「秀逸」という言葉をご存知でしょうか。「秀逸な作品」や「秀逸な造形」など、耳にしたことがある方も多いでしょう。「秀逸」という言葉は、近年ネットの掲示板やSNSでも使われていることが増えている単語です。本記事では、「秀逸」の正しい意味と使い方をご紹介します。
秀逸の意味
「秀逸」は「しゅういつ」と読み、他よりも抜きんでて優れているさまを表します。「彼は秀逸な人物だ」「この間のプレゼンは秀逸だった」のように使います。
「秀」という漢字は「禾」と「乃」を組み合わせて「穂が垂れ下がる」様子を表現し、抜きんでて優れていることを表します。また、「逸」は兎を表す「免」と「しんにょう」を組み合わせて、兎が逃げるさまを表しています。
これら2つの漢字を組み合わせ、「抜きんでて速いさま」から「特に抜きんでて優れている」という意味に発展しました。
<例文>
- 多くのブログ記事の中でも、彼が書いたブログは秀逸だ
- 彼のプレゼンは毎回秀逸だ
- 秀逸な資料を見て、担当者の見当がついた
秀逸の類語
「秀逸」には複数の類語があります。類語を知っていれば、「秀逸」では相手に伝わりづらい場合や、「秀逸」ではなんとなくニュアンスが違うと感じたときに、類語に言い換えて伝わりやすい表現を使えます。
ここでは、「秀逸」の類語の意味と使い方を紹介します。正しい意味と適切な使い方を覚え、表現の幅を広げていきましょう。
俊逸
「俊逸」は「しゅんいつ」と読み、学問・才能などが人よりも優れていることという意味で使われます。「人より抜きんでる」という点で「秀逸」と「俊逸」は意味が重なりますが、「俊逸」の対象は学問と才能に特化しています。
<例文>
- 彼は子供のころから俊逸だと言われ続けている
抜群
「抜群」は「ばつぐん」と読み、「多くの中で、特にすぐれていること、抜きんでていること」という意味で使われます。
<例文>
- 彼のプレゼンは抜群だ
秀抜
「秀抜」は「しゅうばつ」と読み、こちらも「他より抜きんでて優れていること」という意味で使われます。
<例文>
- 彼は秀抜な方だ
傑出
「傑出」は「けっしゅつ」と読み、「多くのものの中でずば抜けて優れていること」という意味で使われます。「傑出した作品」「傑出した人物」といった表現で用いられます。
<例文>
- 多くの作品の中でこの作品が傑出している
随一
「随一」は「ずいいち」と読み、「多くのものの中で一番」という意味で使われます。
<例文>
- 今回の旅行では、温泉街の中で随一の旅館に宿泊します
秀逸の対義語
「秀逸」の意味と使い方を習得したら、対義語となる言葉の意味や使い方についても覚えるようにしましょう。ひとつの言葉から類語、対義語と知識を広げていくことで、自分の語彙力や表現力を養えます。
ビジネスシーンで言葉を自在に操り、適切な表現で説明できるようになるためにも、ここでは対義語の正しい使い方を見て行きましょう。
劣等
「劣等」は「れっとう」と読み、「等級や程度などが水準より劣っている」という意味で使われます。
「秀逸な作品」に対して「劣等な作品」のように反対の意味を持つ文章を作成できますが、「秀逸」を「劣等」に置き換えるだけで必ず反対文章になるとは限りません。そのため、言葉を置き換える場合は、文章の内容を考えて組み立てなおす必要があります。
<例文>
- 彼の秀逸なプレゼンを見て、劣等感を抱いた
平凡
「平凡」は「へいぼん」と読み、「特に優れた特色もなく、ごくあたりまえなこと」という意味で使われます。優れているという意味で使われる「秀逸」に対し、「平凡」は「普通」を表します。
<例文>
- 彼の提案は特に秀逸というわけではなく、いたって平凡な内容だった
秀逸の英語表現
「秀逸」を英語で表現する場合、名詞のまま使うときは「excellence」を、形容詞として使う場合は「excellent」を使います。
また、「splendid」という形容詞を使っても、「excellent」と同じように「すばらしい」という意味を表現できます。
<例文>
- It was a splendid idea.
秀逸な考えだった。 - She is an excellent student.
彼女は優秀な生徒だ。
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ビジネスシーンでも使われることの多いこの秀逸という言葉の使い方を理解し、自分の言葉として正しく使いこなせるようになりましょう。
また「秀逸」だけでなく、よく分からない言葉に出会ったら、その言葉の意味や使い方から、関連する類語や対義語まで習得範囲を広げ、語彙力を増やしていきましょう。