20~30代のビジネスパーソンの中には、世の中の価値観や働き方が大きく変化しているにもかかわらず、コロナ前と変わらぬ価値観や考え方で仕事をしている人が少なくない。

特に顕著なのが、正解を求めて、上司や先輩の指示通りにしか行動できないタイプである。不確かで、先が見えず、誰も答えを知らないこの世の中では、一番損をしてしまうことになりかねない。

そこで、ギャルモデルでありながら、演技やコスメブランドのプロデュースを手がけ、先日『ギャルでも、バカでも、 本気出した結果、 好きな仕事で稼げるようになった話』(KADOKAWA)というエッセイ本を出すなど、「常に自分のやりたいこと」にチャレンジしている、白ギャルモデルの伊藤桃々さんに伺った。

  • モデル、インフルエンサーの伊藤桃々さん

平成生まれの彼女は、2018年に復活で話題となったギャル雑誌で『egg』Web版(エムアールエー)でモデルデビューし、恋愛リアリティ番組『太陽とオオカミくんには騙されない』(AmebaTV)で全国の女子高生から大ブレイク。

さらに、TikTokやインスタなどのSNS総数フォロワー数が100万人を超えるインフルエンサーでもある。

アルバイト時代は夢中になれることで、お店に貢献

これまで、どのように仕事と向き合ってきたのだろうか。最初に彼女の口から出てきたのは、モデルになる前のアルバイト時代の話だった。

「地元のラーメン店でバイトしていた時から、自分が好きなことには時間を忘れ、夢中になって取り組んでいました。ピークタイムが過ぎると、他のバイトスタッフはのんびりしていたんですが、私はお客さんにお店のトッピングの具材を紹介するために、イラストや自分なりのお勧めメッセージを描いたPOP作りに励んでいました」。

彼女が「オススメの組み合わせ」や「おいしい食べ方」をPOPで紹介したところ、お店の売り上げが劇的に伸び、当時チェーン店で実施していた売り上げコンテストで上位店に選ばれ、賞金もゲットすることができた。

その成果を理由に時給の値上げ交渉を店長に行い、アップすることができたという。

やりたいことを実現するために

やりたいことを追求すれば、ビジネスになるーーこの経験が、今の仕事でも大いに生きているという桃々さん。

その1つが、コスメのプロデュースである。2019年8月に設立した株式会社M thread(エムスレッド)で課長に就任し、コスメブランド「More.. Mi by momo(モアミーバイモモ)」の企画開発を担当することに。

これも、彼女が、所属事務所に「やってみたい」と提案し、実現したことだという。そのために、彼女はモデル業を行う傍らで、自分の名前を多くの人に知ってもらうために、TiktokやInstagramなどのSNSに率先して取り組み、アクセス解析しながら、フォロワーを増やしていった。

  • 子どもの頃からコスメを作るのが夢だったと話す伊藤さん

「小さい頃からメイクが好きだったので、いつかは『コスメを作ってみたい』と思っていました。それにはファンの子に影響を与えられる存在にならないと思っていて、それなりの知名度を持てた今なら、事務所も認めてくれるだろうと考え、手を挙げました」。

失敗するだけ成功に近づく

「やりたいことだったら、とことんこだわれて、夢中になれるじゃないですか。コスメブランドも、リップを1つ創るのに、100色の見本を試しましたし、今女の子たちがどんなものに興味があるのかも、自分なりに徹底的にリサーチしました。

自分が『かわいい』と思え、納得できる商品であることも大事ですが、加えて、これを欲しいと思ってくれる女の子の嗜好やニーズを知らないと、『買いたい』と思ってもらえませんよね」。

自分自身が納得できるまで、リサーチをして、商品を見て、使って、決めていく。やりたいことを任されたら、決して手を抜かないのが彼女の信条であり、強みのようだ。

  • 動いたほうが後悔しないと話す伊藤さん

「正直、うまくいかないこともほんとに多いです。でもうじうじ悩んでやらないよりは、動いたほうが後悔しないし、諦めなければ、失敗するだけ成功に近づいていると思えるんです。そんなこと言っても、失敗するのは恐いんですけど(笑)」。

「なんとかなる」で、乗り切ってきた

彼女のこのポジティブな考えを支えているものとは何なのだろうか?

「きっと楽観的に考えられるようになったからだと思います。デビューして、メディアに取り上げられるようになってからも、ずっと不安な気持ちでいっぱいでした。でも、今もちゃんとお仕事ができているので、深く思い詰めてもしょうがないなと気付きました。だから、最近は『なんとかなる』と思っています」。

やりたいことを仕事にできるなんて、特別な人だけができることだと思っている人も多いはず。そんな人に限って、やりたくない仕事の日々を送っているものだ。

「失敗したくない」「私にはできない」――正解だけを求める人のほとんどは、こうした考えが根底にあるはずだ。彼女のように、その意識を変えるためにも、まずは、ワクワクしながら夢中で取り組めるものを探すことから始めていかがだろうか。

取材協力:伊藤桃々(いとう・もも)

egg専属モデルの白ギャル。タレント。自社ブランドを立ち上げ・ブランドプランナーチーフマネージャー課長に就任。「More.. Mi by momo」でリップグロスを発売し、先ごろ『ギャルでも、バカでも、 本気出した結果、 好きな仕事で稼げるようになった話』(KADOKAWA)も出版。