社会人となり働き始めれば、誰だって大なり小なりミスをするはずです。その過程で上司や社外の方に迷惑をかけてしまったら、謝罪をする必要があります。問題が発覚したら電話や直接訪問で謝罪するのが基本ですが、相手との都合が合わずにメールで謝罪しなければならない場合も出てきます。

その際は言葉遣いや言葉選びに十分に注意しないと、相手に正しく謝意が伝わりません。本稿では、謝罪メールの書き方や送る際の注意点などを紹介します。

  • 有事の際に必要となる謝罪メールの知識を身につけましょう

ビジネスにおける謝罪メールの書き方6つ

謝罪メールは書き方にもポイントがあります。ミスを起こしたお詫びを伝えるメールなので、失礼がないように細心の注意を払って文章を書く必要があります。

件名や挨拶、結びの書き方だったり、メールでのマナーを知っていたりすれば相手を不快な気持ちにさせずに読んでもらえる確率が高まります。謝罪メールを構成する6つの要素に分けて、その書き方を紹介します。

  • 「件名」や「挨拶」など、謝罪メールの構成要素をきちんと理解しておきましょう

書き方1: 件名

謝罪メールを書く際の件名は、具体的でわかりやすく目に留まるように書くのがポイントです。 どの件についてかの記載は必須ですが、頭に深謝の言葉をつけるとよいでしょう。「○○の件で、ご迷惑をおかけしております」など、どの件についてのような件名だと普段のメールとは違うと判断できます。

書き方2: 挨拶

謝罪メールの本文の書き出しをどのように書けばいいのか迷う方も多いでしょう。書き出しは宛名を書き、挨拶のあとに名乗りを書きましょう。宛名に相手先の会社名、部署名を略さずに書き、「平素よりお世話になっております」などの後に、自分の会社名、名前を名乗ります。 ビジネスメールの基本として長々と挨拶を書く必要はありませんが、いつも同じ挨拶文ではなく言い回しを工夫することが重要でしょう。

書き方3: 謝罪

謝罪メール文で最も重要な謝罪部分の書き方にも工夫が必要です。文頭で、何についての謝罪なのかを簡単かつ具体的に説明する必要があります。日常的に謝る際は「ごめんなさい」「すみません」などを使用しますが、ビジネスでの使用は不適切になります。「お詫び申し上げます」「申し訳ございません」の言葉を使ってメールの作成をしましょう。

お詫び申し上げます

謝罪メールの文章で多く使われる言葉が「お詫び申し上げます」になります。 「こちらのこのような原因で問題が起きたことを深くお詫び申し上げます」というような文章を作ります。頭を深く下げて謝罪をするので、「深くお詫び申し上げます」の表現が適切です。 深くとは違う言い回しを使うならば、「心より」が適切です。謝罪とお礼、両方のケースに使用できます。

申し訳ございません

「申し訳ございません」という表現は弁解のしようがないという意味のため、謝罪する際に用いられる言葉です。「この度は、このような原因で相手先様にご迷惑おかけして申し訳ございません」というように謝罪メールの主となる部分に使われることがあります。「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の意味は変わりませんが、申し訳ございませんの方が丁寧な表現なので謝罪メールには適切でしょう。

書き方4: 問題発生の経緯

謝罪メールは、問題がなぜ起こってしまったのかをしっかり伝える必要もあります。「このような原因でミスが起きました」と、どのような経緯でミスが起きたのかがわかるような文章作成をして謝罪をし、なぜ問題が起こってしまったのか、そして現状どうなっているのかを伝えましょう。

書き方5: 対策法

謝罪メールを書く際、現状起こっている問題への対応と今後の対策をしっかり伝えることで今後の信頼にも繋がるでしょう。「体制を強化してまいります」「再発防止に取り組んでまいります」などを使い、現状このような原因で問題が起き、それに対してどのような対応をして、その結果どうなるのかを説明します。その後、今後も関係を続けてもらえるよう、再発防止のためにどのような対策を考えているのかを伝えましょう。

体制を強化してまいります

今後同じミスが起こらないような対策を考えて、その対策法を相手先に伝えます。「今後、同じことを繰り返さないように対策をして体制を強化してまいります」というように、どのような対策で何の体制を強化できるのかを伝えることで誠意が伝わるでしょう。

再発防止に取り組んでまいります

トラブルが起きたときに「再発防止に取り組んでまいります」という文を使う場合も多くあります。先ほどと同じように、どのような対策をして再発防止ができるのかを伝えると会社の見直しを相手先も理解でき、時には手を貸してくれるなど、深い関係性を築けるきっかけになるでしょう。

