近年の自然災害やコロナ禍において、人と人の絆、助け合いの大切さがより求められる今。遠いルワンダのバスの中で起きたある出来事が、ツイッターで話題になっています。

それが、ルワンダで活動している場所文化研究家の加藤雅子さん(@MasakoKato1)が投稿したこちらのツイートです。

先ほどバスで起きた出来事
先頭右手に座る方がハイパーバス酔い、ゲロが止まらない

大丈夫か〜??という雰囲気が満ちる

右手に映るおばちゃんが突如「止まって!!」と叫ぶ

隣に座る男の子(知らん人)を外に行かせる

いやそれじゃない、その奥の、それ!と窓から指示して草を摘ませる

(@MasakoKato1より引用)

摘ませた草をぐるりと見て、よし、と頷きゲロの男性へ渡す

葉をよく揉んでかじって、と指示

男性、それ以降まったく吐かず

おばちゃん何事もなかったようにしれーっと下車

バスは進む
(@MasakoKato1より引用)

バスで酔ってしまった男性を、他人同士の乗客たちがみごとな連携プレーで助けるという場面に遭遇した加藤さん。この一連の出来事を以下のように振り返っています。

何がすごいか
・車内に居合わせた人が知らん人を心配する
・赤の他人のおばちゃんが声を上げる
・それに従う運転手
・おばちゃんの動体視力
・おばちゃんの薬草知識
・知らん人に指示を出して外に行かせる
・その言うことを素直に聞く男の子
・知らん人の更に知らん人のためにわざわざ土手を登ること

何がすごいか2
・おばちゃんの席から前方男性のところまでみんなで草運びリレー
・怪しまずに草を食べるゲロ男性
・知らない人の指示に従うこと
・おばちゃん全く恩着せがましくない
(声もかけずに下車)
・ゲロ男性、お礼も言わない
・何事もなかったかのような車内
・景色がきれい

加藤さんによると、ルワンダでは、知らない人同士で助け合うという光景はよくあることなのだそう。あまりにも見かけるので、手を貸している人と貸されている人同士がもともと知り合いかのように見えるほどなのだとか。まさに「すべてが自然に動く」というシーンだったそうです。

この投稿には、「ステキなお話し」「すばらしいな、全員」「助け合いが凄いですね」「いろいろすごいけどおばちゃんすごい。」「スゲー、異文化!w」と、驚きと賞賛の声が続々と寄せられていました。

加藤さんに、ルワンダの人たちについて伺ったところ、人によるので一緒くたにはしづらいとした上で、「概して受け入れる力と柔軟さがとても高い、と感じるシーンによく遭遇します。だいたい何が起きても『ナーチバーゾ』(問題ないよ)で乗り越えます。見知らぬ外国人(私)にもとても優しくしてくださいます」とのこと。本当にステキな人たちですね。

さて、リプライ欄には、まったく吐かなくなったという男性のその後を気にかける声が多くあがっていました。あの後どうなったのかというと……元気におしゃべりしていたそうです。「謎の草」の効果は抜群だったようですね。

今回のツイートが話題になったことについて聞くと、「遠いルワンダでの出来事にご関心を寄せてくださりとても嬉しいです。またこの出来事をご覧になって、皆様の『助け・助けられエピソード』がどんどん集まってきたことがさらに嬉しかったです。どんどんタイムラインがあたたかな世界になっていきました」という加藤さん。みなさんから集まったエピソードを、ツリーにしてくれています。ステキな話ばかりですので、そちらの方ものぞいてみてくださいね。