新型コロナウィルスの流行が重大な局面を迎えているいま、収束に向かうことができるのか、国民一人ひとりの自覚が問われています。また、現在の流行が収まったとしても、いつ再び流行するかわからず、不安な日々はしばらく続きそうです。

仕事は当然ですが、家計面でも今までなかった対応に迫られています。それでもこんな時だからこそ、じっくり生活スタイルや家計を見直す機会ではないでしょうか。そこで、本稿では「新型コロナウィルスに負けないための家計の工夫」について考えてみました。

  • 新型コロナウィルスに負けない家計を作ろう

コロナウィルスの拡大で家計に影響することは?

コロナウィルスの拡大が家計に与える要素をいくつか考えてみましょう。家計を守るには、それらに対処すればよいことになります。

●感染のリスクが高まる
コロナに感染すれば、当然治療費はかかりますし、医療崩壊で十分な治療が受けられるかどうかもわかりません。別の病気やケガの治療にも影響があります。入院費などの病床代は病院によって大きく異なります。受け入れ病院がなく、毎日3万円の病床代を必要とする病院に入院せざるを得ない事態も考えておく必要があるでしょう。

●収入が減る
収入が減ったと実感している方は少なくはないでしょう。正社員であっても、これからのボーナスに影響する業界もあると思われます。

●必要なものが手に入らない、価格が高い
マスクや消毒薬、薬用せっけんなどの入手が難しくなったことも、日々実感されていることでしょう。通常の5倍もの価格で売られていても、手元になければ身を守るのに買わざるを得ません。

●ストレスがたまり、無駄な出費も多い
甘いものの消費が多くなったという話はよく聞きます。渋谷や原宿の人込みは解消されても地元の商店街には子供ずれの家族で溢れている傾向もあります。知らず知らずにストレスがたまり危険な行為をすれば、それが感染拡大につながり、ますますストレスのある生活を強いられ、悪循環となってしまいます。日ごろからストレスと上手に付き合う生活スタイルを考えておく必要がありそうです。

コロナウィルスに対抗する家計の工夫とは?

ではそれぞれの問題にどう対処していけばよいでしょうか。

健康維持のために整理整頓、不用品の断捨離を!

モノがあふれて埃がたまりやすくなると、健康的な生活は送れません。ウィルスに打ち勝つには、日々健康的な生活を送って免疫力を維持することが大切です。また、整理整頓をすれば、無駄なものを買うリスクを少なくでき家計の負担も少なくなりますし、必要なものを過不足なくストックできます。ウィルスが流行して必要なもののストックがなかったという事態も避けられるでしょう。

最近は多くの方が布マスクを自作されているようです。我が家でもなにか材料がないかと探してみれば、ガーゼの裏地がついている和柄の手ぬぐいが色違いで見つかり、マスクを手作りしました。また探す際に、仕舞われて使っていなかった土産物など思わぬ断捨離もでき、一石二鳥となりました。自宅待機の機会に断捨離してみてはいかがでしょうか。

節約に努め支出を削減し、副業等で収入UP!

豊かで恵まれた生活に安穏としていると、自粛生活に対する対応力が弱まり、ストレスがたまります。一方で、自粛を求められても、どこ吹く風で娯楽施設の前に長蛇の列をなしている現実をみると、堅実に家計を守るスタイルとはかけ離れたものだと思う方は多いのではないでしょうか。そうした極端な例でなくても、やはり日ごろから堅実な生活が、こうした事態に対処する力を蓄えるものだと思います。

また、最近は副業を始めるケースも増えているようです。これからはサラリーマンでもZoom会議の開催等、オンラインでのスキルが必要となると思いますが、副業も在宅でできるものを選択すると、今回のような事態へのリスクを少なくできるかもしれません。今すぐ副業を必要としない方であっても、長い人生を考えて、ゆったりと別の分野などの仕事を楽しみながら開拓していくようなことも、リスク管理の面から今後重要視されていくでしょう。

新型ウィルス対策商品をストックしておこう!