書き方6: 結び

謝罪メールでの結びの書き方は長い文章ではなく、簡潔に書くのが適切です。対策法を説明した後に、「何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」と一文ほどの結びの言葉を加えましょう。ビックリマークなどの記号などは使わず、平身低頭な気持ちを表現するように心がけましょう。

謝罪メールの例文9選

一口に謝罪メールと言っても、「クレーム対応」「メールの誤送信」など、謝罪が必要なシーンは多岐にわたります。そして、そのシーンに見合った適切な謝罪メールを送る必要があります。ここでは、9つの謝罪シーン別に例文を紹介します。

  • シーン別の謝罪メールの例文を紹介します

シーン1: ミーティングに遅刻し、上司に謝罪

前もっての連絡をして出社したら直接会って謝罪した後、メールで謝罪をするのが適切です。 件名は本日のミーティングに遅刻した件を強調し、「申し訳ございませんでした」と記載します。本文には「相手の名前」「時間を使ってもらっていることに対するお礼」を書き、その後にミーティングに遅刻した謝罪をして、理由を伝えます。今後の対策は社内で相談し、いい方向に進めるように話してみましょう。

シーン2: 不良品クレームがあったときの謝罪

クレームの場合は原因を早急に明確にし、スピーディーに対応することが大切です。件名は「商品名のお詫び」。本文に「宛名」「挨拶」「名乗り」を書き、「ご連絡いただいた品物ですが、検品作業での見落としが原因でした。大変申し訳ございません。二重に検品した品物を明日お届けできるよう発送いたしますので、お受け取りいただけますでしょうか」と依頼形の文章にしましょう。最後に今後の対策と結びを書きます。

シーン3: 期日の確認漏れによる謝罪

確認不足の場合、気づいたときに速やかに報告するようにしましょう。件名は「期日遅延のお詫び」。本文に「宛名」「挨拶」「名乗り」を書き、「先日到着予定だった書類が私の確認不足により、お約束の期日に間に合わなくなってしまいました。深くお詫び申し上げます。本日中に提出可能ですので、私が直接書類をお届けしてもよろしいでしょうか。お手数おかけして申し訳ございません」と対応までしっかり伝えましょう。最後に今後の対策と結びを書きます。

シーン4: 納品遅延による謝罪

納品遅延の場合、間に合わない時点で説明し了承をいただいたとしても、後に謝罪メールを送りましょう。 件名は「納期遅延のお詫び」。本文は「宛名」「挨拶」「名乗り」を書き、「この度は、商品の納期が遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。こちらのコミュニケーション不足でご迷惑をおかけいたしました。よろしければお詫びを兼ねて直接お届けしたいと考えておりますがご都合いかがでしょうか」と早急に対応できる方法を提案しましょう。最後に今後の対策と結びを書きます。

シーン5: メールの返信遅延による謝罪

メールのチェックが遅れたことにより、返信が遅れてしまう場合もあるでしょう。数日後の返信になった場合は謝罪のメールを送ります。 件名は「遅れてしまったメールの内容についてのお詫び」。本文は「宛名」「挨拶」「名乗り」を書き、「昨日いただいたメールのお返事が遅れてしまい申し訳ございません。メールチェックのミスにより確認できておりませんでした。お詫び申し上げます」と返信が遅れた理由も素直に謝りましょう。そして今後の対策、結びを書きます。

シーン6: メールの誤送信による謝罪

メールの誤送信をしてしまった場合、受け取った側への謝罪もしましょう。 件名は「いつのメール誤送信の件についてのお詫び」とし、本文は「宛名」「挨拶」「名乗り」を書きましょう。「いつ発生したメール誤送信でご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。何重にもチェックをするべき作業が不十分でした。お詫び申し上げます。お手数おかけいたしますが、誤送信メールは削除してくださいますようお願いいたします」とし、場合によってはメールの削除をお願いしましょう。最後に今後の対策、結びを書きます。

シーン7: 製品破損による謝罪

製品破損のお問い合わせがあれば、謝罪と速やかな対応が必要になります。件名は「商品に関するお問い合わせについて」と書き、本文に宛名書きをします。そのうえで「この度は製品をご購入いただきありがとうございます。お問い合わせいただきました製品破損についてご迷惑をおけてして申し訳ございません。検品作業での見逃しが原因で破損商品が混入しました。深くお詫び申し上げます。至急、検品済み商品をお送りさせていただきたいのですが、ご到着まで2、3日お待ちいただくことは可能でしょうか」などと記します。

