東京商工リサーチは1月12日、2020年(1~12月)「宿泊業の倒産動向」調査の結果を発表した。それによると、2020年の宿泊業の倒産は前年比1.5倍(57.3%)増の118件となり、2013年以来、7年ぶりに100件を上回った。

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コロナ関連倒産、業種別で最大

新型コロナウイルス関連感倒産は55件で、全体のほぼ半数(構成比46.6%)を占めた。2020年の業種別倒産件数の構成比では、新型コロナウイルス関連倒産が最も多い「飲食業」(138件、同16.3%)や「アパレル関連」(76件、同16.0%)を大幅に上回り、最も高い割合となった。

  • 宿泊業の倒産 年推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

原因別にみると、「販売不振」が79件(前年比61.2%増)でトップ。以下、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が22件(同22.2%増)、代表者の死亡など偶発的原因による「その他」が6件(同200.0%増)と続いた。また「不況型倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)」は101件で、全体の85.5%に達した。

負債額別では、5億円以上は計29.6%と、前年(22.6%)より7.0ポイント上昇。一方、1億円未満は計27.1%と、前年(37.3%)より10.2ポイント低下した。負債総額は前年比54.0%減の580億1,200万円と、2年ぶりに前年を下回った。

都道府県別では、長野県12件、東京都11件、静岡県9件、三重県・京都府・福島県が各5件、大阪府・兵庫県・奈良県・新潟県が各4件と続き、計39都道府県で発生。同調査では、「国内外からの訪客が多数にのぼる京都や東京、温泉地やスキー場など多数の観光地を抱える長野でコロナ禍の影響が大きかったことを映し出している」と分析している。