東京メトロは17日、ZMPの開発する無人警備・消毒ロボット「PATORO」を活用した駅構内消毒の実証実験を6月12日の終電後、有楽町線月島駅で実施したと発表した。

  • ロボットを活用した駅構内の消毒(イメージ)

東京メトロでは、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として、駅社員・清掃員が駅構内設備の消毒を進めている。より効果的で効率的な消毒を実施すべく、ロボット活用の検討を進めており、消毒ロボットの有用性などを確認するため、駅での実証実験を行うことになった。

実証実験で使用した消毒ロボットは、ZMPが開発してきた自律移動技術を応用し、人が歩行する程度の速度で走行する低速自動運転が可能。あらかじめ設定されたルート上を障害物を避けながら一時停止することにより、安全に自動走行を行える。

  • ロボットによる駅設備の消毒の様子(左が化粧室内の手すり、右が券売機付近)

有楽町線月島駅構内の地下1階改札外通路で実験を行い、消毒対象物は化粧室内の手すりや券売機付近のカウンターとした。券売機・改札機・昇降機などの精密機器については、消毒液の噴霧による故障の影響を考慮し、消毒対象外としている。

実証実験では、電動噴霧器による消毒液散布機能と、ロボットが取得したセンサー情報を組み合わせることで、消毒液が対象物に散布されることを確認した。事前に取得した駅構内3Dマップをもとに、設定した消毒対象物まで移動し、低速走行をしながら対象物に消毒液の噴霧が行えたという。一方で、消毒液散布高さの自動調節ができないなどの諸課題も抽出された。

東京メトロは今後、抽出された諸課題の再検証を実施するとともに、今回は消毒対象外とした券売機や昇降機などに対する消毒対策についても検討を進めるとしている。