すでに昇級を決めている丸山忠久九段は順位1位を確定できるか。降級点をめぐる争いも熾烈

本日、3月11日に第78期順位戦B級2組(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)の最終局である、第11回戦が東西の将棋会館で一斉に行われます。続々と最終戦を迎える各クラスの順位戦。残すはB級2組と、明日行われるB級1組のみです。

B級2組は丸山忠久九段が昇級を決めています。一気の8連勝(1局抜け番消化)で9回戦終了時点で決めるというスピード昇級でした。残る1枠を横山泰明七段と近藤誠也六段で争います。

両者はともに6勝1敗で迎えた9回戦で激突。横山七段がこの戦いを制し、昇級争いから抜け出したかに思われました。ところが、勝てば昇級だった第10回戦で田村康介七段に敗れてしまい、昇級はお預け。一方の近藤六段は鈴木大介九段に勝利して、両者は再び7勝2敗で並びました。

順位戦で重要になるのは、その名の通り順位です。横山七段は3位、近藤六段は21位。現在3敗で順位最上位の村山慈明七段は4位のため、すでに昇級はありません。よって、両者の昇級条件は以下のようになります。

横山七段:勝てば文句なし。負けても近藤六段が敗れれば昇級
近藤六段:自身が勝利した上で、横山七段が敗れる

横山七段は北浜健介八段と、近藤六段は中田宏樹八段と対戦します。最後に笑うのはどちらになるでしょうか。

順位戦の注目ポイントは昇級争いのほかにもう一つあります。それは降級・降級点争いです。B級2組以下では1期で下の組に落ちることはなく、降級点という制度を採用しています。B級2組とC級1組は2つ、C級2組では3つ降級点を取ると下の級に降級となります。

B級2組では下位5人に降級点が付きます。これを回避する戦いが今期も熾烈。可能性があるのは、以下の11人です(かっこ内数字は順位。「点」は降級点1を表す)。

【4勝5敗】
杉本昌隆八段(22)
中村 修九段(23)点

【4勝6敗】
阿部 隆八段(17)

【3勝6敗】
中村太地七段(5)
中川大輔八段(13)
北浜健介八段(14)
田村康介七段(16)点
畠山成幸八段(19)
飯島栄治七段(25)点

【2勝7敗】
窪田義行七段(11)

【1勝8敗】
野月浩貴八段(2)

野月八段はすでに降級点が付くことが確定してしまっていますが、残りの10人はまだどうなるか分かりません。順位一つの差が明暗を分ける展開もありそうです。

田村七段と飯島七段は最終戦で直接対決。敗れた方はC級1組への降級が決まります。飯島七段は、勝ったとしてもライバルの成績次第では降級となりますが、とにかく勝つしかありません。

一方、降級点は勝ち越すか、2期連続で指し分けると消すことができます。今期は鈴木九段と戸辺誠七段が6勝をあげて消去に成功しました。降級点が付く可能性がある中村九段も最終戦で勝利すれば指し分け。対戦相手は丸山九段です。来期消去への足掛かりとするために負けるわけにはいきません。

昇級を争う横山七段(左)と近藤六段
昇級を争う横山七段(左)と近藤六段