ビジネスパーソンが"今読むべき本"を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計約75万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか? なぜその本が選ばれたのでしょうか? 気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

毎朝60分で、人生を好転させるには?

1月、20代~30代に一番読まれたのは、『人生を変えるモーニングメソッド』(ハル・エルロッド、鹿田昌美(訳)、大和書房)でした。

  • 『人生を変えるモーニングメソッド』(ハル・エルロッド、鹿田昌美(訳)、大和書房)

20代~30代のユーザーの「今年こそは早起きを習慣づけよう」「早起きして時間を有効に使いたい」という決意が表れたようなランクインとなりました。

本書の著者であるハル・エルロッド氏は、20代にして、交通事故による心肺停止と経済苦による"うつ"という、二度のどん底を経験。ところが「モーニングメソッド」というオリジナルのメソッドを実践するようになって、人生を大きく変えることに成功したのです。

モーニングメソッドとは、サイレンス、アファメーション、イメージング、エクササイズ、リーディング、ライティングの6つの習慣を毎朝、60分かけて行うというもの。2008年に考案されて以降、瞬く間に早起きの輪が広がり、今では世界的に有名なメソッドとなっています。

どん底から這い上がり、成功を手にした著者は、「僕たちは『自分の人生』に責任がある」といいます。今朝スヌーズボタンを押したことも、やりたいことを先延ばしにしているのもすべてあなたの責任。本書を読めば、「自分の人生は自分でデザインするべきものだ」と痛感できるはずです。

とはいえ、どうしても早起きが苦手だという方もいるでしょう。朝の時間を有効活用すればいいとはわかっていても、なかなかモチベーションが続かないという方も多いはずです。

そんな方こそ、ぜひ本書を"早起きのバイブル"のように使っていただければと思います。というのも、本書には、ついつい早起きしたくなるようなアドバイスや名言、エピソードが詰まっているから。特に、著者が友人からランニングをすすめられた際、それを拒むと、「どっちの方が嫌いなんだ? 走るのと、現状の人生と」と言われたというエピソードは、きっと心動かされるはず。

それでもどうしても朝の60分間が確保できない人向けに、たった6分でモーニングメソッドを体験する方法も紹介されています。さあ、今年こそ、早起きに挑戦してみませんか?

「すぐやる人」と「やれない人」はどこが違う?

2位は、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(塚本亮、明日香出版社)でした。

  • 『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(塚本亮、明日香出版社)

仕事でもプライベートでも、「すぐやる人」と「やれない人」がいます。「やれない人」は、「自分は意志が弱い」「また先延ばしにしてしまった」などと自分を責め、自己嫌悪に陥り、ますます行動できなくなってしまうこともしばしばあるでしょう。

もしあなたが「やれない人」なら、ぜひ本書を手に取ってみてください。本書を読めば、「やれない」のは意志が弱いからではなく、やれる人になるための「習慣」を知らないからだということがわかるはずです。

ケンブリッジ大学院で心理学を専攻し、帰国後は教育分野で大活躍する著者自身、以前は「やれない人」だったそう。ところが、環境を整え、やれる人になるための「習慣」を身につけると、「すぐやる人」へと変貌を遂げることができたのです。

本書で紹介される習慣の一つに、「やりたい!」と思った瞬間に行動するというものがあります。「やりたい!」と思った瞬間はやる気に満ちていても、次第にやる気がしぼんでいってしまうのは、よくあることでしょう。

たとえば、書店で参考書を買って帰ったのに、「明日から始めよう」と開かずにおき、いつの間にか本棚の奥にしまい込まれていた――これは「やれない人」の典型的な行動で、明日も高いモチベーションを維持できると思い込んでいるからこそ起こるのです。「いつか」ではなく、「やりたい!」と思った瞬間、つまりモチベーションの鮮度が高いうちに行動する習慣をつけましょう。

本書を読んで、まずは一つでも、「すぐやる人」の習慣をマネしてみませんか。いつの間にか、自分の習慣として身についているはずです。

生活習慣を変えて、仕事のパフォーマンスを上げる!

3位は、『ブレイン メンタル 強化大全』(樺沢紫苑、サンクチュアリ出版)でした。

  • 『ブレイン メンタル 強化大全』(樺沢紫苑、サンクチュアリ出版)

心身の状態は、仕事のパフォーマンスを大きく左右するもの。だから安定して成果を上げたいなら、心と体、そして脳を強化しておく必要があります。特にコロナ禍において、生活スタイルや働き方が変わり、思うようにパフォーマンスを発揮できていない人も多いでしょう。

そんな方には、本書をおすすめします。本書の著者は、『学びを結果に変える アウトプット大全』『学び効率が最大化する インプット大全』などといった大ベストセラーの著者である、樺沢紫苑氏。精神科医である著者の立場から、科学的エビデンスをもとにした、病気予防やパフォーマンス向上のために必要な「TO DO」を具体的に紹介している一冊です。

本書は、『学びを結果に変える アウトプット大全』『学び効率が最大化する インプット大全』と同様、見開き完結型で、たっぷり100項目の「TO DO」が掲載されています。睡眠、運動、朝散歩、生活習慣、休息の5つのチャプターに分かれており、どれも今日から試せるものばかり。

中でも、朝15分の「朝散歩」の習慣は、多くの方にとってメリットの大きいものとなるでしょう。朝すっきり目覚められなかったり、イライラして感情が不安定になったり、寝付きが悪くなったりするのには、「セロトニン」という脳内物質が関係しています。セロトニンを活性化させ、こうした症状を改善するためには、「朝散歩」が効果的なのだそう。

具体的には、起きてから1時間以内に15〜30分、「朝散歩」をするだけ。すると、脳と身体に「起きた時間」が伝達され、体内時計がリセットされます。その結果、目覚めや寝付きがよくなったり、感情が安定したりする効果が期待できます。

日々ストレスを感じている人や、生活リズムが乱れている人、健康を維持して仕事のパフォーマンスを上げたい人はもちろん、「自分は平気」「心身の強さには自信がある」という人にもぜひ手に取っていただきたい内容となっています。

新しい年のはじまりに、自分のことを見つめなおそう

今回は、自分の生活習慣や働き方、健康を見つめなおすflierユーザーの姿が見えるようなランキングとなりました。年が変わり、自分をよりよくしていこうという気持ちが強くなるタイミングだったことも影響しているのかもしれません。

本の要約サイトflierには、他にも、生活習慣や働き方、健康の改善の参考になるような書籍が多くそろっています。1月の閲覧数で6位にランクインした『35歳からの後悔しない転職ノート』(石井遼介、日本能率協会マネジメントセンター)や7位の『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』(ケリー・マクゴニガル、神崎朗子(訳)、大和書房)、9位の『いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』(ジュリア・キャメロン、エマ・ライブリー、菅靖彦(訳)、サンマーク出版)なども参考になるかもしれません!

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。