映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』(監督:杉原輝昭)の大ヒットを記念して7日、東京・ユナイテッドシネマ豊洲にて本作の主要キャストが舞台挨拶を行った。

  • 左から大幡しえり、押田岳、奥野壮、高橋文哉、岡田龍太郎、鶴嶋乃愛、井桁弘恵

『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』とは、現在放送中『仮面ライダーゼロワン』と、昨年8月に放送終了した『仮面ライダージオウ』が"夢のコラボ"を果たし、2大ヒーローが共に力を合わせて世界の危機を救うという筋書きで、仮面ライダーシリーズ恒例となる"冬映画"の最新作である。

本作では、何者かによって仮面ライダーゼロワン/飛電或人のいる世界の"時空"が改変され、本来は人間の役に立つために開発されたヒューマギアが、人類を制圧している異常な状況が描かれる。数少ない人間たちは地下シェルターに潜んで抵抗を続けていたが、ヒューマギアの勢力はとどまることを知らない。或人はヒューマギアでありながら唯一人間の味方をするイズや、レジスタンスを率いてヒューマギア軍団と戦う仮面ライダーバルカン/不破諫、仮面ライダーバルキリー/刃唯阿と出会い、世界の変貌を痛感するが、そこに仮面ライダージオウ/常磐ソウゴが登場。或人はソウゴの案内により、時間改変の痕跡がある12年前の世界へとタイムトラベルし、そこで仮面ライダー1型に変身する父・飛電其雄と再会する……。

ステージに現れたキャスト陣は大勢の仮面ライダーファンの声援を受けながら、新年の挨拶を行った。

仮面ライダーゼロワン/飛電或人役の高橋文哉は「或人~!」という大きな声援に顔をほころばせつつ「明けましておめでとうございます」と元気よく挨拶した。

仮面ライダーバルカン/不破諫を演じる岡田龍太郎は「祝え! 2020年の幕開けである」と、今回欠席となったウォズ役・渡邊圭祐の演技を真似て新年を祝う言葉を述べ、ひときわ大きな歓声を浴びた。

或人の社長業を支える有能な秘書型ヒューマギア・イズ役の鶴嶋乃愛は「今年もよろしくお願いします!」と、劇中のイズそのままのクールな雰囲気を保ちながらファンの声援に応えた。

仮面ライダーバルキリー/刃唯阿を演じる井桁弘恵は、やや緊張気味に「みなさま明けましておめでとうございます!」と笑顔で挨拶した。

仮面ライダージオウ/常磐ソウゴ役・奥野壮は、落ち着いた雰囲気を崩さずに新年の挨拶をして、ファンの熱い声援に応えた。

仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツを演じる押田岳は、「あけおめ~」とくだけた挨拶を行って、ゲイツファンたちを魅了した。

仮面ライダーツクヨミ/ツクヨミ役の大幡しえりは、「ツクヨミ~!」という大きな声援を受けながら「ありがとうございます」と微笑みながら挨拶した。

全員の挨拶が終わったところで、MC(寺迫麿)より各人への質疑応答が行われた。まずは、映画公開から今日まで、SNSなどで大きな反響があったことについて、どんな気持ちでいるかという質問が寄せられた。

奥野は、自分たちに寄せられた反響の大きさについて「これだけ大きな形として僕たちの前に現れてくれたのは、すごく嬉しい」と感想を述べ、「映画が大反響を受けたのは撮影部・スタッフのみなさんや、キャストみんなのおかげ。みんなに拍手、ですかね。そして映画を観てくださったファンの方々にも感謝です」と、映画に携わったすべての人々が力を結集して良質の作品に仕上げたことを強調した。

高橋もまた「作品に関わっているすべての人たちに拍手だな、と僕も思います。僕らが"届けたい"と思っていた以上のものを、ファンのみなさんが受け取ってくださり、嬉しく思います」と、自身が伝えたいメッセージがしっかりと届いていることを実感すると同時に、ファンたちの強い思いを感じて感激する様子を見せた。

すでに映画を5回、6回、10回など何度もリピート鑑賞しているファンがいると伝えられ、驚きと喜びを表した岡田は、寄せられた反響について「アクションがカッコよかった! という声がすごく届きました。また、唯阿のカーアクションがすごかった、みたいな感想もありました」と、A.I.M.S.コンビのハードなバトルアクションに注目が集まったことを話した。また「ラストのところで、諫がコーヒーを"フーフー"して冷ましている"猫舌"設定の細かい芝居をしていたんです。あまり気づかれないかなと思ったんですけど、この前しっかり指摘してくださった方がいて……ファンのみなさんに拍手だなと!」と、細かい芝居までちゃんと観てくれるファンたちの集中力とキャラクターにかける愛情を実感して、感謝の言葉を述べた。

