2020年3月6日から全国公開される映画『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』のマスコミ会見が2月27日に東京・新宿ピカデリーにて行われ、工藤ヒロユキ役の井上祐貴をはじめとする主要キャスト陣と、市野龍一監督、そして「ニュージェネレーションヒーローズ」と呼ばれる新世代ウルトラマンたちが勢ぞろいした。

  • 上段左からウルトラマンビクトリー、ウルトラマンギンガ、ウルトラマンエックス、ウルトラマンジード、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンタイガ、ウルトラマンフーマ、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブル、ウルトラウーマングリージョ、ウルトラマンオーブ、下段左から根岸拓哉、ウルトラマンタロウ、七瀬公、ウルトラマントレギア、ウルトラマンレイガ、井上祐貴、諒太郎、吉永アユリ、市野龍一監督

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』は、2019年にテレビ放送された『ウルトラマンタイガ』の"その後"の物語を描くとともに、『ウルトラマンギンガ』(2013年)から『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(2018年)までの「ニュージェネレーションヒーローズ」と呼ばれる新世代ウルトラマンたちが結集するという、豪華な映画となった。

本来なら完成披露上映イベントが開催されるはずが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための政府発表を受け、上映は急遽中止。無観客でのマスコミ会見に切り替えられた。登壇したキャストたちはそれぞれ、直接会うことが叶わなかったファンに向け、現在の心境を伝えた。

ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマを身体の中に宿している主人公・工藤ヒロユキを演じる井上祐貴は「いつもウルトラマンを応援してくれるみなさんが健康で元気にいられるのが、僕たちもスタッフのみんなも願っていること。今の僕たちに課されたことは『劇場版ウルトラマンタイガ』の魅力を存分に伝えることだと思っています。今日この場でお話したことをいろいろなところで知っていただき、『劇場版ウルトラマンタイガ』を観に行こうと思ってくれたらうれしいです!」と、ファンに向けてさわやかな笑顔と共にメッセージを送った。

ヒロユキの先輩にあたり、民間警備会社「E.G.I.S.」で活躍する宗谷ホマレを演じる諒太郎は「正直残念ですが、きっと必ずまたファンのみなさんとお会いできる機会があると思っています。楽しみとタイ焼きは残しておくタイプですので……(笑)」と、今回ファンの方々と会うことのできない残念さを噛みしめつつ、次のチャンスに望みをかけつつ挨拶した。

E.G.I.S.のオペレーターを務める陽気な女性・旭川ピリカを演じる吉永アユリは「私も今日という日を楽しみにしていたので、すごく残念です。でも3月6日から映画が公開されますし、今日はマスコミのみなさんからいろいろな見どころを届けていただいて、ファンのみなさんが映画をもっと楽しみに思えるようなお話ができたらなと思っています!」と明るい笑顔を向けた。

邪悪なウルトラマントレギアの人間態・霧崎を演じる七瀬公は「本来ならば、この劇場ににお客さんがたくさんいらっしゃったと思うと残念です。でもウルトラマンは"人の命を守る"宇宙人。みなさんのためにも今回の決断は、ウルトラマンとして当然のことをしたまで、と思っています……とトレギアの僕が言いますけど(笑)。でもいいんです。今は七瀬公ですから!」と、ふだんの霧崎とは異なる"さわやかさ"をふりまきながら挨拶を行った。

本作のメガホンを取った市野龍一監督は「こちらに来られるのを楽しみにされていた方たちには残念な結果になってしまいましたが、不安を持ったまま映画を観ても気持ちよく楽しめないというのもあると思いますので、公開されたあかつきには、不安のない状態で改めて楽しんでほしいです」と、早く安全な状態でファンの方々が映画を楽しめる日が来ることを。心から願っていた。

市野監督は本作のストーリーについて「テレビシリーズ最終回の、約半年後くらいのお語。地球人と宇宙人の共存共栄の一歩を踏み出したヒロユキたちの"その後"が描かれます。テレビではちゃんと出てこなかった、タイガのお父さん・ウルトラマンタロウが出てきますが、なぜか"闇に堕ちて"現れます。なぜこんな風になったのか、どうしてタイガとタロウが戦うのか、という展開を通じて"父と子の絆"というものを語っていきたいと思いました」と、作品の「テーマ」の部分を説明した。また、テレビシリーズでは深く描かれなかった「トレギアとタロウとの関係」をうかがわせるような描写や、ニュージェネレーションヒーローズの"変身前"と"変身後"が大集結するといった派手な見せ場についても言及し、作品の出来栄えに自信をのぞかせた。

続いてキャスト陣による映画の見どころが語られた。七瀬は「映画のエンドロールは必見です! 映像と、小野大輔さんの歌われるエンディングテーマ『ドラマティック』とが相まって、速攻で(感動して)泣く方もいらっしゃると思います! 本編の見どころはホマレ先輩に託しました(笑)」と感動的なエンディングについて触れながら、諒太郎への絶妙なるパスを渡した。

