「ママ、ママ」とどこまでも後をついてくる幼い子ども。愛しいと思う反面、ときにはうんざりすることも……。でもそんな時期は、子育てのなかのほんの短い期間でしかないのかもしれない。そんなことに気づかされる、ある投稿がツイッターで話題になっています。

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息子はもう小3で一緒に出掛けることなんてめっきり減ってしまったのに、未だに消防車やパトカーが通ると息子に教えなきゃ!って心が踊ってしまうし、新幹線や電車が通ると「これは息子喜ぶぞ!」って私の方が興奮してしまう。私だけが手を繋いで隣を歩いたあの時間に取り残されている。(@torisan_oishiiより引用)

このツイートに対しては、子どもが大きくなった親、現在小さい子を育てる親、そして子どもの立場からさまざまなコメントがたくさん寄せられています。

先輩パパママ「自分たちだけ卒業して……」

「夢の中の息子、娘は、いつまでも小さいままで。夜泣きで車で出かけた事も、娘が泣き止まなくて抱っこし続けた事も、辛かった事って過ぎたら薄れました。可愛かった記憶が大半です」

「息子たち、『ママはトーマスと列車が好き』だと思っていたようです。自分らだけ卒業していかんでほしい……」

「よくわかります。そのお気持ち。うちはもう二十歳になりますが鶏肉を見れば、唐揚げをミンチを見ればハンバーグを作ってあげたくなりますが、子供の時と好みは変わってきているようです。同じく取り残されていく感じで小三のころの彼に会いたいです」

「うちの息子はもう成人して就職もして家を出ているのですがそれでも恐竜の番組があると録画しなきゃとか思ってしまいます。そんな必要ないのにね」

「『お母さんトイレのドア閉めてよ! 』って子供が言うけど、あんた達が後追いしてきて泣くから、お母さんはトイレのドアを最後まで閉めずに少し開けておく癖が抜けないんだよ」

「私のおなかの上でうつぶせになってしか寝ようとしかかった息子。あの頃重たいし動けないしこの時間に家事やらやりたいことあるしなんて考えてたものの、いまだけだからこの重さ、時間を噛み締めようと毎日思って過ごしてた。ほんとマジあっと言う間だった。あの時を大切に噛み締めれてよかったと思う」

現役パパママ「今を大切にしたいと思った」

「今まさに小さい人が隣にいる生活です。息子がいないときに買い物に出れば、これ好きだから買ってあげよう、これお土産にしたら喜ぶかなと、考えます。幸せをもらっているのは、母です」

「5歳の息子がいます。子どもは偉大ですよね、これまでの人生で移動手段でしかなかった乗り物を素晴らしい時間の象徴にしてくれる。小さなときの息子が教えてくれたいろんなこと、この先もずっと憶えていたいし忘れるわけもないなって思います」

「今5歳の息子に振り回されている日々です。1人の時間がほしいと思いながら奮闘してましたが……。そっかいつかは離れてしまうんだ……想像したら悲しくなりました」

「もうすぐ3歳の息子を育てています。コロナ禍、イヤイヤ期真っ盛り。常にママママでこんな時間にTwitter見ている現状。息子は死ぬほど可愛いですが、しんどいし1人になりたい……でもこの今を大切にしないといけないと気づかされました。ありがとうございます」

「2歳の息子をもつ母です。パトカーが通る度にパトカーパトカーと言い、どんぐりを見つけては何度もどんぐりどんぐりと言い。毎日何度も言うのでしつこい時は私も疲れて適当に相槌を打ってしまうのですが、本当にこんな時期は一瞬ですもんね。もっと大切にしようと思いました。ありがとうございます」

子ども目線で「亡き両親もそうだったのかな」

「自分は高校生です。今でも地面に落ちているどんぐりを見る度に母が喜んでいてなぜそんなものが楽しいのかと不思議に思っていたのですが、このツイートを見て、母は昔に姉と私と母とでどんぐりを沢山集めていたのを思い出しているのかなと思うとなんだかうるっときました……」

「もう今は亡きうちの両親もそうだったのかな……? もっと一緒の時間を作って親孝行すれば良かった」

「運転席の母、助手席の私、ブレーキを強めに踏む時、助手席に手を出してきます(転がらないように)母の背丈を超えても変わらず、癖になっちゃったとの事です」

「社会人になりコンビニで、スーパーで、母が好きなモノや油が苦手な母にもコレは食べれる! と想ってしまい、実家帰った時は出来るだけ一緒に買い物に行ってあげるようになりました。いつの日か想いは伝わりますよ」

「7月に死んだ祖父が昔、突然ジブリのDVD全集を買ってきて『いつでも部屋に観においで』って。私は当時もう23の社会人で冷めていて、いつまで子供扱いするんだろうってなんて答えたかも覚えていなかったんですが、祖父の気持ちがわかったような気がして涙が出ました」

「大人になって互いに口下手だったためあまり話す事もなく、酒も酌み交わす事もなかった亡くなった父が、幼少の頃母に内緒で遊びに連れて行ってくれた事や、運動会で自分が足が早いのを驚きながら喜んでくれた事を、今も鮮明に覚えています」

これらはほんの一部で、リプライ欄にはさらに多くのエピソードや想いがつづられています。気になった方はぜひツイートから読んでみてください。

愛し、愛された記憶を大切に

投稿をしたささみさんにお話を伺いました。

――消防車や新幹線を見て興奮してしまうお母さんを見て、息子さんは今どういった反応をされますか?

まだ反抗期には至りませんので鬱陶しそうにされることはありませんが、私が「見て見て! 新幹線だよ! 」と声を掛けても、「ああ、うん……そうだね……」となかなかにドライな反応をされてしまいます。息子に真意を聞いてみると、「ママは消防車や新幹線が好きなんだなって思ってた」との事でした(笑)

――今、小学3年生の息子さんはどんなことに夢中ですか?

コンテンツとしては、『鬼滅の刃』とポケモンにどハマりしています。我々夫婦はポケモン初代世代で、とくに今の息子と同じ年頃からポケモンの魅力に取り憑かれている夫は喜びもひとしおのようです。毎年必ず息子と2人でポケモン映画を観に行っています。あとはとにかくお友達と遊ぶことが大好きで、放課後はほとんどお友達と過ごしてます。

異性親である母親の私との距離感が、幼少期とは少しずつ変わってきていることは寂しく思いますが、その分父親の背中を追いかけはじめたり、お友達にも恵まれて自分の力で息子の社会を築けたりしていることが何より嬉しいですし、そんな彼を頼もしくも感じています。

――今回のツイートが話題になっていることについて、率直な感想を教えてください。

このツイートは、あるときふと感じた寂しさを何気なく呟いたものでしたが、たくさんの方の目に留めていただけて大変驚きました。同じ心境のパパママや、かつて同じ経験をされた先輩パパママ、さらには子の立場から、みなさんそれぞれの想いや素敵なエピソードを教えていただき、そのひとつひとつを拝読するうちに「この世界はなんてたくさんの愛に満ちているんだろう」と目頭が熱くなりました。

リプライ欄でみなさんが語ってくださったたくさんの愛が、そう遠くない未来に訪れる子離れに物悲しさを感じる親御さんや、普段なかなか親の愛情を素直に受け止められなかった方々の気持ちをあたたかなものにしてくれるのではないかと。そして、それぞれが愛した記憶・愛された記憶を再認識できたら、こんなに素晴らしいことはないのではないかと思っております。