新型コロナウイルスによるソーシャルディスタンスの考えは、接客サービスでも求められつつあるようだ。そんな中、これまで店舗でしか受けられないとされてきた「視力検査」が、オンラインによるサポートのもと、自宅にいながらにしてできるようにーーー。
メガネスーパーは先ごろ、眼鏡チェーン店としては初となる、専用ポータブル検査キットによる「リモート視力検査システム」のサービスを開始した。最終的には度付きメガネを作ることもできるという。対面での検査とどう違うのか。さっそく、体験してみた。
Zoomを使ってコンシェルジュが対応
まずは、メガネスーパーのホームページの「お家でコンシェルジュ」画面に記載された電話番号に連絡すると、このリモート視力検査を申し込める。
数日すると、「専用ポータブル検査キット」の黒いケースが自宅や指定の場所に届くのだという。キットを開けてみると、ほとんどが見たこともない専用の機器ばかり。
事前に検査時間を予約。視力検査が始まると、「コンシェルジュ」といわれるベテランの検査スタッフがイチから機器の操作方法などを説明してくれる。
最初に、「コンシェルジュ」とやりとりするために、Zoom※を立ち上げる必要があるのだが、インターネットの接続に戸惑っていると、電話で設定方法を丁寧に教えてくれた。※Zoon以外のLINEなど別ツールも相談可能
今掛けているメガネの度数も測れるのだろうか
個人的に気になるのは、今掛けているメガネの度数が本当に測れるのかということだ。それは、ポーダブル検査キットに入っている「スマートフォン」と「ネトロメーター(メガネレンズ測定機器)」を使って行われた。基本的にセルフでやるのだが、この計測方法がとても面白い。
メガネを専用機器に挟み込み、スマホでアプリを立ち上げて、度数を計測するレンズにポイントを合わせていく。そして、青い点をサークルの中に入れるようにして調整して、入ったらレバーをクリック。
私のメガネは遠近両用レンズなので、この作業を全部で4回行った(通常のレンズの場合は2回で済むようだ)。
最初は苦戦するが、慣れてくると、スムーズにできるようになってくる。ちょっとしたゲーム感覚で検査が行え、途中コンシェルジュの方に、「お上手ですね」と褒められて、まんざらでもない気分になってきた。
終了すると、計測したメガネの度数が、スマホに表示される。なるほど、セルフでも簡単に度数が計測できることを実感した。
検査結果とアドバイスがもらえる
次に、乱視の状況を測るために、眼の屈折状態を検査したりしたが、それも、先ほどのレンズの度数検査と同様に、ゲームのように取り組めるので、時間はかかるが、楽しんでできた。これが終われば、これまでの検査結果をもとに、今の眼の状態に合ったレンズを調整し、終了となる。
「レンズを合わせる際には、最終的に窓の外の風景を見たり、そのレンズを着けて歩いたりして、快適な度数をご本人と一緒に決めていきます。西谷さんの場合は、乱視が少しありますね。今のメガネは乱視が入っていないため、そろそろ買い替えられるのをオススメします」と、最後にコンシェルジュからアドバイスももらえる。
どうりで、夜になってくると眼がしょぼしょぼしてくるわけだ。10年くらい、同じメガネを愛用しているので、換え時かもしれないと指摘された。
インターネットに不慣れでも問題なし
店舗と比べて、セルフで行う検査に時間はかかるものの、ゲーム感覚で行える工程などもあり、あっという間に終わってしまった印象だ。もちろん不安だという人もいるだろう。そこで、メガネスーパーでは半年間は何度でもレンズが交換できる保証サービスが付いている。それこそ店舗で行うことも可能だという。
このオンライン接客では、メガネフレームも案内してもらえる。コンシェルジュが売り場の様子を見せながら、顔に合うサイズや色味、素材などを細かく調整し、提案してくれるのだ。もちろんメガネスーパーのECサイトから選ぶことも可能なようだ。検査後、約1週間で納品される。
やってみると、それほど難しさを感じない。やはり、技術力やコミュニケーション力が高い熟練のスタッフがいればこそ、できるサービスなのだろう。実際対応するスタッフは、知識やスキル面はもちろん、社内での権限も与えられているので、イレギュラーの事態にも判断、対応を迅速にできるのだそうだ。
また、オンラインのやりとりに慣れていない人には、すぐにWi-Fiなどの通信ネットワークがつなげられるように、検査キットに加えてiPadと通信機器のルーターをが一緒に届き、ネットワークの設定から教えてもらえるという。