◆本記事はプロモーションが含まれています。

【この記事のエキスパート】
書道師範/筆耕士:ぺんらいと

書道師範/筆耕士:ぺんらいと

筆耕士として贈答用熨斗紙表書き・名入れ、封筒など宛名書き等の代筆。書道歴15年以上。子育てをしながら書道教室に通い師範取得。現在書道展覧会の出品にも意欲的に取り組み中。冠婚葬祭において、前準備等に関する仕事にも携わっております。


書道に必要な文具四宝のひとつ、硯(すずり)。硯で墨をすると、不思議と気持ちが落ち着きますよね。写経やかな書道には欠かせません。この記事では、硯の選び方や石の種類、おすすめ商品をご紹介します。天然石を使用した高級なものからお手頃価格のものまで厳選しました。

硯の選び方

まずは硯の選び方をチェックしていきましょう。自分の使い方にピッタリの硯を選ぶために参考にしてみてくださいね。

ポイントは下記の5つ。

【1】石の産地
【2】鋒鋩(ほうぼう)
【3】書きたい文字に合わせた寸法
【4】水分の乾きにくさ
【5】墨池

上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。

【1】石の産地で種類を選ぶ

産地で分けると、硯の種類は中国産と日本産の2種類です。ここでは、中国産の唐硯(とうけん)と日本産の和硯(わけん)についてそれぞれみていきましょう。

芸術品のような名硯を探そう! 中国産の唐硯

出典:Amazon

代表的な唐硯は、端渓硯(たんけいけん)、歙州硯(きゅうじゅうけん)、洮河緑石硯(とうがろくせきけん)などです。これらは名硯とされ、なかでも中国南部の広東省高要県の渓谷で採取される端渓石を使った端渓硯が高く評価されています。

石紋のあらわれ方が美しく、こまかい彫刻にも向いているため、芸術品といえる硯に出会えるでしょう。採掘される坑によってランクが分かれ、老坑(ろうこう)から産出されたものは品質がとくにすぐれています。

参勤交代の贈りものとしても使われた和硯

出典:Amazon

山口県の赤間石と宮城県の雄勝石は古い歴史を持ち、国から指定を受けた伝統工芸品です。赤間石を使った赤間硯は、鶴岡八幡宮に奉納されたり、長州藩の名産として参勤交代の贈りものなどに使われたりした歴史があります。

雄勝石は、2011年3月の東日本大震災の影響で生産が停滞した時期もありました。ほかに、三重県の那智黒石、山梨県の玄晶石が和硯の材料産地として知られています。

【2】鋒鋩(ほうぼう)を確認する

出典:Amazon

硯の評価は見た目などの芸術的な評価以外に、鋒鋩(ほうぼう)の質で決まります。石英や銅、鉄などの小さな結晶からなる墨をするデコボコした部分のことで、墨をするときにおろし金のような役割をはたします。鋒鋩のキメがこまかさと耐久性の高さがポイントです。

荒い鋒鋩だと、手早く墨をすることができますが墨色が出ず、ニジミもキレイではありません。鋒鋩は発墨のよしあしに大きく関わっているので、よく確認しましょう。

【3】書きたい文字に合わせた寸法を選ぶ

ここでは、書きたい文字に合わせた硯の大きさの選び方を紹介します。硯の大きさは、中国の方法にならって縦の長さを吋(インチ)で示し、1吋は約2.5cmです。目的にピッタリ合った硯を選ぶ参考にしてみてください。

かな書道には3~5吋を選ぶ

出典:Amazon

祝儀袋・写経用を探している人やかな書道をたしなんでいる人には、3~5吋(7.5~12.5cm)がピッタリです。小さいサイズの紙や筆には、大きな硯である必要ありません。学童用の硯は、四五平(しごひら)と五三寸(ごさんすん)です。それぞれおよそ6吋で、半紙サイズの字に合います。

日本独自の硯の寸法を残したものがあり混乱しがちなので、メートル法表記でも確認しましょう。

書き初めなど大型の漢字には8~10吋を選ぶ

出典:Amazon

書き初めなど大型の漢字を作品として仕上げるときは、半切あるいは条幅と呼ばれる和紙を使います。条幅紙の大きさは約35cm×136cmです。使用する紙の大きさや筆の太さに合わせて、準備する墨の量も調節する必要があります。

大作の場合は、8~10吋(16~25cm)の硯を選ぶと、途中で墨が足らなくなることがありません。

【4】水分の乾きにくさで選ぶ

出典:Amazon

せっかくすった墨が乾いてしまわないためにも、水持ちのいい硯を選ぶことが大切です。店頭で選ぶときは、店員さんの了承がえられるようなら、水をかけたりして跡が消えにくいなら水持ちがいい硯といえるでしょう。

蓋つきは、乾燥やホコリの侵入を防ぐことができ便利です。ただ長期間の保管には向かないので注意が必要です。

【5】墨汁だけを使用するなら墨池を選ぶ

出典:Amazon

硯で墨をする時間より書く時間を優先したい人や、墨の量を気にせず練習に没頭したいときに便利なのが墨池(ぼくち)です。墨汁を入れればすぐに使え、書道のほか水彩画や水墨画を楽しむことができます。

プラスチック製の墨池は、とても軽くて持ち運びしやすいので、お稽古やレッスンに参加するときにピッタリ。墨池に出した墨汁をもとの容器に戻すのは、墨汁の品質をそこなってしまうので注意が必要です。

エキスパートのアドバイス

【エキスパートのコメント】

硯を選ぶときは、どこで書くかを考えましょう。

墨の種類や形状によっても使う硯が変わってきます。たとえば書く文字が「漢字」で太い筆を使用する場合、少し多めの墨汁が必要になります。書く文字の大きさ・太さ・量でも必要な墨汁の量を準備するために硯の大きさや材質を変えましょう。

墨をするのか墨汁を使うのか、自分にあった硯はどのようなものかを考えて選ぶことが大切です。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)