ひとり芸No.1決定戦『R-1ぐらんぷり』が19回目を迎える2021年、『R-1グランプリ』として大きくリニューアルされることが発表され、芸人界を中心に衝撃が走った。

その内容は、参加資格でこれまで問われることのなかった芸歴を「10年以内」に限定したこと。2016年から5年連続で決勝に進出している芸歴20年のおいでやす小田は、11月25日に行われた開催会見で、「あかんて! そんなルールにしたら!!」と、突然の出場資格喪失を嘆いた。

全国ネットのお笑い賞レースで最も多くのチャンピオンを輩出してきた『R-1』だが、この大改革の狙いは何か。大会を開催するカンテレの梅田一路プロデューサーに、話を聞いた――。

  • 『R-1グランプリ2021』へのエントリーを表明した芸人たち

    『R-1グランプリ2021』へのエントリーを表明した芸人たち

■“第7世代”の活躍も後押しに

決勝は毎年ゴールデンタイムの放送でありながら、関東ではここ4年連続で世帯視聴率1ケタ(ビデオリサーチ調べ)と低調。「何かを動かさないと数字は伸びていかないだろうなというのは、正直ありました」(梅田P、以下同)という思いを抱えていた中、今回大規模なリニューアルを敢行することになった。

まず、大きな反響があがった「芸歴10年以内」。この狙いについては「ひとり芸というのは、たった1人で舞台に立つ非常に難しい芸だと思っていまして、その将来を考えたときに、チャレンジしてくれる新世代の芸人さんが減ってほしくないなという思いがありました。そのために、決勝に残れるチャンスをより増やしてあげたい。それによって新世代のスターを『R-1』から輩出したいなという思いから、参加資格を限定させてもらいました」と明かす。

おいでやす小田をはじめ、ルシファー吉岡、ヒューマン中村など、決勝の常連メンバーが参加資格を失うことになるが、「ファイナルに残れるチャンスを若い人に広げることで、『ひとり芸にチャレンジしてみよう』という気持ちになってくれるんじゃないかというところで、今回の決断をしました」と期待を込める。

他のお笑い賞レースを見わたすと、近年は『M-1グランプリ』で霜降り明星(18年)、『キングオブコント』でハナコ(18年)、『THE W』で3時のヒロイン(19年)がチャンピオンになったのをきっかけにブレイク。その他の若手芸人たちを含め、いわゆる“第7世代”としてテレビ界を席巻している昨今の流れも、後押しの1つになったようだ。

■決勝メンバー常連化で「諦めていた人もいるんじゃないか」

「芸歴10年以内」という条件を前回のファイナリスト12人に当てはめると、パーパーほしのディスコ、ワタリ119のわずか2人しか参加資格を持てないことになる。

そうなると当然、全体のエントリー数が減ることも想定されるが、「今まで“ひとり芸”というところで諦めていた人もいるんじゃないかと思うんです。決勝は実力者が上がっていく中で、ひとり芸にずっと向き合ってきたベテラン芸人さんも多かったので、今回10年以下とすることで、『だったらひとり芸のネタも作ってみようかな』と思ってくれる若手芸人さん、コンビやグループの芸人さんで、新たにチャレンジしてくれる人がいるのではないか」と期待。

さらに、18年・19年はエントリーをプロに限定していたが、再びアマチュアにも門戸を開放(R-1出場10回以内が条件)することで、「3年前に決勝進出したカニササレ アヤコさん(当時・現役会社員)のように、とんでもない方が上がってくることもありますので、これをきっかけに新たなスターになるという道も『R-1』にはあってもいいのかなと思っています」と、エントリーの活性化を図っている。