仕事ができない部下に頭を悩ませる管理職の人も多いのではないでしょうか。今回はツイッターで話題になったあるアドバイスをご紹介します。

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兵庫教育大学の准教授で、特別支援教育(発達障害)を専門とする小川修史さん(@ogatti21)の投稿です。

友人から仕事ができない部下をどうすれば良いか聞かれたので、「出来ない仕事を責めるのではなく、出来る仕事を増やしてみたら?」と答えた。
数日後、「部下が出来る仕事を用意すると、予想以上にできる事が分かった。役に立っている想いからか部下が頑張る様になった」とのこと。何より。(@ogatti21より引用)

このツイートに対しては、「お腹に落ちました」「すごく納得」「成功体験というのはモチベーションに対する良い薬なんですね」「こう言う管理職が増えてくれれば、部下もやりがいを持って働けると思います」などの声が寄せられていました。

この投稿をした小川修史さんにお話を聞きました。

――ツイート文にもある、「役に立っている」という感覚が人間にとって大切なのでしょうか?

「役に立っている」という感覚は、「自己有用感」に該当します。自己有用感は相手の存在があって成立する概念で、「役に立った」「貢献できた」という感覚です。自尊感情や自己肯定感を高めることに着目されがちですが、自己有用感に基づく自尊感情こそが、人間に必要なものといえます。

私は特別支援教育(発達障害)を専門にしていますが、障害のある子はできないことが多く、できないことを改善する努力を強いられがちです。しかし、出来ないことは周りの支援を受け、できる部分で周りに貢献することで、障害があっても個を活かすことができ、貢献する事(自己有用感を高める事)が可能になる訳です。

――今回のツイートには大きな反響があったかと思いますが、率直なご感想を教えてください。

今回の反響を受け、障害の有無に関わらず、出来ない部分を改善する努力を強いる世の中から、できる部分を伸ばして個を活かせる社会になれば、多くの人にとって住みやすい社会になるのではないかと思います。