とはいっても、やはり新型ウィルス関連商品はストックしておきましょう。各家庭では災害時に備えて、災害時の非常用持ち出しや水、非常用食料などもストックしていると思います。これからは防災用品だけでなく、新型ウィルスの蔓延に備えて必要商品を家族分ストックしておく必要がありそうです。ただし過度に備えるのは禁物です。

今はいろいろなものが手に入りにくい状況です。流行が収まって、商品が市場に出回るようになり、価格も安定してきたら準備をスタートしましょう。安い時に必要最低限ストックしておけば、流行時に高値の商品を購入する必要はありません。そうすれば、買い物の回数を減らしたいと思っても、マスクを求めて毎日ドラッグストアに様子を見に行くような事態も避けられます。

参考までに、どんなものが必要かを表にまとめてみました。家庭環境によっても異なりますので、各家庭に必要なものを追加してみてください。

  • ウィルス流行に備える備品リスト

抗菌シートやキッチンペーパー、ガーゼ等は布マスクのインナー用です。ストックしておけば、少しでもリスクを低減できます。流行時にどうしても病院に定期的に通わなくてはならないケースも考えられます。重篤で大病院にかかっている場合は、長時間待合室で診察や支払い等で待たされ、感染リスクが高くなります。通院リスクを低減するために、N95マスクも用意できればしておきましょう。

外出リスクを減らすものは、基本的に防災用品と兼用可能です。ただし今回のような新型ウィルスなどだと、期間が長引く可能性があるため、そのための工夫は必要です。例えば、ストレスで甘いものが欲しくなったとき用に、手作りお菓子を作る材料のドライフルーツや小麦粉は重宝するでしょう。また、世界的流行で輸入できなくなる日用品や食料品なども考えてストックしておきましょう。

私は日常使うもので非常時に持ち出したいものは、非常用持ち出しリュックの収納棚のところにメモを張っています。そうしておけば、とっさの状況下でも、必要なものをすぐに持ち出せます。毎日使うものなどは、リュックに詰めておくわけにはいかない場合があります。そういった時にメモが役に立ちます。新型ウィルス商品も分かりきっていても、リストにしておくと買い忘れません。

非日常を家の中で楽しむ工夫をしよう!

日ごろ外食したり、休日などに非日常を求めて旅行したり、スポーツや様々なレジャーを楽しんだりしていた私たちが、急に家での生活を楽しむのはなかなか難しいでしょう。それらの多くは与えられた施設が必要で、施設が与えるものにゆだねる形になります。

しかし、今はそうはいってられません。これからは施設に頼らず、自宅で非日常を創造する工夫も大切にしましょう。また、自粛が解除された後も、これまでとは少し違い、家の中での楽しみ方や、施設に頼らない遊びを考えるよう心がけみてはいかがでしょうか。

例えば、外出する際はレジャー施設にいくのではなく、車に食料一式を積んで、車中泊や自然を楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。東京近郊でも大自然を味わい、川などで遊べる場所は多くあります。


今回の事態に際して思うのは"心のゆとり"です。モノがなくなるのでは? とニュースになったときに、「お米があればなんとかなる」という声を耳にしました。私はマンション暮らしですが、入居者はほぼ同年代で、それほど豊かではない時代を知っている世代です。ないのが普通、それでも何の問題もなく暮らした経験は非常時に役立っています。

「モノが無い」、「外食できない」、「買い物ができない」、「遊びに行けない」など、こうしたことで、本当にストレスを感じる必要があるのでしょうか。「〇〇ができない」と思い浮かべることのほとんどは半世紀前にはなかったものです。

なければ「無い」を楽しむ強さとおおらかさを持ち合わせたいものです。同窓会のメルマガによると、90歳の大学の恩師は家から出ずに、せっせと片づけをしているようです。時間をうまく使うか使わないかは本人次第でいくつになっても学べることは多くあり、飽きることがないそうで、自分もまだまだだと反省しました。何かあったときでも、いろいろ工夫をして、それを楽しむ生活スタイルを作ってこそ、家計を守れると感じています。