ホンダがFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)からの撤退を発表した。同社は2015年からエンジンなどパワーユニットのサプライヤーとしてF1に復帰。2019年には復帰後初の勝利を獲得し、同年は3勝、2020年は2勝を挙げていた。八郷社長によると、F1に今後、再び参入する考えはないという。

  • ホンダがパワーユニットを供給したF1マシン

    ホンダがF1からの撤退を決めた

背景に「100年に1度の大転換期」

ホンダはレッドブル・レーシングおよびスクーデリア・アルファタウリとのパートナーシップのもと、パワーユニットサプライヤーとして2015年からF1に参戦してきた。参戦当初は厳しい戦いが続いたが、航空機エンジン技術を活用するなどして性能向上を図り、昨シーズンからは勝利を積み重ねていた。

F1撤退の理由としてホンダは、自動車業界が「100年に1度の大転換期」に直面していることを挙げる。環境対策として「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指す同社としては、クルマのカーボンフリー技術の中心となる燃料電池車(FCV)やバッテリーEV(電気自動車、BEV)などの領域に経営資源を集中する必要があることから、F1で培った技術や人材も同領域に投入していくことにしたそうだ。