昨年は、ほぼ新型コロナウイルスに明け暮れた1年となり、収入に影響が出た人も多かったのではないだろうか。新年が明けたとは言え、この騒動がすぐに収束する気配が見えるわけでもなく、併せて収入が回復するにも時間がかかりそうである。

そんな中、やはり注目を浴びているのが「副業」だ。今回は2021年、副業がどのような傾向にあるのか触れてみたい。

  • 2021年の副業トレンドをチェック!

リモートワーク化で副業しやすい時代に

さて、コロナ禍にあって、多くの会社がリモートワークを導入し始めた。私の旧友も「今後一切出社は不要です」と言われ、完全なリモートワークになったと言っていた。あ、決してリストラを言い渡されたわけではない(笑)。全社員が出社不要になったのだそうだ。そしてこうした流れはコロナ後も続くだろう。

そんな中、実際にリモートワークをしている人たちは、「通勤時間がない」「好きなタイミングで仕事ができる」「上司の監視が無い」など、「副業しやすい環境」が手に入ったことに気づき、既に副業をスタートしている人も増えてきた。

ということで、まずは会社勤めをしながら副業を始める場合の注意点に触れておきたい。

会社員の副業はここに注意

やはり一番注意したいのは「会社が副業を認めているかどうか」だ。いくらリモートで監視の目がゆるいからと言ってやりたい放題やっていいわけではない。もし会社が認めていない場合、筆者の立場上「隠れてこっそりどうぞ」とお勧めはできないのだが、それでもあえて注意点をいくつか挙げるとすれば、

(1)上司に見つかった場合の言い訳を考えておく。「知人に頼まれた」「親の依頼で」など。
(2)リモートでない場合は、職場の雰囲気に要注意。万一副業バレしても流すように許される空気なのか、厳罰が待っているような職場なのか。
(3)副収入によって住民税額がアップしたことを会社に見つからないようにする(住民税を自分で納める「普通徴収」を確定申告時に選択するなど)

特に(2)に関しては、会社が副業を認めている場合でも要注意。上司や同僚のやっかみなどが発生する可能性もあるからだ。

さて、ではいよいよ副業をやる! となった場合、どのような仕事を選ぶべきか。今年のトレンドとなりうる副業を見ていこう。

流行りの仕事の上を行く

良い副業を見つけるにはまず世の中の流れを注視することだ。例えば、月並みだが「ウーバーイーツ」を代表とするデリバリーサービスなどは外出自粛が続く今の時代、ニーズの多い仕事と言える。逆に飲食店でのアルバイトやリラクゼーションスタッフなど、濃厚接触する機会の多い仕事はニーズが減る傾向にある。

こうした環境の中、着実に伸びているのがやはりオンラインでの仕事だ。どんな副業でも「簡単」に「稼げる」なんていうことは無いのでそういう謳い文句には充分に注意してほしいのだが、それでも比較的稼ぎやすいのは「フリマアプリ」だろう。

外出自粛でオンラインショッピングをする人が増えているうえ、収入が減って「安く買いたい」人も増えているのがその理由だ。現金収入のサイクルが早いのも魅力だろう。「今更フリマ?」という人もいるかもしれないが、月々お小遣い程度稼げればいいという人にはピッタリの副業だ。

もう少し本格的に稼ぎたい人は、自分が提供できる「スキル」を売ることをお勧めしたい。例えば、「動画編集」ができる人は、ユーチューバー向けに「動画編集代行します」というサービスを提供することもできるし、ユーチューバーになりたい人に「動画編集の仕方教えます」というサービス展開も可能だ。

今どきは自分がユーチューバーになるより、こっちのほうが稼げるだろう。また、作曲ができる人は「専用サウンドロゴをお作りします」ということもできる。

他にも「家計簿をつけるのがうまい」「文章が得意」「英会話ができる」「絵がうまい」「聞き上手」「イラストレータなど難しいパソコンソフトを使える」「インスタグラムに詳しい」など、人の役に立てるものならなんでも仕事になり得る。

こうしたスキル販売の仕事はここ数年盛り上がり傾向にあり、専用ポータルサイトも数々立ち上がっているので、そういったサイトを使って顧客を見つけることができる。

在庫を持たなくていいし、何より自分のスケジュールで動けるのも魅力だ。コロナ禍のステイホームで空き時間が増えた今、教える側も学ぶ側もニーズは増え続けるだろう。

自分に向いている副業の見つけ方

最後に、自分に向いている副業をどう選べばよいのかをお伝えしておきたい。多くの人が「より稼ぎのいい仕事」を選びがちなのだが、それは絶対にNGである。

「え? 儲からないと副業の意味がないのでは?」と思う人もいるだろうが、「儲け」を基準に選んだ仕事は十中八九、続かない。なのでまず、副業を選ぶには「月々いくらくらい欲しいのか」「その副収入を何に使うのか」をはっきりさせたほうがいい。それによって選ぶ仕事も変わるからだ。

前述したように、お小遣い程度収入があればいいのなら「フリマアプリ」をつかって隙間時間で小さく稼ぐ方が楽だし、長く続けられる。

また、ガッツリと稼ぎたい場合は、そのお金を「子どもの学費」「家族で旅行」など、使途目的をはっきりさせた方が、仕事は長続きする。

こうしたことを踏まえたうえで、副業選びの最終決定判断材料となるのが「好きなこと」「楽しいこと」であるかどうかだ。少々稼ぎが良くても好きじゃない仕事は続かないし、少々稼ぎが少なくても好きな仕事は続くのである。本業を頑張っている分、せめて副業くらいは好きなことをして楽しく稼ぎたいものだ。

筆者プロフィール: 戸田充広

趣味起業コンサルタント。全日本趣味起業協会代表理事。
趣味起業のパイオニアとしてこれまで300名以上の趣味起業家を育て、現在は全国でのセミナー、講演活動のほか、数々の講座でさらに趣味起業家を育て続けている。著書に『稼げる! 自分に合った副業が必ず見つかる! 副業図鑑』(総合法令出版)、『決定版! 趣味起業の教科書』(マガジンランド)、『消費税率アップから家計を守る! サラリーマンのための安全「副業」のススメ』(すばる舎)などがある。「全日本趣味起業協会