副業というと、時間給や日給で賃金が支払われる形式がイメージされやすい傾向があります。しかし、昨今では副業のスタイルも多様化してきています。

本業に従事しながら、空いた時間で副業に取り組むことは慣れないうちはとても大変です。だからこそ、自分の好きなこと・得意なことで楽しみながらスキルアップができる、あなたにあったワークスタイルを探していきましょう。今回は「初心者でも取り組みやすい副業タイプ5選」を紹介していきます。

  • 初心者向きの副業とは?

    初心者向きの副業とは?

能力給型副業

最初に紹介する副業は「能力給型副業」です。「副業」というよりも、「兼業」や「複業(パラレルキャリア)」という呼び方のほうが適切かもしれません。本業の会社に勤務しつつ、月に数日間、他社で勤務するというスタイルで、今後もっとも広まっていく働き方になるでしょう。

会社員として複数の企業に勤務する以外にも、「能力給型副業」として考えられる職種があります。

たとえば、カメラマンや書籍の著者、翻訳者や講演家など、自分のスキルや知識、行動力次第で報酬を得ることが可能な職種も存在します。ひと昔前はフリーランスの人間が仕事を探すことは大変でしたが、今ではランサーズやクラウドワークスを中心とした、クラウドソーシングサービスの普及により仕事を探すことが容易になりました。ブログやSNSでの自己発信も活発になっています。

インターネット副業

次に紹介するのは「インターネット副業」です。

推奨するのは、本業と並行して、「インターネット副業」でお金を稼ぎつつスキルアップを図り、その収益で投資活動やシェアリング・エコノミー型副業など、お金でお金を稼ぐシステムを構築する、あるいはさまざまなスキルを身につけ、人脈構築を図り、複数の会社に勤務したり、副業をかけ合わせたりする方法です。

以下は、インターネットで展開できるビジネスの一例です。

インターネット上で展開できるビジネス
・ブログ/ウェブサイト運営による広告収入型副業
・クラウドソーシングサービスを利用したスキル活用型副業
-記事作成(ライティング)
-イラスト・写真
-ウェブデザイン・プログラム
-翻訳
-アプリ開発
・オンラインショップの運営
・YouTube やライブ動画配信による広告収入
・オンラインサロンを中心としたコミュニティ運営
・Kindle やnote を中心とした電子テキスト販売
・講座配信

投資型副業(株式投資・不動産投資)

古くからある副業のスタイルとして「投資型副業」があります。いわゆるお金に働いてもらって、利息や配当、家賃収入を得るスタイルの副業です。

今回はハイリスク・ハイリターンな要素が強いFXや仮想通貨については割愛し、株式投資と不動産投資について解説します。

▼株式投資

株式投資とは、企業が発行する株式を購入することで、企業が出した利益の一部を株主に還元する「配当金」を得たり、株価上昇による「売却益」を得たりする投資方法です。

株式投資のメリット
・配当金・株主優待(インカムゲイン)が得られる可能性
・売却益(キャピタルゲイン)が得られる可能性
・会社経営に参加できる
株式投資のリスク
・売却損(キャピタルロス)の危険性
・企業の倒産リスク
・流動性リスク(現金化のタイムラグ)

▼不動産投資

不動産投資とは、アパートやマンションなどを購入して家賃収入を得たり、購入した物件の価値が上がったときに売却し、売却益を得たりする投資方法です。基本的には株式投資と一緒ですが、不動産という価格の大きな投資方法になることや、居住者とのコミュニケーションや建物の老朽化など、不動産投資特有の注意点があります。

なお、不動産投資の利まわりは、賃料÷不動産購入価格で算出され、運営にコストがかかる投資方法なので、高めの利まわり(可能であれば8%以上)を目指して物件の取得を検討しましょう。

不動産投資のメリット
・年単位で安定した賃料収入(インカムゲイン)を確保できる
・売却益(キャピタルゲイン)が見込める
・節税効果がある(経費計上が可能)
不動産投資のデメリット
・空室リスク
・建物や設備の老朽化リスク
・金利リスク
・流動性リスク(即時の現金化が困難)
・不動産価格下落リスク

