積水ハウスは8月4日、同社が提供する戸建住宅の新たなモデル「ファミリー スイート おうちプレミアム」を発表した。
仕切りのない大空間によって、在宅ワークや自宅でのフィットネス、自宅バルなど、アフターコロナに対応する自宅時間の充実を実現するモデル。家具のレイアウト変更により、間取りをフレキシブルに変化できる。併せて新サービスのWEBツール「幸せプランニング」を発表。オンライン上で、簡単に間取り図やVRを作成できる。
仕切りのない大空間で新ライフスタイル提案
このほど発表された「ファミリー スイート おうちプレミアム」は、積水ハウスの既存コンセプト「ファミリー スイート」の進化版。従来の「LDKの発想から脱却した仕切りのない大空間」から発展して、家じゅうを大空間とし、より豊かで自由な暮らしを提唱する。
同社では、人生100年時代を見据え、時間軸を意識した家づくりに注目。2018年に住生活研究所を発足し、住まいのノウハウを科学的・理論的に研究している。「ファミリースイート」はこの研究成果に基づいた開発商品のひとつ。調査によって「家族団欒」が暮らしの中で重視されていることが分かり、家族が思い思いに過ごしながらも、心地よい距離感でつながる大空間リビングを掲げていた。
同研究所は、2020年5月、コロナ禍における生活実態について緊急調査を実施。その結果、「今後も在宅勤務を希望する」(86.4%)、「家族とのコミュニケーションが増えた」(39.8%)、「運動不足になった」(37.5%)などの声が目立ち、新提案として「在宅ワーク」「おうちでフィットネス」「うちdeバル」「おいしい365日」「かぞくの眠り」の5点にまとめた。「ファミリー スイート おうちプレミアム」では、これまで家の外がスタンダードであったことも、家の中でもし易く、楽しめるライフスタイルを提案する。
特徴は、同社の先進技術により強化された大空間・大開口。1階天井に、梁型の出ない処理「新ダイナミックビーム」(特許出願中)を採用し、従来は3.6mから4.5mほどのスパンで柱や壁が必要だったところ、最大7mまで仕切りのない空間を可能に。2階部分においても、最大10mの大空間ができる。
また、窓には「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」を採用。これにより2階建住宅において、最大で天井高2.7m、幅5mまで達する大開口ができ、庭やテラスとより一体感のある住環境ができる。住宅の中では熱の逃げやすい窓だが、断熱性を強化し、大きくても防露性・気密性の高い機能をもつ。
同研究所 所長の河崎由美子氏は「住生活の時間をもっと幸せにする研究から生まれた、新しいプラン。これまで取り組んできた『おうち時間の充実』が、アフターコロナに対応した社会的ニーズに合致した」と話している。
省エネルギーと再生可能エネルギー、創エネルギー機能を併せもつZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準にも対応。また、アフターコロナ対応として、玄関近くに着替えや手洗いのできるチェンジングルームや、窓を開けなくても換気のできるシステムを推奨している。
WEBツールで間取り変更プランやVR作成も
大空間を自由にカスタマイズできる「ファミリー スイート おうちプレミアム」は、「自分たちらしい暮らし」を望むミレニアル世代をターゲットにしている。プランに合わせて、WEBツール「おうちで幸せプランニング」も発表。オンライン上で、簡単に間取りづくりをシミュレーションできるサービスも企画した。
専用のWEBサイトをダウンロードすることで、無償でサービスを利用可能。ヌードプランに空間パーツや家具類をパズル感覚で配置し、専用のURLで家族や友人と共有もできる。さらに、出来上がった間取りプランから、別途申し込みでVRの作成も可能。10~15日程度で、360度のリアルな間取りを体験できる。
同社商品開発部デザインディレクターの中原潤平氏は、「LDKの家とは異なり、間仕切りのないファミリースイートは大きな家具などで自由にレイアウトを組んだり、家族の成長などライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更したりすることができる。アフターコロナで家にいる時間の多い方に、ぜひ自分たちらしい暮らし方を描いていただきたい」と語る。
間取りづくりに有効な大型家具について、同社では現在、間仕切りやマルチボックスなど、専用の移動式家具の開発も進めているという。