08年にスタートし、12年の歴史を持つ『VS嵐』は、豊富なアーカイブがあることから、総集編を放送するという選択肢もあったはずだ。それでも、ここまでの苦労をして新作の収録を続ける原動力は何か。
萬匠氏は「総集編をやれば、正直視聴率も現状より上積みができたかもしれません。しかし、年内でグループ活動休止を発表している嵐と、放送回が残り限られた中で、『VS嵐』は今、振り返るべきではない。毎回新しい『VS嵐』をファンの皆さん、視聴者の皆さんにお届けしたいと思いました」と語る。
さらに、「テレビの役割としてコロナの感染拡大防止は大きな役割であるけれども、我々バラエティを作っている人間のするべきことは、不自由な時間を過ごし、いつも以上にご自宅にいる視聴者の皆さんに楽しい時間を提供すること。あえて言葉にしなくても、個別の部屋にいる嵐、出演者の姿を見ていただくことで、他人との接触を控えるべき今の状況をお伝えしつつ、楽しいテレビ鑑賞の時間を過ごしていただくことだと考えました」と、テレビマンとしてのプライドを垣間見せた。
きょう21日の放送では、狩野英孝へのドッキリ企画を実施。「狩野さんにいきなりグループLINEで4人募ってもらって、嵐チームと対決するという企画なんですが、狩野さんの自宅の玄関に中継システムを置くという、なかなかドキドキすることをやっています(笑)」と見どころを予告している。
●萬匠祐基
1976年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、99年にフジテレビジョン入社。『LOVE LOVE あいしてる』『HEY! HEY! HEY!』『ジャンクSPORTS』などを担当し、08年に『VS嵐』を立ち上げ、企画・総合演出を担当。現在は他にも、『ジャニーズカウントダウン』の総合演出を務める。