日本能率協会マネジメントセンターはこのほど、「イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2020」の結果を発表した。同調査は6月、2019~2020年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計1,502名に対し、インターネットで実施した。
内定~入社、配属前の課題・不安について尋ねたところ、1位は「生活のリズムがつかめない」、2位は「上司・先輩と良い関係が築けない」、3位は「仕事が自分に合っているか」という結果になった。
19年入社者と比べると、20年入社者はテレワークにおける課題や不安が顕在化していることが特徴。具体的には、「職場の人間関係」や「配属先の業務遂行を通じた成長」に関する回答結果が課題や不安として増加している。テレワークなどによる対面(コミュニケーション量)の減少や配属時期の後ろ倒しなどが影響していると考えられるという。
20年入社者の 70%は、緊急事態解除宣言中は在宅勤務だった。配属1~3カ月後の課題・不安について尋ねた結果では、1位は「担当する業務の知識・手順がわからない」、2位は「生活のリズムがつかめない」、3位は「仕事が自分に合っているか」、4位は「何がわからないのかわからない」となった。
コロナ禍で入社したメリットはあったか尋ねたところ、75.5%が「あった」と回答した。出現キーワードを分類すると、1位は「研修・教育・自己研鑽」、2位は「仕事」、3位は「在宅勤務・テレワーク」となっている。
具体的には、「周りに人がおらず集中できた」「時間をかけて仕事が覚えられた」「リモート推進のメリット、デメリットを先入観なく認識できる」などの声が挙がった。これまで主流だった「短期集中型の教育」や「配属後すぐに現場で多忙な日々を送る」などとは異なる状況によって、新入社員がゆっくり成長する時間を得られたと考えられるという。
2020 年入社の新入社員の指導・育成担当者に、現場におけるコロナ禍の影響を質問したところ、「現場配属時期へ影響があった」「配属後に新人が職場になじめるか不安である」「緊急事態宣言期間中、新人・若手に指導がしにくかった」の回答結果がいずれも 60%を超えた。
一方、働き方改革が進む中での「新入社員との関わり方」については、59.1%が「成長につながる仕事であっても、残業をしないことを優先して業務を減らしている」と回答している。新人の成長は気になりつつも、残業時間の削減を優先し、限られた時間の中でのマネジメントや成長支援を指導者側も迫られていることがわかった。