俳優の水谷豊が主演するテレビ朝日系ドラマ『相棒season19』(毎週水曜 21:00~)が、10月から2クール放送でスタートすることが26日、明らかになった。引き続き、反町隆史とタッグを組む。

  • 左から水谷豊、反町隆史 -テレビ朝日提供

2000年に土曜ワイド劇場の作品として放送を開始して以来、20周年を迎える同シリーズ。水谷と反町演じる杉下右京と冠城亘のコンビは健在で、さらに前シーズンの最終話に登場した、森口瑤子演じる小出茉梨が新レギュラーとして登場する。

茉梨は 赤坂の芸者・小手鞠として、内閣官房長官や各界著名人からひいきにされてきたが、家庭料理店“こてまり”の女将として右京たちの前に登場。芸者時代から“華麗な人脈”を持つ茉梨が、今後どのように右京たちと関わり、どんな影響を及ぼしていくのか。

ほかにも、警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)、右京の頭脳を認めながらも2人を疎む警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)、亘の元上司で“鉄の女”の異名を持つ警視庁広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)など上層部の面々が暗躍。さらに、捜査一課の“両エース”こと、伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)、組織犯罪対策5課・角田六郎課長(山西惇)、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)らレギュラーメンバーも、引き続き登場する。

初回スペシャル「プレゼンス」では、事件の真相に迫る特命係の2人が、現実の世界から、VR(=仮想現実)の世界へ足を踏み入れることに。

ある事情から、警視庁交通機動隊員・出雲麗音(篠原ゆき子)が銃撃された事件を捜査し始めた特命係の右京と亘。その矢先、万津幸矢(櫻井圭佑)という男性が、ビルから転落して死亡する。角田課長の調べで、幸矢が暴力団組員相手に白バイ警官銃撃をほのめかしていたことが判明し、麗音の事件との関連性を調べる中、幸矢が「ネオ・ジパング」と呼ばれる謎の“仮想国家”と関わりを持っていたことが明らかに。『相棒』史上、初めて“VRの世界”を題材にしたストーリーが展開される。

水谷と反町のコメントは以下の通り。

■水谷豊

――『相棒』は今年20周年イヤー、“19シーズン目”を迎えますが、撮影が始まってみていかがですか?

シーズン19ということは、『相棒』シリーズが始まったときに生まれた子どもが、もう19歳になっている。そればかりか「(親・子・孫の)3代で一緒に『相棒』を見ています」と、声をかけていただくこともあり、「こんなことが起きるなんて、不思議なドラマだな」とあらためて実感しながら、新しいシーズンの撮影に入っているところです。
『相棒』は1年のうちで約7カ月間撮影をしておりまして、5カ月は(スタッフ・キャストに)会わない期間があるはずなのですが、なぜか1年中ずっと一緒にいるような感覚で、なんのブランクも感じずに撮影を開始できるんです。そういう気持ちになれるのも20年やってきたからこそなのでしょうね。

――6年目となる右京と亘の関係性についてはいかがですか?

意識して変えようとしたことは、お互いにないと思いますが、やはり6年経って自然に変わっている部分はありますね。これだけ長く特命係として一緒にいると信頼関係もできてきますし、右京としても冠城くんに任せられる仕事も増えてきています。そうなっていけばいくほど、今度は2人がぶつかったときに、またそこにドラマが生まれると思っています。2人の関係が近くなっているからこそ描かれるストーリーも、今後どこかで起きるのではないでしょうか。

――水谷さんご自身として、反町さんとの関係は変わってきていますか?

思えば彼(反町)は最初から面倒見がいいですから(笑)。いろんなことを教えてくれるし、ちょっとしたことでも連絡を取り合って、何気ない話をしたり。そういうことができるようになったのも、よかったことなのではないかと思います。セリフ以外の“空気”って大事なのですが、最近ではその“空気”だけで笑ってしまうこともあるくらい、いい雰囲気になってきているんです。もちろん右京は笑ってはいけませんから、必死に我慢していますけども(笑)。そういう意味でも、やっていてさらに楽しくなってきていますね。

――20年間“杉下右京”というキャラクターを演じてきて、変わったところ、あるいは変わらないところなどはありますか?

右京のキャラクターに関しても特に変えようと思ったことはなく、常に「今を過ごしている」という感覚です。これは『相棒』という作品を作っている制作陣が素晴らしいと思うのですが、脚本を読んでも常に右京と亘、そして他の登場人物たちも“今”を生きているんですよね。今回のシーズン19の第1話もそうなのですが、まさに今の時代だからこそ、という内容になっています。ですから杉下右京という人物も、その時代その時代を生きてきていると思います。

――第1話は“VR=仮想現実の世界”が題材となっていますが、撮影を進められていかがですか?

本当に考えられないようなことが起きるんですよね、今回の第1話は! 台本を読んだときにも、これは芝居をしたらどうなるんだろうと思ったのですが、今はもう楽しくてしょうがないところに入っています(笑)。まさに“今の時代”に起こりうる出来事、という感じです。

――いよいよ始まる『相棒19』を楽しみにしている視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

今シーズンもまた「何が起こるかわからない『相棒』」でありたいと思っています。そしてきっとそうなると思います。まずは第1話から楽しんでご覧ください。

■反町隆史

――『相棒』は今年20周年イヤー、 “19シーズン目”を迎えますが、撮影が始まってみていかがですか?

僕はシーズン14から出演させていただいて、今回で6年目になります。水谷(豊)さんの“19”という数字には遠く及びませんが、6年間でもけっこうすごいんですよ(笑)。6年同じ役をやるというのでもなかなかないことですから、水谷さんは、ここまでいろいろなことを乗り越えながら19年やってきたということがすごいな、と思います。

――6年目となる右京と亘の関係性についてはいかがですか?

6年という長い年月を一緒に過ごして、少しずつ近づきながら1歩1歩階段を登り、山を越えてきたのが今の右京と亘だと思います。今日が今シーズン初めての特命係のセットだったのですが、自然と雰囲気もでき上がっていますし、演じている僕自身も妙に落ち着く気分にもなったりして…。そういうのがドラマを見てくださる方々にも伝わるといいなと思いますし、右京と亘がそういう関係性だからこそ、水谷さんがおっしゃったように、2人の間に何か問題が起きたときも、より魅力的に映るのではないかと思います。

――反町さんご自身として、水谷さんとの関係は変わってきていますか?

撮影以外でもメールなどでやりとりをさせていただいて、たとえば子どもの相談をしたりするのですが、いつも素敵なお返事をくださって、とても助かっているんですよ。水谷さんは本当にセリフが完璧なんです。ですから僕がつっかえたり間違えたりするわけにはいかないので、そこはきっちりやりたいな、と常に思っています。そしてスタッフ・キャストひとりひとりに声をかけてくださって、現場を明るく導いてくださるので、自分も身が引き締まる思いがしています。それは僕がシーズン14で入ったときから変わらないことですので、きっとその前からずっとやってこられていたのだと思うんです。並大抵のことではないですし、そこについていこうという思いでいます。

――第1話は“VR=仮想現実の世界”が題材となっていますが、撮影を進められていかがですか?

現実とバーチャルの世界を行き来するのですが、他の作品ではなかなか見たことがないようなことばかりです。もちろん脚本も面白いのですが、これが映像になったら、もっと面白いんだろうな、ということをすでに確信しながら撮影しています。

――いよいよ始まる『相棒19』を楽しみにしている視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

『相棒』の第1話というのは毎シーズン何かが起きて、それはいつも期待以上の内容になっていると思いますので、今回もぜひ楽しみにしていてください!