上司に「あの案件、ちょっとネゴってきて」と言われたら、すぐに意味を理解できますか?

ここで言う「ネゴ」とは、交渉や協定の話し合いを意味する「ネゴシエーション」の略。つまり、上司は「交渉をしてきて」と言っている訳です。

ネゴシエーションは企業との取り引きや部下とのやり取り、さまざまなシーンで役立ちます。今回はネゴシエーションという言葉の意味やその目的、成功・失敗を招くポイント、ビジネスシーンにおける活用例をご紹介します。

  • ネゴシエーション活用例

    明日から役立つ! ビジネスシーンで知っておきたいネゴシエーション

ネゴシエーションとは?

そもそもネゴシエーション(negotiation)とは、交渉や取り引き、協定に関連する話し合いを意味する言葉です。

ビジネスシーンでは取引先との交渉や社内での意見共有の際に互いに納得する条件を引き出して調整するといった意味合いで使われます。このような能力を「ネゴシエーションスキル」といいます。

先述の通り「あの案件、ちょっとネゴってきて」など「ネゴ」と略して言い表されることもあります。

ネゴシエーションの目的

自社と他会社での取り引きの際に、条件が合わず苦労した方は少なくないでしょう。また、同じチーム内で意見が対立したり、それぞれが別の目的を持って動いて足並みがそろわなかったりといった問題が発生したことはないでしょうか。

このようなときに衝突を避け、互いに意見を調整し、納得できる条件や同じ方向性を向けるよう探るためにネゴシエーションは使われています。

ネゴシエーションが必要なシーン

ビジネスシーンでは、多くの場面でネゴシエーションが必要となります。

取引先と契約するときの条件の調整や、協定の話し合いなどで使われるといったイメージが強いですが、それだけではありません。社外とのやり取りだけではなく、部署間での仕入れの調整や同じチーム内での目標決定、入社時の待遇条件の取り決めなどでも使用されています。

複数人での意思決定や目標の共有が常となるビジネスシーンにおいて、ネゴシエーションは必要不可欠なのです。

  • ネゴシエーションとは?

    ネゴシエーションスキルを磨くとさまざまな場面で重宝します

ネゴシエーションを成功させるためのポイント

ネゴシエーションを上手に活用することができれば、さまざま場面で物事がスムーズに進みます。ここでは、ネゴシエーションを成功させるためのポイントを4つご紹介します。

1. じっくりと話し合いを行う

ネゴシエーションを行うときは、焦ることなくじっくりと話し合いを行うことが必要です。

時間をとって相手と話し合いを行うことで、相手の要求するポイントを把握し目的を理解することが可能になります。また、相手にも自分の譲れない条件やスタンスを伝えることができます。

お互いが相手の要求をくみ取り、妥協点を導く上で、慎重な話し合いは必要不可欠です。

2. 相手に自分の要求を的確に伝える

ネゴシエーションは相手の要件を飲むだけでは成立しません。良好な関係を築きたいからといってYESマンに徹していては、適切な話し合いとはいえないでしょう。

一度まとまった交渉は簡単に変更することはできません。交渉のテーブルの空気だけを重視し、相手方に有利な条件で交渉を成立させてしまうと、その後長い間不利益を被る可能性があります。

ネゴシエーションをするときには、必ず自分の条件や目的を相手に伝えるようにしましょう。また、自分では提示したと思っていても相手には正しく伝わっていなかったり、勘違いが起こったりしていることもあるかもしれません。

自分たちの意見が正しく相手に伝わるよう、よく考えた上でコミュニケーションを行うようにしましょう。

3. 情報収集を行う

ネゴシエーションに臨む準備として、情報収集はかかせません。相手の要求はどのようなものなのか、条件はどのようなものなのかヒアリングを行って予測を立てておくといいでしょう。

提案を行う際も事前に得た情報を知った上で、相手と自分の条件にあったものをあらかじめ準備しておくと、交渉がスムーズにまとまる助けとなります。

4. 決裂時の対策を練っておく

ネゴシエーションは、どんなときでも必ず交渉がまとまる力ではありません。

事前に情報収集をし、要求を的確に伝え、じっくり話し合いを行っても残念ながら決裂してしまうこともあるでしょう。そのために決裂時の対策を練っておくことが重要です。

決裂時のさらなる案や、最低限譲歩できるラインを考えておくことで、交渉による関係悪化を防ぐことができます。

  • ネゴシエーションが成功するときのポイント

    大切なポイントを守ってネゴシエーションを成功へ導こう

ネゴシエーションが失敗してしまうケース

反対に、ネゴシエーションが失敗してしまうのはどのようなときなのでしょうか。 ネゴシエーションが失敗する3つのケースをご紹介します。

1. 相手を説き伏せようとする

自分にとって都合のいい条件のみを相手側に飲ませ、説き伏せようとすると対立をうむきっかけとなります。

議論を重ねて勝敗を決めるのはネゴシエーションとはいえません。ネゴシエーションをするときは、それが「交渉」であることを常に忘れずにいましょう。

2. すぐに答えを出そうとする

焦ってすぐに答えを出そうとすると、双方が納得する結果を出すことはできません。

違いに譲れない条件はどのようなものなのか、反対に妥協できる部分はどこにあるのか、腰を据えて話し合うことで均衡を見出し、合意へ導くことが大切です。

3. 駆け引きだと勘違いしている

ネゴシエーションをテクニックや会話スキルで優位に立つための駆け引きだと勘違いしてしまうことはよくあります。

ネゴシエーションとは、立場やゴールの違う双方が要望を出して、歩み寄ることを指します。自分が了承できるポイントを守り、互いが納得できることこそがネゴシエーションのゴールといえるのです。

ネゴシエーションを行う際には相手へ歩み寄る気持ちを忘れず、決して独りよがりにならないようにしましょう。

ネゴシエーション活用例

ネゴシエーションは実際にビジネスシーンでどのように活用できるのでしょうか。

企業間取引

企業間での取り引きはネゴシエーションを使用するために効果的な場面です。

先ほど説明したネゴシエーションが成功するポイントを守ることで、取引先と良好な関係を築きながら適切な契約を結ぶことができます。

社内での意識共有

部署間や同じプロジェクトチーム内での意識共有を行う際にもネゴシエーションが活躍します。

営業担当の発注するスケジュールに対して、クオリティーを重視するために時間を要するデザイナーなど、同じ社内で対立しがちなチームもネゴシエーションを行うことで意識の共有ができるようになるかもしれません。

部下への指導

部下や後輩への指導でもネゴシエーションは有効です。

頭ごなしに指導するだけでは部下の成長を見込むことはできません。

自分が部下にどのような成長をしてほしいと思っているのかを適切に伝え、また部下の意見に耳を傾けることで適切な指導を行えるようになります。

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企業間はもちろん部署間やプロジェクトチーム内など、ビジネスでは複数人での意思決定が重要となります。

ネゴシエーションを効果的に使うことは、円滑に業務を行うための助けとなるでしょう。ネゴシエーションは相手に自分の言い分を通すためのテクニックではなく、互いに譲れないポイントを知り、それぞれが納得できる地点を探っていくためにあるものです。

「あの案件、ちょっとネゴってきて」と言われたら、すぐに「交渉してほしいのだな」と理解し、事前の情報共有や、じっくり話し合いを行うことでネゴシエーションを成功できるよう導きましょう。