福岡市の防災設備企業・寿防災工業の取締役を務める安永周平さん(@Shuhei_kotobuki)のツイートが話題です。

注目されているのは、お友達のデザイナーさんと、クライアントとのやりとり。「あなたはデザイナーだからすぐにできるよね?」そんな心無い要望への真理を突いた返答に、共感が集まっていました。

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「僕は作るのに2時間かかったけど、◯◯さんはデザイナーだから30分くらいでできるよね?」
「いや、僕はデザイナーなんで作るのに2週間かけますよ」
今さっき聞いた友人のデザイナーの話。プロの仕事ってこういうことだよね。安く買い叩きたい意図が見え見えの人に、いい仕事しようなんて思わない。(@Shuhei_kotobukiより引用)

コンセプトを練り込んで、たくさんのアイデアを出して、それを良くしていく……。結果として出来上がった成果物の裏側にある“目に見えない部分”こそが実は重要で、それこそがプロの仕事なんですよね。

安永さんにお話を聞いてみました。

――今回、ご友人とクライアントさんのやりとりを紹介したツイートが数多くの読者にシェアされました。率直な感想はいかがでしょう?

「このツイートに反響があったことは、価格や条件交渉で困っている、虐げられているクリエイターが世の中には本当に多く、その悩みが深刻なことを裏付けているように思います。

僕の友人のデザイナーの言葉が自分たちの気持ちを代弁してくれているようで、痛快だったのではないでしょうか。だからこそ、1万件超もリツイートされたのではないかなと」。

――仰るとおりで、「僕はデザイナーなんで作るのに2週間かけますよ」という言葉には強い意思を感じて、とても痛快でした

「本当にいい仕事をするクリエイターには正当な対価が支払われる世の中であってほしいです。『与えることが大切』と言われますが、それが自己犠牲の上に成り立つものであれば、必ず破綻しますから。

それが実現されるためには、特にフリーランスや小規模事業者などビジネスで弱い立場にいる人は、伝える力と交渉力を磨かなければいけませんよね。こうした技術は、今後もずっと大切になると思います」。

――その一方で、ツイートのクライアントさんのように「背景を理解せずに相手の作業を軽く見積もってしまう」ことのないよう注意していかなければいけませんね

「目に見えるものだけで判断するのではなく、背景、コンテクストを想像できる人が依頼側にも増えてほしいですね。どれだけの人が関わっているのか、裏側にどんな努力や苦労があるのか。そうしたことを調べたり知識をつけたりして教養を身に着け、思いを馳せることでモノ、コト、ヒトに対する感謝が生まれると思います」。

この投稿に、読者からは「時短言うけど時短するために積み上げた技術や経験あってこその時短だって理解してないとそういう発言になりますよね」「その道のプロの方ならではたくさんの配慮と工数のかけ方がありますよね」と共感のコメントが寄せられていました。