投資にはメリットだけではなく、リスクが伴います。本格的に投資を検討しようとしている人は必ず専門書などで理解度を深めてからチャレンジしましょう。

シェアリング・エコノミー型副業

「シェアリング・エコノミー」とは、個人が保有する不動産などの遊休資産をスマートフォンやパソコンなどのテクノロジーを活用し、貸し出しを仲介するサービスを指します。

具体的には、宿泊施設などを仲介する民泊サービス「Airbnb」、会議室やイベントスペースを仲介する「スペースマーケット」、駐車場を仲介する「akippa」、所有する車を個人間で貸し借りできる「Anyca(エニカ)」、保有スキルを仲介する「ココナラ」「ストアカ」など、数多くのサービスが展開しています。順番に紹介します。

▼民泊
Airbnbは190カ国3万4000以上の都市で100万件以上の物件情報を提供している、世界最大級の民泊サービスです。空き部屋やスペースなどを保有している貸主(ホスト)と、宿泊施設を探している旅行客(ゲスト)をつなげるプラットフォームを提供しています。

ワンルームマンションから一軒家(自宅の一部も可)、駅近物件から隠れ家的物件まで、多様な物件情報を提供しており、貸主になることで賃貸収入を得ることが可能です。最近ではAirbnb用に物件を購入する人も増えてきており、不動産投資の一種になっています。

民泊をはじめるためには「住宅宿泊事業法(民泊)」の届出が必要になります。観光庁が提供している民泊制度ポータルサイトがあるので、必ず確認しておきましょう。

▼レンタルスペース
「スペースマーケット」とは、民泊とは違い、貸し会議室やイベントスペースをレンタルするためのプラットフォームです。会議室の場合、ホワイトボードやデスクセット、Wi-Fiやディスプレイなどのビジネスに使われる機材が必要となりますし、パーティールームであればキッチンやソファーなど、居住性の充実が求められます。

▼カーシェアリング
「akippa」は全国の空いている駐車場の一時利用を仲介するサービスです。借主は希望価格で確実に駐車できる場所を確保でき、貸主は空きスペースを有効利用して収入を得ることができます。

「Anyca」は、自家用車をシェアするカーシェアリングサービスです。借主は軽自動車からワンボックス車、オープンカーから外車まで、オーナーの多種多様な自動車を用途や好みに応じて利用することができます。貸主は、土日にしか使わない自家用車を平日レンタルするなどして、収益を得ることができます。

▼スキルや経験もレンタルできる
得意分野やスキル、経験を売り買いできるシェアリング・エコノミーも増加しています。「ココナラ」は総合的にスキル売買ができるサービスで、「ストアカ」はスキルを教える講座のマッチングサービスと、各サービスによって特徴が異なります。

スキルや知識を保有している人は、その得意分野を収益に変えられる時代になったわけです。

資格活用型副業

資格がないと副業ができないわけではありませんが、資格を取得しておくことで副業の幅を広げることはできます。比較的取得しやすく、なおかつ副業に活用できそうな資格を一部紹介します。

▼ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは、顧客から収支や負債、家族構成、資産状況などの情報提供を受け、その情報をベースに将来のライフプランに応じた資金計画やアドバイスを行なう職業です。FPの知識を生かして金融機関等に勤務する人もいれば、独立したFPとして相談料、会員(顧問)契約の報酬、原稿執筆、講演活動などで収益を得ている人もいます。

▼宅地建物取引士(旧称:宅地建物取引主任者)
宅地建物取引士は、不動産会社が行なう、宅地や建物の売買や貸借などの取引に対して、購入者等の利益の保護と円滑に物件が流通するように重要事項の説明などを行なう、不動産取引法務の専門家です。

不動産関連の事務所や企業などは、従業員5人に1人の割合で宅地建物取引士を配置する義務があります。そのため、宅地建物取引士は安定して需要が高く、またFPと同様に独立して不動産業を営むことも可能です。

▼趣味を活かした民間資格
民間資格の一例ではありますが、趣味を活かして野球やサッカー、バスケットボールなど「審判員」資格を取得しておくと、地域の試合の審判員として働くことが可能です。しかし、報酬自体は決して多くないので、趣味と地域貢献的に取り組むことをおすすめします。

他にも「温泉ソムリエ」や「コスメマイスター」「整理収納アドバイザー」などの民間資格であっても取得することで、あなたの発信力の信頼性を増すことができます。「年間150箇所の温泉を巡る温泉ソムリエがおすすめする日本の秘湯3選」といったYouTube動画は、温泉好きであればつい見たくなりますよね。

独学で得た知識や体験を発信することもいいですが、第三者機関の信用を活用することも自分の発信の信頼性を上げるためには必要な要素です。