志望動機を英語で表現する場合、日本語で考えた自分の気持ちをそのまま英語に直しただけでは、正確な意味が伝わらない場合があります。英語力に自信がある人でも、志望動機でうまく自分を表現できなければ、面接までたどり着くことはできません。本記事では、志望動機が聞かれる目的を押さえたうえで、外資系企業でも評価される英語の志望動機の作成をお手伝いします。

  • 志望動機、日系企業と外資系企業の違いを押さえておこう

    面接で必ず聞かれる志望動機。英語で答えるためには準備が必要

日系企業と外資系企業の志望動機の違い

英語で志望動機が求められるのは、ほとんどが外資系を志望した場合です。最初に外資系企業が求める志望動機を、日系企業の志望動機と比較しつつ説明します。

日本語の志望動機と英語の「カバーレター」の違い

日系企業に提出する志望動機は、エントリーシートや履歴書の一項目として作成されます。一方、英語で志望動機を作成する場合は、履歴書(レジュメ)の中ではなく、カバーレターとしてA4用紙1枚に簡潔にまとめ、履歴書と一緒に提出します。

カバーレターとは履歴書に添付する書類(添え状)のことで、志望動機や自己PRなどを記載する際に使用します。

英語の志望動機に求められるもの

日系企業がエントリーシートや履歴書、面接で志望動機を問う主な目的は、応募者が「なぜ自社を選んだのか」「なぜその職種を選んだのか」を知ることです。一方、外資系の企業が焦点を当てるのは、「この応募者がいかに自社に貢献してくれるか」を知るためです。そのため、カバーレターに書く際は、「自分の経験や資質、スキルが応募した職種に、今、どのように貢献できるか」に焦点を絞って書く必要があります。

面接で”Why would you like to join our company ?”と聞かれる理由

「志望動機」は日系企業でも外資系企業でも面接で必ず聞かれる質問です。応募者がどこまで本気で自社を志望しているのかを把握して、滑り止め程度に思っている候補者に時間と労力を費やすことを避けたいからです。

日系・外資系ともに熱意を伝えることが大切ですが、外資系の場合は特に、企業理念や戦略、事業内容、文化など、自分が共感したポイントを具体的に挙げつつ、共感した理由を経験に基づきながら伝えることが求められます。

カバーレター作成時に志望動機を固めておくと、面接時にも応用できます。ぜひ本記事を参考に、あなたにしか伝えられない志望動機を作成してください。

  • 志望動機、日系企業と外資系企業の違いを押さえておこう

    あなたらしさが伝わるカバーレターを作成しよう

英文志望動機書のポイントと例文

志望動機書を英語で作成する場合は、以下の流れで作成することが重要です。

  1. 志望動機は具体的に
  2. 適格性の説明は論理的に
  3. ビジョンは熱意を持って

以下、カバーレターの流れに沿って、例文と合わせて具体的に見ていきましょう。

(1)志望動機は具体的に

なぜこの会社を志望しているのかを自分自身の経験や問題意識と重ね合わせながら具体的に作成します。

【例1】会社の理念やポリシーに共感し、志望している場合

The vision of “ xxxx “ which you state is the theme I have always been interested in. I helped my father’s traditional retail store for three years in college and began to think about what role marketing plays in the traditional industry.
(御社の“ xxxx “という理念は、私が一貫して興味を抱いてきたテーマでもあります。私は大学在学中の3年間、父の営む老舗小売店を手伝い、マーケティングが伝統産業の中でどのような役割を果たすのかについて考えるようになりました。)

【例2】企業文化に魅力を感じ、志望している場合

While researching your company, I was deeply impressed by your corporate culture that fosters the skills and competencies of each and every employee. My ideal work environment is one where we work as a team, but at the same time, the diversity and uniqueness of each individual is respected and that feeds back into the vitality of the organization. My ideals have been nurtured by my past experiences that...
(御社の研究をしている際に、社員1人ひとりのスキルやコンピテンシーを育成するという御社の企業文化に深い感銘を受けました。私の理想とする職場環境は、チームとして働きつつ、同時に1人ひとりの多様性や個性が尊重されており、そのことが組織の活性化につながるというものです。私の理想は過去の~という経験によって培われました。)

