日産自動車の新型「ノート」が発売から約1カ月で販売台数2万台を突破した。月間販売目標台数8,000台の2.5倍となる成績だ。最上級グレード「X」の構成比は84.2%。全体の4割強がナビリンク機能が付いた「プロパイロット」をオプションで選択しているという。

  • 日産の新型「ノート」

    日産が2020年12月23日に発売した新型「ノート」。2021年2月1日時点で販売台数が2万44台に到達した

とにかく静かなコンパクトカー

日産の新型ノートは約8年ぶりのフルモデルチェンジを経た3世代目。自慢のハイブリッドシステム「e-POWER」を含め全面的な刷新をとげたコンパクトカーだ。グレードは価格の低い順に「S」「F」「X」の3種類。すべてがe-POWER搭載車で、ガソリンエンジンのみで走るモデルはない。価格帯は202.95万円~218.68万円。ボディサイズは全長4,045mm、全幅1,695mm、全高1,505mm(Xは1,520mm)で幅と高さは前型(2世代目)と同等、全長は50mm短い。

  • 日産の新型「ノート」

    写真のボディカラーは「オペラモーブ」と「スーパーブラック」の2トーン。オペラモーブは大人なピンクといった感じの印象だ

何から何まで変わっているノートだが、新型が搭載するe-POWERは静粛性が売りだ。

e-POWERはガソリンエンジンを搭載しているが、これは発電専用で駆動は電力+モーターで行う。なので、エンジンが止まっていると電気自動車(EV)と全く同じで静かに走る。ただし、モーターを回すためのバッテリーはEVに比べるとかなり小さい(容量が少ない)ので、電気が減ってくるとエンジンを回して発電しなければならない。なので、e-POWERではときどき、発電中のエンジン音が聞こえてくる。

ただ、新型ノートはエンジンをかけるタイミングを見計らっているので、エンジン音がうるさく感じることが少ない。具体的にいえば、新型ノートはホイールに仕込んだセンサーで路面状況をチェックしていて、路面状況がよくない場面(ロードノイズなどでエンジン音がさほど気にならない場面)を選んでエンジンを回しているのだ。

前型に比べ、明らかに上級・上質なイメージに進化している新型ノート。まだクローズドコースで試乗しただけではあるが、実際に静かだったし、電気の走りでパワーも申し分なく、とても運転しやすいクルマだった。ライバルひしめくコンパクトカー市場において、魅力的な選択肢になっていることは間違いないだろう。