吉永は「映画館で観るとアクションシーン、特撮シーンの迫力、臨場感がすごい! 家のテレビや携帯では感じられませんから、ぜひ劇場に足を運んで」と、劇場の大スクリーンで上映される作品にふさわしいスケール感が、本作に備わっていると力説した。

七瀬からハードル上げ気味のパスを渡された諒太郎は「ヒロユキがウルトラマンだった。ホマレが宇宙人だった。ピリカがアンドロイドだったということがテレビシリーズの中で明かされました。映画では、みんなの秘密がぜんぶわかった上での関係性が示されていますので、そういうところを意識して観てほしい」と本編シーンの見どころを挙げた。しかし七瀬からは「60点くらい」と辛口の採点をもらい、戸惑うようすを見せていた。

井上は「見どころがひとつに絞れない、全部が見どころです! そんな中でいくつか挙げますと、ニュージェネのウルトラマンそれぞれのファンの方たちが『うわ~っ!』って喜んでくださる見せ場が変身前、変身後ともどもしっかりあります。そして、タイガとタロウの"絆"をはじめ、テレビシリーズでは描ききれなかった部分が今回の映画でちゃんと語られています。ぜひ劇場に足を運んでください!」と真摯な姿勢で見どころの抱負さをアピールした。

映画を観る前に、テレビのこのシーンをおさらいするなら? という質問では、井上が「第2話のヒロユキの変身シーンです。あそこで本当は"僕がチビスケを助ける!"と言わなければいけないところ"僕がヒロユキを助ける!"と言ってNGを出してしまい、忘れられないシーンになりました(笑)」と、まだ演技にも変身ポーズにも慣れていないころの手痛いNGをふりかえり、苦笑いで紹介した。

諒太郎は「第9話の、ホマレが"自分は宇宙人だ"と告白するシーン。武居(正能)監督から"ここ、ちょっとだけ声を裏返らせてみようか"と言われ、何回も何回も練習して上手くできず、本番は腹をくくるしかない! と思って臨んだら絶妙な裏声が出て、まさに"奇跡のワンシーン"になりました」と、コミカル風味の演技が偶然にも上手くいったことを明かした。

吉永は「第5話で、ピリカが可愛いと思ったワンピースを見つけて、ショウウインドウに顔をペタッとくっつけ、興奮して"鼻息"を出すシーン。田口(清隆)監督がお手本を見せてくれたにも関わらず、なかなかうまく出せずに何テイクも重ねてしまいました」と、左右の鼻孔から均等な息をもらすことの難しさをしみじみと語り、あえてそこに注目してもらいたいと話した。

七瀬は「第4話でホマレ先輩とアクションするシーン」を挙げ「僕にとって初めてのアクションで、何度もやりなおしてようやくOKになったので印象深いです。その後ホマレ先輩が横に"飛ぶ"シーンを撮ったとき、アクションシーンの3~4倍くらい時間がかかっていたのも忘れられない! ホマレ先輩はアクションよりも"飛ぶ"ほうが難しかった(笑)」と、やたらにホマレを"イジり"回し、諒太郎との仲の良さを強調するかのようなコメントを発した。

本作では『ギンガ』から『R/B』まで6作品に登場したニュージェネレーションヒーローズが総登場し、タイガ、タイタス、フーマと共演するが、ここでキャスト陣と市野監督には、いちばん好きな(ニュージェネ)ウルトラマンは? という質問が飛んだ。市野監督は「メイン監督をやったのでタイガ」と強いタイガへの愛着を示し、七瀬は「トレギアとして最初に戦ったウルトラマングルーブ」と、2019年の映画『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』で初登場となったロッソ、ブル、グリージョが合体した「ウルトラマングルーブ」の名を挙げた。

吉永は「タイタスも好きですが、ウルトラマンエックスがカッコいいなって思っています。去年みんなでウルフェス(ウルトラマンフェスティバル2019)に行ったとき、エックスと同じポーズで写真撮りました」と言いながらザナディウム光線のポーズをとって、まぶしい笑顔をのぞかせた。

諒太郎は「フーマ愛が強いことから、"青いウルトラマン"が大好きになりまして……トレギアじゃなくて、ウルトラマンブルが気に入っています」とさわやかに語り、井上は「2人がやりとりをしている雰囲気がとても羨ましいなと思うので、『R/B』の2人、ロッソとブルが好き」と、単体ウルトラマンに出せないコンビネーションに憧れていることを明かした。

