「第33回東京国際映画祭」(TIFF)のオープニング作品とTOKYOプレミア部門に選出された映画『アンダードッグ』の舞台挨拶が2日、東京・EXシアター六本木で行われ、森山未來、勝地涼、武正晴監督が登壇した。
本作は、人生から見放された3人のボクサーの物語。過去のささやかな栄光が忘れられず“かませ犬(=アンダードッグ)”になり果てた今も、ボクシングにしがみつく事しかできない崖っぷちボクサー・末永晃を森山未來、児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚めるが、過去に起こした事件によって将来に暗い影を落とす若き天才ボクサー・大村龍太を北村匠海、夢も笑いも半人前な芸人ボクサー・宮木瞬を勝地涼が演じた。
劇中でボクサーとして対決した森山と勝地は、そのシーンを回顧。森山は「実際リングに上がってお客さんに囲まれて声援を浴びながら、アドレナリンを感じながら、宮木をボコるという」と振り返り、「勝地とは長い付き合いなので、お互い段取りを確認しながら。ボクシングの試合はテンション上がるんですけど、そういうときこそ冷静にやらないといけないので、そういうのを意識しながら、コミュニケーションをとりながらやったのを覚えています」と語った。
勝地は「宮木はやられる役だったので、次こうやられるって意識していても、ガードしているうちに、今何が行われているか本当にわからなくなって、未來くんに正直に『次なんだっけ』って聞いて。未來くんに引っ張ってもらった」と打ち明け、「実際にある程度当てているものもあって、信頼も込めて未來くんはガッツリ殴ってくれて、小さい声で『痛い』って伝えた」と話すと、会場から笑いが。勝地はまた、「エキストラの方もすごい人数入っていて、武さんがエキストラを盛り上げるように演出していたので、活気にあふれていて僕らも興奮しながら撮影できた」と現場の様子を伝えた。
「東京国際映画祭」は、国際映画製作者連盟から公認を受けた国際映画祭。今年は、10月31日~11月9日に東京・六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催する。新型コロナウイルスによる制約の下で、映画館での上映を基本にしつつ、シンポジウムやゲストのトークなどにオンラインも活用する。また、昨年まで実施していた「コンペティション」「アジアの未来」「日本映画スプラッシュ」の3部門を統合し、「TOKYOプレミア2020」として展開。全作品を対象に観客が投票する「観客賞」を設けている。