JR東日本は3日、山形新幹線の新型車両E8系を新造すると発表した。新型車両E8系は2022年9月以降に落成し、2024年春から営業運転を開始する予定。2026年春までに7両編成(5M2T)を17編成、計119両を新造する。
山形新幹線の新型車両E8系は、奥山清行氏が代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」の監修の下、川崎重工がデザインを担当。「豊かな風土と心を編む列車」をデザインコンセプトに、「最上川の歴史に共通する新幹線がもたらす“豊かさ”、そこから生まれる“風土や人の交流”を促す車両」になるという。エクステリアは「山形の風土と、離れた土地にいる人の心の結びつきを感じさせるデザイン」とし、車体カラーは上部に「おしどりパープル」、下部に「蔵王ビアンコ」、帯に「紅花イエロー」の3色を採用。先頭車はより進化した印象のアローライン形状とし、先頭長は9mとされた。
インテリアは「乗車の始まりから終わりまで山形の風土とお客さまの心を結びつけるデザイン」に。グリーン車は「最上川と月山」をカラーテーマに、腰掛は豊かな針葉樹林の広がる月山の緑色と最上川の水面の印象を組み合わせ、中央通路部は最上川の流れをモチーフにデザインした。普通車は「最上川と紅花」をカラーテーマに、腰掛は陽に照らされる紅花色を配色し、紅花が抽出されるプロセスをグラデーションで表現。中央通路部には最上川の流れをモチーフとした柄を通した。
編成定員は355名(グリーン車26名、普通車329名)。普通車も含む全席に電源コンセントを設置し、車いすスペースは1編成あたり計3席(グリーン車1席、普通車2席)に。全車両にスーツケース対応の大型荷物置場を設け、防犯カメラを客室内のデッキと通路部に設置。フルアクティブサスペンションを採用し、乗り心地の向上も図る。
新型車両E8系の営業最高速度は新幹線区間が300km/h、在来線区間が130km/h。東北新幹線東京~福島間にて、E5系との併結で300km/h運転を行い、所要時間短縮をめざす。なお、JR東日本は新型車両E8系の新造に加え、福島駅アプローチ線の新設工事に着手することも発表している。