自動販売機の「業界用語集」

【ベンダー】
自販機のことを、「ベンディングマシーン」略して「ベンダー」と呼びます。

【ダミー】
自販機の正面に商品が並んでいますよね? あれのことを我々は「ダミー」と呼んでいます。そこでお客さんに商品を選んでいただいて、欲しい商品のところのボタンを押すと中に入っている実際の商品が出てくるという仕組みになっています。

  • 自販機に並んでいる商品の模型こと「ダミー」

【コラム】
自販機内に、商品を入れる箱みたいなものがあるんです。その箱1つ1つのことを「コラム」と呼びます。自販機の中を開けると、例えば「縦5×横5」で25のコラムがあって、そこにそれぞれの商品を入れていきます。コラムの大きさは、500mlペットボトルを含めて全部の商品に対応できるコラムと、500mlペットボトルは入らないけれども、小さいペットボトルや缶しか入らないものと、大きくわけて2つのタイプがあります。パターンは色々とありますが、市場としては500mlペットボトルの需要がすごく増えているので、500mlペットボトルが多く備えている自販機を積極的に展開するようにしています。

【セレクション】
コラムと同じ意味で「セレクション」という用語もあります。「縦5×横5」で25コラムの自販機のことを「25セレクションの自販機」、略して「25セレ」と言ったりします。それでどれぐらい商品ラインナップを揃えられる自販機なのかがわかります。これも幅と奥行きによって色んなタイプがあるのですが、サントリーのオフィシャルサイトに載っている「スタンダードタイプ」だと、「30セレ」です。必ずしも、表に並んでいる商品(フェイス)の数と同じとは限らないので、この場合は「36フェイスの30セレ」と呼びます。どういう仕組みになっているかというと、中は1つのコラムに商品が入っているんですけど、表には商品が2フェイス並んでいて、2つのボタンが1つのコラムに繋がっているんです。どちらのボタンを押しても、同じコラムから商品が出てくるようになっています。

【コインメック】
硬貨を入れる箇所のこと。

【ビルバリ―】
お札を入れる箇所のこと。

【自販機オペレーター】
自販機設置場所に応じた商品の選定・管理・補充、自販機へのPOPの貼付、自販機および周辺の清掃、売上金の回収・管理などの業務を担っている会社のこと。

【商品名の略称】
正式名称として使っているものはないんですけど、例えば「サントリー緑茶 伊右衛門 280mlペット」のことを、「伊右衛門小ペット」と呼んだりします。僕が昔セールスをしていたときには、伊右衛門茶の小さいペットボトル、略して「伊茶小ペ」(いちゃこぺ)って言っていました。僕が担当していたオペレーターさんがそういう風に言っていたのでそれが正式名称だと思っていたんですけど、本社に移ってから「伊茶小ペ」って言ったら「なんのこと?」と言われ、共通の略称ではないことに気付きました(笑)。

スーパー、コンビニなどと自動販売機で売られる商品の違い

基本的には、お客さまが飲みたいものをお客さまの一番近くで提供できるというのが、自販機の強みだと思っています。ラインナップとしては、完全にスーパー、コンビニと違うものだけを揃えるということではなく、お客さまが求める同じ商品を提供するというのがベースにあります。なので、スーパー、コンビニで売れ筋だった商品を自販機でも売るようにしようということもあります。

例えば、今年の9月から「クラフトボス レモンティー」と「クラフトボス ミルクティー」を自販機でも取り扱うようになりました。ただ、自販機という特性上、買ってすぐに飲み切りたいというニーズもありますので、例えばコンビニとかには売っていない「サントリー緑茶 伊右衛門 280mlペット」も、飲みきりサイズで自販機で提供しています。あとは、「ペプシ リフレッシュショット」という商品があるんですけど、200mlの容量でグッと飲んで、「さあ、仕事がんばろうか」って体にスイッチを入れるような、小容量で濃い商品を提供していたりします。

また、同じ容量でもスーパー、コンビニとかと容器が違う場合もあります。なぜかというと、例えば四角い容器だと自販機の中でひっかかっちゃうんです。ですので、自販機の商品には円柱型のボトルが多いです。あとは、下に落ちてくるのでその衝撃に耐えられるような容器になっています。

自動販売機限定商品

「サントリー天然水サイダー」
学校に設置した自販機で良く売れています。甘さと天然水の清冽な美味しさが、学生さんにニーズがあるのではないかということで2019年に発売したところ、現在も大変好評をいただいています。

「GREEN DAKARA すっきりしたトマト」
自販機で非常に売れている商品です。トマトジュースのドロッとしたところがなく、すっきりして飲みやすいので「トマトジュースは嫌いだったけどこれは飲める」という嬉しいお声をいただいています。着眼点としては、野菜の栄養も摂れるし、水分補給もできますし、厚生労働省が熱中症対策として推奨しているナトリウム量も入っていています。一気に缶で飲み干すという熱中症対策もできるので、一気に缶で飲み干すというニーズが、周りにあまりお店がない環境の工場の自販機にあるんじゃないかということでした。発売以来、工場だけでなくオフィスでも、不健康を気にしている方が免罪符的に飲まれているようで、人気がありますね。

「POPメロンソーダ」
“懐かしい”というイメージがポイントです。自販機って、メインのお客さんが30代~50代の男性の方が多いんです。そのメインユーザーの方が、昔懐かしく思えるところが好まれているんだと思います。じつはそれで、「天然水サイダー」もパッケージにビー玉がデザインされているんですよ。

その他、9月ぐらいに発売した2月ぐらいまでの期間限定発売商品「ホットはちみつレモン」「ビストロボス コク旨い、粒たっぷりコーンスープ」等も人気です。