埼玉愛犬家連続殺人事件の風間博子死刑囚の息子が、きょう4日に放送されるフジテレビ系特番『実録ドラマ 3つの取調室~埼玉愛犬家連続殺人事件~』(20:00~22:09)に出演する。

  • 関根元死刑囚(左)と風間死刑囚=フジテレビ提供

93年に埼玉県で愛犬家ら4人が相次ぎ殺害された「埼玉愛犬家連続殺人事件」を、関係者への新たな取材や証言をもとに水野美紀主演でドラマ化する同番組。この事件では、ペットショップを経営する関根元(げん)元死刑囚と元妻・風間博子死刑囚が逮捕され、09年に死刑判決が確定している。しかし、証言の食い違いなどいまだ事件の全貌が解明されないままだ。

そしてこのたび、風間博子死刑囚の長男(41)が初めてテレビの取材に応じ、事件について、そして現在も東京拘置所に収監されている母への思いを告白する。

95年1月、長男が留学先のアメリカに向けて日本を離れるまさにその日に、風間死刑囚と関根元死刑囚は逮捕された。長男はまだ15歳だった。何も知らないまま成田空港からアメリカへ飛び立った長男は、母の逮捕を知った経緯についてこう語る。

「アメリカに無事に着いて、ちゃんと着いたよって(母親に)連絡しようとしたら誰も(電話に)出なくて。仲の良かった友達に連絡したら『お前の母親が逮捕されてニュースすごいよ』と教えられました」

友人から知らされた母の逮捕。逮捕された当日の母の様子についても回想する。そして長男は「今だから思うことですが、自分が(関根元死刑囚に)殺されてもおかしくなかった。ずっと母に守られていた」とも語る。さらに、人目を避けてアメリカから帰国し、自分の素性を隠して生きてきた日々、そして結婚などこれまでの半生を明かす。

風間死刑囚は、死刑判決が確定後も殺人への関与を否定し、再審請求を続けている。長男は今も面会や手紙でのやりとりを続けていて、このインタビューが行われた前日にも東京拘置所に面会に訪れたという。その時、風間死刑囚は「うれしそうにしていた」そうだ。

長男は被害者に対しては謝罪の言葉を述べた上で、「100%はっきり自分もわかるわけじゃないので、間違っているとはっきりとは言えないけれど、もし(捜査や裁判で)間違っていることがあるとしたら、ちゃんと調べ直して、ちゃんとした刑を出してほしい」と捜査を尽くしてほしいと訴えつつ、「それでも母がやっているということがはっきりしたら、しょうがないと思う」と複雑な胸中を語っている。

さらに、共犯者として逮捕・実刑判決を受けた男性が番組の取材に応じた。逮捕から25年の時を経て「関根(元死刑囚)は今までに見たことがない人だ。考え方が凶暴だった」と語り、さらに「犯行を手伝わないと、嫌な顔をすると関根に殺されるから、自分もそうなっちゃうから、逃げられないのは見えない鋼鉄の檻(おり)の中に入れられていたから」と当時の状況を告白する。

  • 実録ドラマに主演する水野美紀=同

(C)フジテレビ