【例3】商品やサービスが好きで、志望している場合

I have been using your software ever since my parents gave me the first computer for my 10th birthday. I remember coming home from school and being excited to use the software everyday. After college, the more I gained expertise in programming, the more impressed I became with your innovation and development in this area. I would like to be a part of your team and be involved in its creation and use my skills.
(私は10歳の誕生日に両親からパソコンをプレゼントされて以来ずっと、御社のソフトウェアを使っています。毎日学校から帰ると、ワクワクしながらソフトウェアを使っていました。大学に入り、プログラミングの知識を身につければつけるほど、御社のこの分野における革新的な開発に、深い感銘を受けるようになりました。御社の一員として開発に加わり、私のスキルを活かせることを希望しています。)

(2)適格性の説明は論理的に

志望動機に続いて、自分が志望する会社にいかに適格かを「売り込む」部分です。自分のスキルや強みが、会社にとってどのように役に立つかを論理的に説明します。

【例1】大学で学んだことを中心に書く場合

I have a master's degree in Computer Science from the University of AAA, which has given me a deep understanding of artificial intelligence, data analytics,cybersecurity. I believe that my knowledge and skills will contribute to your products development and innovation.
(私はAAA大学でコンピューターサイエンスの修士号を取得しました。そこでは人工知能、データ解析、サイバーセキュリティについて深い知見を得ています。私の知識とスキルが御社の製品開発と技術革新にかならず貢献できるものと確信しております。)

【例2】学業外の経験を中心に書く場合

I have been a member of a volunteer group that promotes interaction between children in Japan and other countries for three years, and in my third year as a leader, I was responsible for planning and organizing various events. With my experience, I’ve acquired good command of English, excellent organizational skills, ability to work well with teams. I believe I am well qualified for XXXX of your company.
(私は日本の子供たちと外国の子供たちの交流を促進するボランティアグループに3年間在籍し、3年目はリーダーとしてさまざまな行事を企画・運営してきました。その経験を通して、英語力や組織力、チームの一員として活動する力を身につけました。私は御社のXXXXに適格性を有していると考えております)

(3)ビジョンは熱意を持って

最後に将来のビジョンを熱く語ります。自分が会社に対して何ができるか熱い思いが感じられるように書きます。

【例1】自分の夢と会社での仕事を重ね合わせる場合

My career goal is to develop meaningful relationships and help people in any setting. I’m excited to apply my ideal and determination to grow and nurture Company AAA’s mission XXX.
(私の仕事を通じての目標は、どのような環境にあっても人々と意義のある関係を持ち、人々の役に立つことにあります。AAA社のミッションであるXXXを達成することを通して、自分の理想と決意を実現したいと願っています)

【例2】会社のミッションに共感し、一員になりたいことを伝えたい場合
AAA’s focus on customer success has deeply impressed me. I'd love a chance to learn more about your challenge and demonstrate how I can help your team reach organizational goals. I believe my skills and motivation make me a great potential asset.
(AAA社のカスタマーサクセスに焦点を当てた取り組みに、私は深い感銘を受けました。貴社の挑戦についてさらに深く知りたいと願うと同時に、貴社が目標を達成するお手伝いができるチャンスをいただけることを心より願っています。私のスキルと高いモチベーションは、将来的にかならず貴社のお役に立てるものと確信しております)

  • 英文志望動機書のポイントと例文

    熱い思いを伝えることであなた自身を際立たせましょう

英文志望動機書の3つのポイントを押さえ、次のステップに歩みを進めよう

本記事では「具体性」「論理性」「熱意」の3つの面に焦点を絞り、英語で志望動機を作成する際に気をつけるべきことについて説明しました。

具体的に書くためには、企業の研究を綿密にし、それに対する自分の意見を作っておかなければなりません。論理性を伝えるためには、日常的に論理的思考に慣れておくことが必要です。熱意を伝えるためには、自分自身が将来のことを考え、夢を持ち、「10年後、どうなっていたいか」「キャリアを通じて何が達成したいのか」というビジョンを持っていることが必要です。

例文を活用しながら、同時に自分自身が深く考えることで、よりよい志望動機書を作成してください。