女優の森七菜が主演を務めるTBS系火曜ドラマ『この恋あたためますか』(毎週火曜22:00~)が、放送日に「#恋あた」がツイッター世界トレンド1位に輝くなど熱い盛り上がりを見せている。自由奔放な井上樹木(森)とクールな浅羽拓実(中村倫也)のやりとりが魅力的に描かれているが、森と中村のアドリブによって生まれたシーンもあるという。プロデューサーの中井芳彦氏に、2人の起用の狙いとともに、撮影の裏話を聞いた。
本作は、コンビニチェーン「ココエブリィ」の店員・井上樹木と社長・浅羽拓実が、コンビニスイーツの開発を通して、次第にお互いを意識し、惹かれあっていく恋の物語。パティシエ・新谷誠(仲野太賀)と商品部スイーツ課・北川里保(石橋静河)とを含めた四角関係の行方に注目が集まっている。
森は本作が連ドラ初主演。中井氏は「一時期ドラマや映画を見て、『演じているのは誰だろう?』と思って調べたら森七菜さんだったというのが何度か続き、その演技と、作品によってまったく違う人物に見えるのがすごいなと思いました」と森の演技に魅力を感じ、そして、「主人公の樹木は、アイドルの夢に破れてこれからどうやって生きていこうかなと思っている女の子。フレッシュな方に演じていただき、役柄とともに応援したいと思う方に演じていただきたいと考えたときに、森七菜さんが真っ先に頭に浮かびました」と主演に抜てきした。
撮影初日の森の姿が印象に残っているという中井氏。第1話、樹木がコンビニのバックヤードで、浅羽と自分の携帯の取り違えに気づくというシーンで、森は自分の演技に納得できず悔しそうな表情を見せたという。「芝居としては成立していたのですが、ご本人としては納得できていなかったようで、自分に求めているレベルがとても高いなと感じました」と、演技に対する森の姿勢が伝わるエピソードを明かした。
その姿を見て、樹木役にぴったりだと改めて確信。「悔しそうな感じが井上樹木というキャラクターとかぶるところがあり、森さんの真摯な態度や作品に対する思いが樹木に投影されていったように思います。夢破れた女の子がひょんなことからスイーツ開発に関わることになってからの情熱と重なる部分があり物語を作る上でとても助けられています」
中井氏は、中村がゴン役を演じた『凪のお暇』のプロデュースも。「中村さんは今まで(直球の)ラブストーリーをやったことがないと聞いたので、ぜひお願いしたいなと。また、スーツを着た社長役を見てみたいという思いもありました」と中村の起用理由を説明する。
組み合わせも新鮮さを求め、森と中村が初共演であることをまず確認。また、中井氏はいつもキャスティングにおいて「声」を大事にしているそうで、「お二人とも素敵な声。想像を掻き立てる声で、お二人のやりとりを見てみたいと思いました」と、声も起用理由の一つに。