回転寿司チェーン「無添くら寿司」は、最先端のAI・人工知能が目利きした新商品「極み熟成AIまぐろ」を7月10日から発売する。
7日に開催されたオンライン記者発表会には、M1覇者のお笑いコンビ・ミルクボーイが登場。ディープラーニング技術によって開発されたAIアプリ「TUNA SCOPE」による "新しい仕入れ様式"が紹介された。
くら寿司のAIを活用した"新しい仕入れ様式"
今回発表されたくら寿司の新商品「極み熟成AIまぐろ」は、マグロの品質を見極める熟練の匠の技とノウハウを受け継いだAIアプリ「TUNA SCOPE」を、同社が大手回転寿司チェーンとして始めて導入したことで誕生した。
マグロの品質を判断するには、熟練した目利きの知識や経験が必要とされ、一人前の仲買人となるまでにはおよそ4,000匹のマグロの目利きを行い、年月にして最低でも10年はかかると言われているそう。
しかし、この「TUNA SCOPE」では尾の部分の断面をカメラで撮影するだけで、AIがマグロの品質(ランク)を判別してくれる。そのため、新型コロナの影響で従来のようにベテランの仲買人が現地まで買い付けに行くことが難しい状況でも、高品質なマグロを選別して入手することが可能になったという。
くら寿司の購買部マネージャー・大濱喬王氏は「TUNA SCOPE」や新商品の開発経緯について、「搭載されたAIは熟練の仲買人の判断基準を習得しており、尾の断面から締り・縮れ・やけ・脂・ヤマイなど、数秒で仲買人に代わって品質判定を行ってくれます。判定の一致率は約90%と高い水準を誇り、現在の『TUNA SCOPE』は画像をもとに品質をA・B・Mに分けて判断します。うなぎ屋さんでいうところのAが"特上"、Bは"上"、Mは"並"というイメージです。Mでも美味しいマグロではありますが、今回の『極み熟成AIまぐろ』は最高ランクの特上であるAランクのマグロのみを使い、くら寿司独自の熟成技術を施して実現しました」と説明。
「ベテラン仲買人の目利きのノウハウをデジタル化したことで、移動制限下でも仕入れ商品の品質を遠隔から適正に管理でき、仕入れの安定化や仕入れ先の拡充にもつながります」と期待を語った。
ミルクボーイが"マグロボーイ"になって新ネタを披露
発表会の後半には昨年のM1王者であるミルクボーイ(駒場孝さん、内海崇さん)が横幅2メートルという巨大マグロの被り物姿で登場。プライベートでもくら寿司をよく利用するという2人が1日限定の"マグロボーイ"として、くら寿司を題材にしたオリジナルの新ネタを披露した。
被り物によってソーシャル・ディスタンスを保つという"新しい漫才様式"に、内海さんは終始「(被り物が)重い」と漏らしながらも、「被り物をあまりしたことなかったので憧れていました。いろいろな方法でソーシャル・ディスタンスを保って漫才やらせてもらいましたが、被り物で距離をとるって初めて。ほんまに嬉しいです」と感想を述べていた。
また、2人は3種類のマグロの尾の断面写真から、最もランクの高いマグロを目利きするクイズにも挑戦し、「断面の凹凸」「色のコントラスト」といった判定基準のヒントをもらいつつ見事に正解。
発表会後、記者から「目利きに自信のあるものは?」と聞かれ、ボディビルダーとしても活動する駒場さんは、「僕はジムの受付の人見たら、いいジムか悪いジムかは分かりますね。受付のスタッフさんがゴツいと信頼できる本気のジム」とコメントした。
全国のくら寿司店舗で発売される「極み熟成AIまぐろ」の価格は2貫で税込220円。実際に試食してみると、みずみずしい歯応えと口に広がる深いコクや風味が特徴的で、濃厚なうまみや酸味といった、マグロ本来の強い味わいを堪能できる逸品となっていた。