鶴嶋は映画の印象的なシーンとしてラストでの「或人とイズのギャグ」を挙げ「文哉くんと一緒にいろいろ考えながら作ったシーンなので愛着があります。あそこが映画のクランクイン(撮影開始)だったんですよ」と裏話を明かした。そして「感動した! という声をSNSでたくさんいただいたので、頑張ってホントによかったな~って思いました。自分の中でも大切なシーンになりました」と、高橋と共に作り上げた大事なシーンにファンからあたたかい声をかけられたことを心から喜んでいた。

井桁は「唯阿と諫のアクションシーンがカッコいいという声をたくさんいただきました。よりカッコよく見せるにはどうしたらいいか、現場でずっとそういう話をしていましたので、そこを褒めていただけるのは純粋に嬉しく、やってよかったと思いました!」と笑顔を見せた。予想外の反響は?という問いには「予想外はなかったですけど、ポニーテールが良かったという声がありました」と、映画だけの髪型がステキだという感想をもらったことを明かすと、岡田からすかさず「予想どおり(の反響)だね!」と絶妙な合いの手が入った。これを聞いて井桁ははにかみながら「ポニーテールが評判いいと聞いたので、テレビシリーズでもお見せしたいなって思います」と、唯阿の髪型変更がこれからあるかもしれない?と期待させるコメントを残した。

続いて、『仮面ライダージオウ』テレビシリーズを務めあげた奥野、押田、大幡に『ジオウ』の1年間をふりかえってどういう部分で自身の成長を感じるか?という質問が寄せられた。押田は「『ジオウ』という作品を確立できたのは凄いと思う」と答え「ビルドとジオウの映画(平成ジェネレーションズFOREVER)のときは、めちゃめちゃアウェイだったじゃない。1年を経て、ソウゴ、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミが作品の中に存在する人なんだって言われるようになったのが、僕らの"成長"なんじゃないかな」と、2019年の映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』から現在に至るまで、自分たちの存在感が大きくなったことを噛みしめるかのように話した。奥野が思わず「確かに! いいこと言うねえ」と感心すると、押田は「あざっす!」と気合いの入ったリアクションを取った。

さらに奥野は「あとは個々の芝居の力……まだまだなんですけど、徐々に徐々に、少しずつ成長できているんじゃないかな、と思っております」と、非常に謙虚な姿勢を崩さずにこれからの『ジオウ』キャスト陣の成長ぶりに期待してほしいと目を輝かせた。

大幡は「初めのころと比べても、みんなアクションシーンでの動きがよくなってきたよね」と、奥野、押田のアクション面での成長を指摘し、ニッコリ笑顔を見せた。

先輩である『ジオウ』チームと共演したことで、『ゼロワン』チームがどんな影響を受けたか?という質問では、高橋が「奥野さんたちと共演したことで『仮面ライダー』を教えていただいたな、と思っています。『変身!』の言い方ひとつにしても、僕らとは違って"味"があり、とてもカッコいいんです。変身をしてきた回数が僕らとぜんぜん違いますし、経験というものはこうやって形となって出てくるんだなと感じました。これからも頑張って先輩たちに少しでも近づけるようにという思いを持ちました」と、先輩仮面ライダーからよい影響を受け、経験を積み重ねるべく今後も頑張る決意を見せた。

映画ではあまり『ジオウ』チームとの絡みがなかったと話す岡田は、撮影中での思い出として「倉庫で戦うシーンで砂まみれになったため、近くのお宅でシャワーをお借りしたんですが、シャワーを浴びている間、外でずっと渡邊圭祐さんがしゃべっている声が聞こえていたのが印象に残っています」と、渡邊のコミュニケーション能力の高さに驚いたことを打ち明けた。

鶴嶋は「『ジオウ』キャストのみなさんの貫禄がすごかった。私たちの目指す場所ってここなんだなと、改めて認識しました。1年後こうなれるのかなと、なれるように頑張るのが楽しみになりました」と、先輩たちの背中を追いかけながら自身も高みに登ることができるようにいっそうの頑張りを見せたいと、強い口調で話した。

井桁は「こういった舞台挨拶に立つとき『ジオウ』のみなさんのチームワークのよさ、助け合う姿がいいなと思いました」と、これまでに何度もイベント出演をこなし、トーク力が磨かれていった『ジオウ』チームの結束の強さを称えた。井桁の言葉を受けた押田が「俺たちは"ワンチーム"だからね!」と、昨年大活躍したラグビー日本代表チームのスローガン「ワンチーム」を挙げてアピールすると、井桁も「私たち『ゼロワン』チームも1年後には助け合えるようになれば」とさらなる飛躍を口にした。そして絶妙なタイミングで高橋が「ゼロ"ワンチーム"で!」とワンチームにかけたギャグを披露すると、ステージと客席に大きな笑いが起きた。