さらに、不良品を返送いただくかの対応を聞いたうえで、今後の対策と結び、再度のお詫びを記載します。また、会社名、電話番号、メールアドレスなども書いておきましょう。

シーン8: 面接の日程調整に伴う謝罪

面接の日程調整をしてもらう場合、確保してもらっていたの時間を変更してもらう必要があるため、謝罪メールを送りましょう。件名は「日程につきまして」と自分の名前を記入し、本文は「宛名」「挨拶」「名乗り」を書きます。

「面接日程のご連絡ありがとうございます。お時間確保していただいて大変申し訳ないのですが、直前まで予定があるため間に合いそうにありません。恐れ入りますが、お日にち調整していただくことは可能でしょうか」と日程調整可能かを聞きましょう。結びの後に名前、アドレス、電話番号を記載します。

シーン9: 複数のユーザー宛の謝罪

複数の人が使用している製品などのシステムトラブルが起こった場合も謝罪のメールは必要です。 件名は「システムトラブルに関するお詫び」。本文は「宛名」「挨拶」を書き、「何日から何日まで弊社のシステムトラブルでサイトのご利用にご不便おかけいたしまして深くお詫び申し上げます。現在、不具合は改善され、問題なくサイトのご利用が可能ですのでご安心ください」といった具合に謝罪します。

原因と現状の報告をした後、今後の対策および結びを記載し、自分の会社名と部署名、電話番号、アドレスを書きます。

謝罪メールの注意点5つ

ミスが起きたら原因と現状、対策を把握したうえで、スムーズな対応をした後に素直な謝罪をしっかり伝えることが大切です。メールでの謝罪になる場合、言葉遣いは柔らかく丁寧で、言葉選びも慎重になる必要があります。事が大きくならないようにと、保守的な感情が文章に表れてしまう場合があるので、ポイントや注意点を知って素直に謝罪できるようにしましょう。

注意点1: 対応のスピードを速くする

メールで謝罪をする場合、スムーズな対応を心がけましょう。ミスが発覚した時点で速やかに上司へ報告と相談をし、次の行動の指示を仰ぎます。謝罪をする場合、電話や直接会ってのお詫びの後、謝罪のメール送信が基本です。謝罪メールを送る際は、迅速なレスポンスを優先的に行うように心がけましょう。

注意点2: 問題が発生した経緯を伝える

謝罪のメールを送る際、何が原因で問題が起きたのかを的確で簡潔に伝える必要があります。問題が発生した事実だけを伝えるのではなく、どのようなことが問題につながったのかなどの原因と現状の説明をすると相手にも理解してもらいやすくなるでしょう。シーンによってお詫びする内容は異なるので、原因と現状を自分で理解したうえで相手に伝える方法を選びましょう。

注意点3: 非を認めて謝罪する

ミスを起こしてしまった際、「怒られたくない」という考えを持っているようだと、その気持ちが文章に表れて謝罪の気持ちが相手に伝わりません。ミスが起きた時点で相手に迷惑をかけているため、素直に謝罪をしましょう。また、メールでの謝罪は、文章として記録に残るので自己判断で送信してはいけません。上司にミスを報告して指示をもらった後に、謝罪メールの作成をしてチェックしてもらいましょう。

注意点4: 対策法を告げる

謝罪メールを送るとき、原因と謝罪の他に今後の対応を伝えるのも大切です。「謝罪メールだから」とただ謝罪の文章を送るのではなく、再発防止のための対策を講じて相手に伝える必要があります。こちらの対策法を伝えることによって、相手側の対処が変わる可能性もあるので、事態が大きくなるのを防げます。

注意点5: メールでは失礼なケースも

ミスが起こったとき、謝罪をメールですませるのは失礼に当たるケースがあります。基本的には、社内外を問わず迷惑をかけた相手に直接謝罪するのがマナーです。取引先とのトラブルの場合、個人や部署ではなく会社としての信頼関係にも響いてきます。直接の謝罪は相手先の都合もあるので、まずは電話でお詫びをした後、原因や状況説明を簡潔にまとめてメールで謝罪するのが最適でしょう。

上司や取引先との関係を悪くしないように誠意ある謝罪メールを送ろう

謝罪メールは顔が見えないから誠意を伝えるのに気をつけるべきことが多くあります。基本は、電話やお会いしたときに謝罪をするようにしましょう。

誰にでもミスはあります。ミスが起こってからのあなたの対応で、取引先との今後の関係性が大きく変わります。問題が発覚したときにスムーズに対応ができるよう、謝罪メールの基本を身につけておきましょう。