駐車場予約アプリ「akippa」を運営する予約駐車場・駐車場シェアサービス大手のakippaは、社宅の空き駐車場の貸し出しに本格参入する。社宅は通勤の利便性を考慮した好立地を選んで建てられているはずなので、その駐車場が使えるようになればakippaの使い勝手は向上しそうだ。

  • akippaと社宅の空き駐車場

    社宅の空き駐車場を有効活用? akippaの考えとは

利便性の高い社宅の空き駐車場に需要あり!

akippaは契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫、空き地、商業施設などのスペースを15分単位でネット予約して駐車できるサービスを展開している。2020年3月現在で駐車場拠点数は累計3万4,000カ所。会員数は180万人を突破している。

同社によると、社宅は高度経済成長期に増加したものの、バブル崩壊やリーマンショックなどを経てその数は減少傾向にある。平成30年の「住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)では、 住宅に占める社宅(給与住宅)の割合は、 1973年が6.4%であったのに対し、2018年には2.1%に減っていたそうだ。ただ、現状でも110万戸の住宅が社宅として活用されているという。

新卒社員の採用においては、社宅などの福利厚生の充実を求める声も多く上がっているそうだが、維持費の問題などから、売却を検討する企業もあるとのこと。しかし、その性格上、社員が住んでいる間は、企業が社宅を維持する必要がある。akippaによれば、そうした社宅では、空室や駐車場の空きなどが目立つ物件もあるそうだ。そこで同社は、企業が持つ遊休資産の活用を目的に、社宅の空き駐車場の貸し出しを本格的に開始する。

akippaで遊休スペースを「予約制駐車場」として活用すれば、貸し出しを行う企業は収益を得ることができる。社宅の多くは通勤に配慮し、利便性がいい場所に位置しているので、駐車場としての需要も見込めるというのがakippaの考えだ。

社宅の空き駐車場をakippaに登録するにあたり、 設備の設置や大規模な工事は一切不要とのこと。web上で簡単に駐車場の貸し出し開始・停止ができるため、 社宅を手放すことを検討している企業でも、それまでの期間だけ貸し出し駐車場として運用することが可能だという。