キャッシュレス時代の代表ともいえるクレジットカードですが、それぞれのカードにはランクが設けてあり、中でも最高峰のランクといえるのが、知る人ぞ知る“ブラックカード”です。ブラックカードを持っていたら、どんなことができるのか、どんな人が持つことができるのか、謎に包まれている部分も多いブラックカードの世界を覗いてみましょう!
ブラックカードってなに?
そもそもブラックカードとはどんなカードなのでしょうか。ブラックカードはクレジットカードの最上位を示す通称であり、そうしたカードが黒を基調としたデザインが多いことからブラックカードと呼ばれています。
ゴールドカードまでは、皆さん、よく知っていると思います。その上にプラチナカードがあり、その上がブラックカードと認識している人が多いかもしれません。しかし、各カード会社によってさまざまで、プラチナが最上位の場合もあり、必ずしも、黒とは限りません。
ここでは、最上位のランクであるカードをまとめて“ブラックカード”と呼んでいきたいと思います。
一般的なクレジットカードでも、支払いの度にポイントが貯まり、商品と交換できたり、提携店舗で割引が受けられたりと、さまざまな特典が用意されています。これが、最高峰のランクのブラックカードだったら、特典も“半端ない”と想像できますね。
これがブラックカードの特典だ!
ブラックカードの代表として挙げられる「アメックス・センチュリオンカード(※)」の特典をご紹介しましょう。
※アメックス・センチュリオンカードは、米国のクレジットカード会社であるアメリカン・エキスプレスが発行する最上位のクレジットカードで、会社からの招待(インビテーション)を受けた人だけが保有することができます。年会費は35万円(税別)となっており、クレジットカードの年会費の中では最も高額です。この他に初年度入会金が50万円(税別)かかります。
・24時間365日対応のコンシェルジュ・サービス
会員専属のコンシェルジュがつき、さまざまな問い合わせや要望に対応してくれます。たとえば、入手困難であるチケットの手配や、いつも予約でいっぱいなレストランの席の確保など、難しそうなリクエストでも可能な限り応えてくれます。
・チタンカードの発行
希望によって、チタン製のカードを発行してくれます。
・提携ホテルのスイートルームに無料アップグレード
多くのホテルグループと提携しているため、世界のラグジュアリーなホテルのスイートルームなどに宿泊することが可能です。
※特典は宿泊施設によって異なります。
・提携航空会社のファーストクラスに無料アップグレード
提携航空会社の飛行機の搭乗に際し、席に空きがあれば、自動的にアップグレードされます。また、世界1,200カ所以上の空港ラウンジが利用できます。
・海外旅行中の24時間日本語サポート
海外旅行中のトラブルに対応できる、日本語で相談できる通話料無料のホットラインが利用できます。
・旅行付帯保険の補償額が大きい
国内旅行、海外旅行ともに、傷害死亡・後遺障害保険金が最高1億円となっています。
※旅行代金をカードで決済した場合
・誕生日プレゼント
毎年、会員の誕生日にはプレゼントが贈られます。
・1年に1回、無料宿泊券2名分プレゼント
国内の対象ホテルで利用できます。
・レストランのコース料理が1名分無料
国内、海外の対象レストランで、所定のコースメニューを2名以上で予約をすると、1名分の料金が無料となります。
・ポイントの有効期限がない
有料のポイント・プログラムである「メンバーシップ・リワード・プラス」が無料となり、ポイントアップ、交換レートアップとなり、さらにポイントの有効期限が無期限となります。
・閉店後にショッピング
高級ブランド店などで、事前に連絡をすることで、閉店後にプライベートショッピングを楽しむことが可能となります。
・会員限定のイベントへの招待
会員限定のイベントの参加や特別席の提供など、ブラックカードの会員ならではの特典があります。
ブラックカードを手にするには
ブラックカードはクレジットカード会社からの招待(インビテーション)を受けることによって、手にすることができます。こうした招待を受けるためには、年間の利用額が基準以上、クレジットヒストリーが良いなど、カード会社から肯定的な評価を受けなければなりません。
具体的にどのような手順を踏めば良いのか、所有者になるための条件などを見ていきましょう。
ブラックカードまでの道のり
ブラックカードを手にするには、まずは、その下のランクである、ゴールドカードやプラチナカードで実績を積まなくてはなりません。
アメックス・センチュリオンカードの場合は、先にプラチナ・カードの会員になっておき、利用実績を積むことで、インビテーションを受けることができます。プラチナ・カードは申し込みで取得できますが、年会費は13万円(税別)となっており、この時点で所有できる人が限定されてしまいます。
もう少し手に入れやすいブラックカードとしては、「JCBザ・クラス」があります。こちらもインビテーション制ですが、年会費は5万円(税別)です。その下のカードである「JCBプラチナ」年会費2万5,000円(税別)で利用実績を積むことでインビテーションを受けられます。
所有者の条件
年会費を見てもわかるとおり、ある程度の年収がある人でないとブラックカードは所有できないと思った方が良いでしょう。
年収については、各カード会社によって基準はそれぞれなので、一概にはいえませんが、少なくとも1,000万円以上は必要と思われます。これに加えて、年間200万円以上のカード利用がないとインビテーションを受けるのは難しいでしょう。
年齢については、こちらも各カード会社によって異なります。プラチナカードの多くは20歳以上であれば申し込みができますが、ハイクラスのものほど25歳以上、30歳以上と申し込み可能年齢が上がる傾向があります。
ブラックカードのある生活
ブラックカードがあれば、ホテルや空港、高級ブランド店などで最上級のサービスが受けられることは間違いないでしょう。ブラックカードの一つであるマスターカードの最上位カード「ラグジュアリーカード(※)」には、リムジン送迎サービスがあります。指定のレストランを予約することで、片道のリムジン送迎が無料となります。お洒落なレストランで食事をして、ほろ酔い気分になった後は豪華なリムジンで自宅まで送迎、まさに夢のような生活です。
※マスターカードのラグジュアリーカードは3種類あり、その中のブラックカード(年会費税別10万円)は申し込みによって取得できます。さらにその上には招待制のゴールドカード(年会費税別20万円)があり、24金仕上げのカードとなっています。
クレジットカードはステイタスを証明するためのアイテムにもなっていることが、こうしたブラックカードの存在で確認できます。
それというのも、クレジットカードの利用履歴であるクレジットヒストリーにはその人のお金の使い方、ひいては日々の生活が如実に表れるため、生活レベルとクレジットカードのランクは自ずと釣り合っていくわけです。
そのように考えると、ブラックカードが欲しいからといって、利用額を増やしたり、無理をして年会費を払ったりという行為は本末転倒であり、そこまでして所有してもあまり意味はないでしょう。
仕事を頑張った結果、年収が上がっていき、気づいたらブラックカードの所有者になっていたというストーリーが一番現実的です。その時は、憧れが日常になっている状況といえるかもしれませんね。