ママやパパの体の負担をラクにする「疲れにくい」抱っこの姿勢とは?

ーー出生時の男子の体重は平均3.00kg(平成22年度乳幼児身体発育調査/厚生労働省)。わずか3kgと思ってしまいますが、素手で抱っこする際のママやパパの体への負担は、どれくらいのものなのでしょうか。

下村先生
日常生活の中で、手で何かを持つ作業というのは、一時的なものが多いと思います。仮に買い物で2リットルのペットボトルを持つにしても、持ち手を変えたり、車や自転車のカゴに置くまでの短時間なので、簡単に疲労回復できます。ところが赤ちゃんを抱っこするシーンというのは、泣いているのをあやしたり、寝かしつけだったり、長時間に及ぶことが多いですよね。わかりやすい例があるのですが、「大きい前ならえ」も、号令の瞬間だけなら楽にできますが、10分くらい続けると震えが出てきて、15分ほど経つと手がだんだん下がり、維持できなくなります。20分経つと、もうほとんどの人は諦めてしまうと思います。つまり、同じ姿勢を維持し続けることは、人の体にとって大きな負担になるのです。赤ちゃんをずっと抱きかかえた状態でいるときの肩や腰への負担は、相当なものだと考えられます。