東京2020組織委員会は12日、オリンピック・パラリンピックの「観戦チケット 春期販売」について説明した。整理券はがきの当選者を対象に、有楽町に開設するチケットセンターにて窓口販売していく。都内で担当者が詳細を説明した。
整理券はがき抽選の流れ
春期販売は、整理券はがき抽選による先行窓口販売(先着順)という形式を取る。先着順といっても、当選はがきに記載された整理番号の順という意味で、チケットセンターに早く来店した順という意味ではない。登壇した鈴木秀紀局次長は「大勢のお客様にご来店されると、周辺が混雑してしまいます。そのため、整理券はがきによる抽選となりました。当選した順番でチケットの購入手続きが行えます」と説明する。
整理券はがきの申込受付期間は、オリンピックが2月20日~3月12日まで(12日に必着)、パラリンピックが3月13日~4月5日まで(5日に必着)。販売期間は、オリンピックは4月28日~5月7日、パラリンピックは5月22日~5月28日となっており、当選者には販売期間内で個別に購入日時が指定される。
今回の整理券はがき抽選によるチケット販売想定数は未定とのこと。「準備の状況次第になります。今日の時点では決まっていません」としている。ちなみにオリンピックの第1次抽選では322万枚、第1次抽選の追加抽選では35万枚、第2次抽選では90万枚が販売され、パラリンピックについては第1次抽選で60万枚が販売されている。
申込対象者は日本国内の在住者。国内の住所に当選はがきが送られる。抽選はがきの申込書には、オリンピックかパラリンピックか、氏名、住所、電話番号、生年月日を記入。1枚のはがきでオリンピックとパラリンピックの両方に申し込むことはできない(申込はがきの上限は、オリンピックとパラリンピックで各人1枚まで)。往復はがき、封書、FAXなどで送った場合は無効となる。また同一人物による複数当選が判明した場合はどちらも無効となる。
窓口でチケットを購入できるのは当選者本人に限る。購入時には、集合日時、整理券番号の入った「当選通知はがき」を持参する。本人が窓口に行けない場合は購入できない。未成年者、障がい者などの場合は保護者、同伴者が同行できる。指定の日時に来店できない場合は、可能であれば別の日時が指定される。しかし混雑状況によっては、待たされる、あるいは購入できない可能性もあるようだ。窓口販売ということもあり、鈴木局次長は「オペレーションにかかる時間を考慮すると、1日500名ほどになるかもしれません」との見方を示した。
取り扱うチケットの内容は、開会式、閉会式、各競技のセッション。購入できるのは1人1セッションのみ、枚数は4枚まで(開閉会式は2枚まで)。窓口では、その場で印刷するチケット(紙チケット)が発行される。
東京2020チケットセンター有楽町は、東京スポーツスクエア内(東京都千代田区丸の内3-8-3)に設置する。チケットセンターは今後、もう1箇所、都内に設置を予定している。
窓口では、何のセクションが余っているのか、確認してから購入することになる。鈴木局次長は「事前にどこまでご案内できるか。購入するお客様にも大事なことで、またオペレーションの観点でも大切と考えているので、何らかの形でお伝えできるようにしたい」と話している。
なお整理券はがき抽選による販売の後に、公式チケット販売サイトによるWeb販売(先着順)、窓口販売(先着順)も行われる。時期は5月中旬以降になる見込み。
質疑応答では、「当選した人が地方から交通費を支払って有楽町までチケットの購入に来て、何のセクションが残っているのか分からないのでは不満を感じるのではないか」という質問があがった。組織委員会では「前日までの販売状況をネットで公表するなど、できる限り皆さんが購入しやすい方法を考えていきたい」としている。