日本経済団体連合会と東京経営者協会はこのほど、2020年3月卒「新規学卒者決定初任給調査」の結果を発表した。調査期間は2020年8月18日~10月7日、調査対象は経団連企業会員及び東京経営者協会会員企業、有効回答は497社。
引き上げ額、全学歴で前年比減
初任給決定にあたって最も考慮した判断要因を聞くと、「世間相場」が27.8%(前年27.9%)、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」が25.1%(同21.1%)、「人材を確保する観点」が16.7%(同20.9%)と続き、これ以降も前年と同順位となった。
初任給の決定状況を調べたところ、「前年の初任給から引き上げた」は42.6%で、前年より14.6ポイント低下したものの、2014年以降7年連続して40%を上回った。一方、「前年の初任給を据え置いた」は前年比15.0ポイント増の57.4%と、2017年以来3年ぶりに50%を超えた。また、「引き下げた」企業はゼロだった。
初任給を「引き上げた」企業の内訳をみると、「求人賃金として前年の初任給を示したが、賃金改定後引き上げた」が断トツに多く73.7%。続いて「求人賃金として前年の初任給より高いものを示した」が25.1%となった。
学歴別の初任給は、大学院卒・事務系が23万4,590円、同技術系が23万6,549円、大学卒・事務系が21万8,472円、同技術系が21万7,864円、高専卒・技術系が19万4,186円、短大卒・事務系が18万4,318円、同技術系が18万6,272円、高校卒・事務系が17万1,955円、同技術系が17万3,939円、同現業系が17万2,080円となった。
学歴別の初任給の引き上げ額については、大学卒・事務系が最も高く1,531円(前年比121円減)。次いで大学院卒・事務系が1,522円(同318円減)、高校・現業系1,411円(同269円減)と、全学歴で前年より減少した。引上げ率についても、前年より低下傾向にあり、全学歴で1%未満(0.55%~0.83%)となった。