東武鉄道は20日、栃木県真岡市の芳賀地区広域行政事務組合が所有し、真岡鐵道で運行された蒸気機関車C11形325号機の入札に応札して譲渡契約に関する手続きがまとまり、7月30日に譲受することが決定したと発表した。
東武鉄道は鬼怒川線で2017年8月から蒸気機関車の復活運転を実施している。真岡鐵道が動態保存していたC11形325号機を譲受することにより、蒸気機関車の複数機体制による安定した通年運行を図り、より多くの乗車機会を提供する。
C11形325号機は2020年12月に営業運転を開始する予定。鬼怒川線で現在運行しているC11形207号機が検査などで長期間運行できない場合でも、複数機体制により年間を通してSL列車の運行が可能に。他線区でのイベント運転等の検討も可能になる。
蒸気機関車C11形325号機の導入に合わせ、JR東日本から譲受したディーゼル機関車DE10形1109号機、JR北海道から譲受した14系客車1両(スハフ14-501)を運用開始することで、2編成での運転が可能となり、土休日を中心に最大4往復8本(現在は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から2往復4本のみ運転)すべて蒸気機関車での運転も可能となる。今後の運転計画は決まり次第、別途発表される。
なお、日本鉄道保存協会から譲受し、2020年冬の復元をめざしていた蒸気機関車については、修繕や新規に部品を作製する箇所が想定よりも多いことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で復元工程が遅れているため、完成目途を2021年冬に延期する。