今回の映画では、ウルトラマン史上最多となる11体が"合体"して誕生する「ウルトラマンレイガ」の活躍も大きな見どころ。井上はこれについて「最初に聞いたときはうれしい気持ちと同時に、すごいプレッシャーを感じたが、撮影前になると"やってやるぞ!"という思いでカッコよく(変身を)決めたいと思った」と目を輝かせながら語った。その直後、ステージには歴代「ニュージェネレーションヒーローズ」がさっそうとかけつけ、それぞれが勇ましいポーズを取ってファイトをみなぎらせた。

『ウルトラマンギンガ』『ウルトラマンギンガS』より、ウルトラマンギンガ。

『ウルトラマンギンガS』より、ウルトラマンビクトリー。

『ウルトラマンX』より、ウルトラマンエックス。

『ウルトラマンオーブ』より、ウルトラマンオーブ(オーブオリジン)。

『ウルトラマンジード』より、ウルトラマンジード(プリミティブ)。

『ウルトラマンR/B』より、ウルトラマンロッソ(フレイム)。

『ウルトラマンR/B』より、ウルトラマンブル(アクア)。

『劇場版ウルトラマンR/Bセレクト!絆のクリスタル』より、ウルトラウーマングリージョ。

『ウルトラマンタイガ』より、"風の覇者"ウルトラマンフーマ。

『ウルトラマンタイガ』より、"力の賢者"ウルトラマンタイタス。

『ウルトラマンタイガ』より、"光の勇者"ウルトラマンタイガ。

井上が変身アイテム「ニュージェネレーションアイ」を目にかざすことにより、11体のヒーローが合体した神秘の巨人「ウルトラマンレイガ」が登場。その勇姿が初めてマスコミの前で披露された。

レイガの登場を快く思わない霧崎(七瀬)は変身アイテムのトレギアアイを手にして、ウルトラマントレギアを呼び出した。ステージにやってきたのはトレギアと、闇に堕ちた「ウルトラマンタロウ」だった。なぜタロウはトレギアに支配され、タイガに戦いを挑んできたのか。その"謎"は映画の中で解明されるのだという。

トレギアとタロウの登場により、不穏な空気が流れたステージに「そこまでだ!」という声が響いた。声の主は、ウルトラマンギンガに変身する礼堂ヒカルであった。さっそうと登場したヒカル役・根岸拓哉は防衛チーム「UPG」のユニフォームに身を包み、マイクを握って挨拶。「この続きは、ぜひ劇場で!」と、ニュージェネレーションヒーローズを代表して映画への興味をあおる役割を果たした。

この日のマスコミ会見をさらに盛り上げるべく、急遽登壇が決まった根岸は『ウルトラマンタイガ』をはじめとする"後輩"ヒーローたちと対面したことを受けて「7年前、『ギンガ』をやっているころは、こんなにもたくさんのヒーローが集まるとは想像もしていなかったです。自分たちがニュージェネレーションヒーローズと呼ばれ、みんなと一緒に"変身"する作品に出られて、うれしく思います」と、先輩らしい貫禄十分なコメントを残した。

『タイガ』キャストとの共演について根岸は「ピリカ以外のみんなとは一緒のシーンがあった」と語った。七瀬は映画の撮影時をふりかえり「僕(霧崎)はヒカルに"蹴り"を入れられました。根岸さんは足が長すぎるんですよ。アクション練習のときスタッフさんから"ヒカルと立ち回りするときは、いま練習している間隔の2倍は取っていて"と言われていて、距離を取ったつもりだったのに、足が伸びてきた(笑)」と、根岸の長い足から繰り出されるキックを食らってしまったことを、苦笑まじりに回想した。

『ウルトラマンギンガ』でも、ウルトラマンタロウは重要なポジションで出演を果たしていた。根岸は「タロウはヒカルにとっての師匠というか、すごく思い入れのあるウルトラマンです」と語りつつ、タロウとの"再会"を喜んだ。

最後の挨拶で市野監督は「スタッフ、キャストが愛を込めて作った作品。映像も音も迫力ありますので、ぜひとも劇場で観ていただきたいです!」と作品内容の濃厚さに自信のほどをのぞかせ、劇場に来てほしいと呼びかけた。

井上は「『タイガ』のキャストが揃い、さらにニュージェネのウルトラマンが勢ぞろいし、そしてレイガやタロウまで集まったこの場にいられることが、すごく"胸アツ"です。これだけのヒーローがスクリーンで大暴れするのを想像するだけで、すごい迫力を感じます。ぜひ劇場に足を運んでください!」と映画を熱烈にアピールした。

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』は、3月6日より全国ロードショー公開される。新宿ピカデリーの1Fロビーでは映画公開を記念し、ウルトラマンタイガをはじめ「ニュージェネレーションヒーローズ」の歴代ウルトラマン立像が展示されている。

(C)劇場版ウルトラマンタイガ製作委員会