『ジオウ』チームから『ゼロワン』チームに、これから半年間を乗り切るためのアドバイスは? という問いについて奥野は「とにかく体調の管理を!」と、ハードな撮影をこなす高橋らの身体を案じるコメントを残した。押田は「仮面ライダーマッハの稲葉友さんが言っていましたよね。『ロケバスでの眠りは"睡眠"じゃない。"気絶"だ』と(笑)。ロケバスで寝るのを睡眠時間に換算しないで(ちゃんと布団で寝て)」と、先輩ライダーの稲葉友(『仮面ライダードライブ』仮面ライダーマッハ/詩島剛役)からの助言を再度伝えた。

大幡からは「あと半年、あっという間だと思います。信念を持って……新年だけに!」とアドバイスにも取れるダジャレの"振り"が高橋に寄せられた。

高橋は大幡の"振り"を受け、「これが俺の"新年"の"信念"! はいっ、アルトじゃ~ないと!」と絶叫し、得意のポーズを決めた。その隣では岡田が不破になりきって、必死で笑いをこらえる仕草をしてみせた。

大幡は『ゼロワン』の第1話を観たときから、或人がハイテンションで連発する(面白くない)ギャグが大のお気に入りだと言っており、「今日はどうにかして、アルトじゃ~ないと! を言っていただきたくて、お願いしました」と、ギャグの"振り"を行った経緯を語った。高橋は「大幡さんには感謝しています。舞台挨拶が始まってからずっと"やってください"って言われていましたので、今日こそは、と思いました! あとで裏に行ったら何回でもやりますから(笑)」と、或人ギャグへの愛が強い大幡への感謝を示していた。

新年にちなんで、ここでキャスト陣が事前に書いた「書き初め」を披露することに。

井桁は「丁寧」という文字を掲げ「毎日1日1日丁寧に生きていこうという思いを込めて書きました」と抱負を述べた。

鶴嶋は「内面からも潤いあふれる女性になりたいという意味と、今年1年が潤いのある年になればいいなと思って」と「潤い」の文字を書いた。

岡田は「脱・ゴリラ」といいかけ、すぐさま「脱・五里霧中」と書かれた紙を読み上げ「芸能界って一寸先は闇、五里霧中じゃないですか。それを脱却していきたい」と笑顔で語った。

高橋は「初志貫徹」と書き「初心忘るべからず、という思いは僕の中にずっとあります。番組名を背負わせていただいている分、責任を持って志したものを忘れずに、1年間と言わず、これからもずっと頑張っていきたい」と強いまなざしで今後の抱負を語った。

続いて、『ジオウ』チーム3人の書が一斉に開かれた。

昨年12月18日にテレビ朝日の番組『全力坂』で「らんとう坂」を全力疾走している大幡は「全力疾走」と書かれた紙を読み上げ「ツクヨミは常に全力疾走していました。私も『ジオウ』で学んだことを、これからの現場で活かしながらいろいろな役をやりとげたい」と、今後の仕事でも全力で取り組んでいく意欲を見せた。

押田は、昨年の舞台挨拶で「でやあああ」という気合いたっぷりの書き初めを披露したのを受けて、今年は「前進!」と書き、またもや絶叫系の言葉でファンを魅了した。この書には「型にはまらず、前進していこうと。そして1年間みなさんにお世話になったぶん、恩返しができればと思います」という意味が込められているという。

奥野は「挑」と書かれた紙を掲げ「"挑戦"と書きたかったんですけど、2文字は難しいなって(笑)」と1文字になった経緯をにこやかに語った。

最後に高橋は「映画を観ていただいたみなさん、ありがとうございました! 『ジオウ』に関わった方々から受け取った"思い"をすべて『ゼロワン』にぶつけて、もっともっと面白い作品にしていきますので、今年も『ゼロワン』をよろしくお願いします!」と、先輩キャストから引き継いだ思いを胸に、今後も頑張っていくことを改めてファンに宣言した。

奥野は「たくさんの方々に素敵な映画を観ていただけて、とても幸せです。『ジオウ』はこれで終わり……ではなく、まだスピンオフの『ゲイツ、マジェスティ』が控えています。とてもカッコいいゲイツの映画が観られますので、そちらのほうもぜひチェックしてください。もちろん、ここにいる素敵なキャストのみなさんが活躍する『ゼロワン』テレビシリーズのほうも、よろしくお願いします!」と、今年劇場公開を間近に控えているVシネクスト『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』や『仮面ライダーゼロワン』の応援を大勢のファンに呼びかけた。