いよいよ最終回を迎える、俳優・中村倫也主演の毒殺サスペンス『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)。明智五郎(中村)と、連続殺人を起こすマリア・ファミリーとの最終決戦の模様が、きょう28日(22:00~23:25)に放送される。

  • (左から)中村倫也、小芝風花、小池栄子=日本テレビ提供

■“最後の晩餐”で悲劇、発露するさまざまな愛

『美食探偵 明智五郎』は、美食家のイケメン探偵・明智五郎が、連続殺人鬼・マリア(小池栄子)の企てる犯罪の真相とハートに迫る、異色のサスペンスドラマ。最終話となる第9話は、30分拡大のスペシャル版だ。

第8話のラストで、奈落の底へ身を投げて姿を消した明智とマリア。悲しみと不安で憔悴しきった苺(小芝風花)の前にその夜、明智が姿を現す。驚きと喜びの中で真相を問いただしたい苺だが、明智は口をつぐんで何も答えず。苺の友人・桃子(富田望生)は、明智がマリアを殺害したのではないかと推測する。

そして半年の時間が過ぎる──。探偵業を続ける明智は、母・寿々恵(財前直見)から実家の系列ホテルで開かれる和菓子の選定に駆り出される。だが、ここでもマリア・ファミリーの暗躍が! 

和菓子に毒が盛られており、政府要人が死亡。さらには苺がマリア・ファミリーの伊藤(武田真治)に拉致されて……?

その夜、明智はマリアから届いた“最後の晩餐”への招待状を手に、マリアのアジトへ向かう。明智、マリア、苺、そしてマリア・ファミリー、それぞれの想いが交錯する中で幕を開ける最後の晩餐は、明智とマリアの愛の“終わりの始まり”だった──。

■「若手実力派」中村倫也の本領発揮!

もっとも注目したいのは、「若手実力派」の二つ名にふさわしい、中村倫也による好演だ。コミックが原作の作品という特性上、これまで中村は“明智五郎”という人物を、浮世離れさせた“キャラクター的2.5次元”で魅せており、その異質性がドラマのアクセントとなっていた。

しかし、最終話の中村は違う。最後の晩餐で、苺がマリアから薬物を注射されるシーン。ここでの“明智五郎”は、キャラのイメージはそのまま、だがこれまで見せたことのない“人間味”をその表情と声色に帯びさせる。そして、その等身大が一気に視聴者のハートへと刺さる!

明智とマリアとの愛、明智と苺の恋模様にも注目だ。同作の“恋する毒殺サスペンス”のキャッチコピーにふさわしく、先の見えない展開の端々(はしばし)に、愛のエッセンスが散りばめられている。また、愛のよく染みたその悲劇は、まさに豪華ディナーのメインディッシュ。そして衝撃のラストシーンは、程よく苦み走ったデザートの味わいと呼ぶにふさわしい。

果たして苺の運命は、マリアとマリア・ファミリーの未来は? 多くの余韻を含んだ最終話。『美食探偵 明智五郎』という“フルコース”の締めくくりを、とっくりと味わっていただきたい。