コロナ禍で、在宅ワークは一気に定着し始めた。働き方の多様性が広がったという点では素直に歓迎すべき変化だが、それはそれで別の問題も出始めているらしい。例えば「タバコ」である。

オフィスの喫煙所やカフェ、駅周辺の喫煙スポットなど、禁煙ブームが拡大しているとは言え、会社に出勤していればタバコを吸える場所もあるにはあった。しかし、在宅ワークだと事情が違う。

  • 在宅ストレスに明確な男女差あり - どうすれば自宅でタバコが吸いやすくなる?

あなたがパートナーを持つ喫煙者だった場合、そしてそのパートナーが非喫煙者だった場合、互いにストレスの少ない在宅時間を送るためには、何か良い折衷案が必要だ。例えば加熱式タバコへの切り替えも効果的かもしれない。まずは論より証拠。アンケート調査で明らかになった自宅の喫煙事情を見てみよう。

男性のストレス発散方法No.1は「喫煙」。しかし女性は真逆!

日本中が外出自粛中だった今年4月末、マーケティング事業を行うパイルアップがインターネットで「自宅での過ごし方に関する意識調査」を実施した。対象は、自宅で過ごす時間が増えた全国の20~50代、計1600人。いずれもパートナーと暮らす喫煙者、もしくはパートナーが喫煙者である。

  • Q.自宅で過ごす時間が増えたことでストレスを感じていますか。(単数回答)

外出もままならないのでは気分転換も難しいらしい。自宅で過ごす時間が増えたことについて、86.0%が「ストレスを感じている」と回答。男女比で見てみると、男性が82.7%であるのに対し、女性は89.5%と、男性よりもストレスを感じる割合が高いことがわかる。

  • Q.あなたの現在のストレス発散方法をお答えください。(複数回答)

「ストレスを感じている」と回答した人のストレス発散方法については、「動画視聴(配信)・音楽鑑賞(配信)」が最多の35.4%となった。次いで「たくさん寝る」と答えたのが32.1%。その後に「運動する」が27.9%と続いた。

しかし、男性に絞って見てみると、第1位は「喫煙する」が36.3%で一躍にトップに。ちなみに女性の場合は第1位が「たくさん寝る」で37.0%、最下位が「喫煙する」で5.1%となった。男性とは真逆の結果である。しかも、その他のストレス発散方法と比べても、「喫煙」だけは顕著に男女差が出ていることが興味深い。

加熱式タバコなら「自宅での喫煙許せる」が70%以上

このギャップを見る限り、さぞ女性陣はお怒りだろうと思いきや、実は意外にも、喫煙に寛容な人も多いようだ。

  • Q.【非喫煙者】あなたはパートナーの方が自宅で喫煙することを許せますか。(単数回答)

喫煙者のパートナーを持つ非喫煙者のうち、「どこで喫煙していても許せる」と回答したのはわずか7.1%に留まる。しかし、「できれば許したくないが、場所によっては喫煙を許せる」と答えたのは60.4%と急上昇。意外にも3人に2人の確率で自宅喫煙を認めていることが判明した。

さらに、タバコを種類別で見比べてみると、パートナーが「紙巻きタバコ派」の場合、「どこで喫煙していても許せる」「場所によっては喫煙を許せる」と回答した人が計63.3%であるのに対し、パートナーが「加熱式タバコ派」の場合は計71.8%と上昇傾向にあることもわかった。

こちらは予想できた結果ではあるが、やはり加熱式タバコの方が、わずかながら自宅での喫煙が許されやすい傾向にあるようだ。

自宅喫煙が許されるポイントは「におい」「健康」

  • Q.【非喫煙者】自宅での喫煙を許せた理由をお答えください。(複数回答)

では、なぜ自宅での喫煙を許せるのだろうか。その理由を見てみると、「喫煙する時間は必要だと思うから」がトップで30.2%。次いで「自宅以外に喫煙できる場所がないから」が19.3%と、喫煙に対して一定の理解があることがうかがえる。

加熱式タバコの場合、紙巻きタバコと比べて「においが出ない」「健康への懸念が少ない」「ヤニ汚れがつかない」「副流煙が気にならない」と回答する人が目立って多いことも注目したい。自宅で喫煙する機会が増えた今、これは大いに参考にすべき結果だと言えるだろう。

アフターコロナも続く「コロナ離婚」。男女の意識差に要注意を

  • Q.自宅で過ごす時間が増えたことで困っていることはありますか。(複数回答)

ちなみに、「自宅で過ごす時間が増えたことで困っていることはありますか」という問いに対し、女性の10%が「パートナーの自宅での喫煙の増加」と答えている。対してパートナーの喫煙に困っていると答えた男性は0.4%と、ほぼ皆無だ。

「ストレス発散方法」の項目でも明快だったが、やはり喫煙をめぐっては女性と男性の間に埋めがたい差があると断定できる。

在宅時間が増えた今、パートナーと一緒にいる時間をできるだけストレスなく過ごすことは、かつてないほど重要な課題となった。喫煙者の場合、そのために手っ取り早い方法は何と言っても禁煙である。この調査を見る限り、加熱式タバコへの切り替えも効果的だろう。

ちなみに、「自宅で過ごす時間が増えたことで困っていること」について、「2人でいる時間が増えすぎた」と回答した人は17.3%。女性だけに絞って見れば20.2%に上っている。最近では「コロナ離婚」という言葉を耳にする機会も増えたが、アフターコロナも在宅ワークが根付くと考えると、「コロナ離婚」は一過性の危機ではなさそうだ。

くれぐれもパートナーへの配慮は欠かさぬよう、コロナ以前の何倍も気を引き締めていこう。

【調査概要】
調査方法:WEBアンケート方式で実施
調査対象:自宅で過ごす時間が増えた全国の20~59歳のパートナーと暮らす人
有効回答数:1600名
本人<非喫煙者> かつ パートナー<紙巻きユーザー>
本人<非喫煙者> かつ パートナー<加熱式ユーザー>
本人<紙巻きユーザー> かつ パートナー<非喫煙者>
本人<加熱式ユーザー> かつ パートナー<非喫煙者>)各400名
調査実施日:2020年4月27日(月)~2020年4月28日(火)