富山市は16日、北陸新幹線と在来線(あいの風とやま鉄道ほか)の高架化で3月21日から開始する路面電車の南北直通運行について発表した。岩瀬浜方面へ向かう北側の路面電車と、大学前・南富山駅前方面へ向かう南側の路面電車が富山駅で接続する。

  • 「トランジット・ライティング・ウォール」

富山市によれば、この路面電車南北接続事業は富山駅を舞台とした新幹線と路面電車のコラボレーションという、世界でも類いまれな高速鉄道とLRTの接続を実現するものであり、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりのシンボルになるとのこと。

富山駅高架下の路面電車走行空間では、富山市の玄関口にふさわしい空間となるように、「ガラスの街とやま」ならではの大小さまざまな工芸ガラスを組み合わせた「トランジット・ライティング・ウォール」(新幹線側は高さ7m×幅35m、在来線側は高さ5.1m×幅28m)を設置。「山と海の文化その融合」をデザインコンセプトに掲げ、新幹線側は立山連峰をテーマとした緑色を基調とするガラス、在来線側は富山湾の海をテーマに青色を基調とするガラスを使用し、富山の大自然を表現している。

  • 富山駅路面電車南北接続開業

富山市が進める「コンパクトなまちづくり」のひとつの到達点である路面電車南北接続事業が3月21日に完成することにより、1908(明治41)年以来、富山駅を挟んで南北に分断されていた市街地が一体化する「市民100年の夢」が実現する。

路面電車の利便性が向上し、富山駅の交通結節機能が強化され、人の流れに大きな変化をもたらすだけでなく、高齢者の外出機会の増加をはじめ、中心市街地のにぎわい創出や商業活動の活性化など、多様な効果も期待でき、市民が健康で生き生きと暮らす魅力ある活力都市の創造につながると考えられている。