメイシルバーはミンジョの強さを示すための"やられ"に重きを置いている印象ですね。見どころはメインタイトルです。キラメイシルバーがかなりのインパクトを残していますから(笑)。うれしかったのは、最後の決戦において6人が並んでキラメイチェンジし、みんなそろって戦うシーンがあったこと。別行動ではなく、仲間と一緒に大暴れできたのはよかったと思います。

――SNSなどでファンの方たちの応援を見ることはありますか?

ときどきですが、キラメイジャーが大好きなお子さんを持つ親御さんからの書き込みを拝見することがあります。「うちの子が"キラメイシルバーになりたい"と言ってます」とかとか「いつもワンダーワンダー言ってます」とか(笑)。こういうリアクションを見ると、僕や仲間たちが、いま大変な状況に置かれている全国の子どもたちの"力"に、少しでもなれているのかなって実感します。また「宝路が"おじさん"ぽくていいです。ぜんぜん違和感ありません」なんて感想があったりしました。芝居を始めたばかりで、まだまだ未熟者なんですけれど、こんな風に自分の"狙った"演技がしっかり視聴者の方たちに認められていることに、喜びを感じました。

――『キラメイジャー』を終えた後、庄司さんはこれからどんな役柄に挑戦してみたいですか。

SF・特撮のヒーローを1年間演じさせていただいたので、こんどは現実味のある人物の役に取り組んでみるのもいいなと思っています。"人が生きる意味"を問うような、テーマ性のある作品にも興味がありますね。一方で、コメディ作品が大好きなので、三谷幸喜さんの作品に出演したいです。『キラメイジャー』で学び、吸収したいろいろなことを大事にしつつ、俳優としてよりいっそう飛躍していきたいと思っています。

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