三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社シニアストラテジストの市川雅浩氏によるレポート「2020年の日本経済見通し」を発表した。それによると、2020年度の実質GDPは前年度比0.6%増と予想している。

実質GDPの伸び率は低下

  • 日本経済の見通し(出典:三井住友DSアセットマネジメントWebサイト)

足元の日本経済は、外部環境の悪化と自然災害の影響により、輸出や生産が低迷する一方、人手不足を背景に雇用と所得環境は堅調を維持している。経済の先行きについては、「輸出の回復が遅れるなか、消費増税後の内需の落ち込みが重なり、成長ペースの鈍化がしばらく続く」と予測しており、実質GDP成長率は、2019年度が前年度比0.9%増、2020年度が同0.6%増と、伸び率は低下すると見込んでいる。

消費増税の個人消費への影響については、「軽減税率の導入などもあり、過去の増税時よりも小さい」と予想している。

金融政策については、現行の枠組みが維持される可能性が高いとの見通し。「米中貿易競技が段階的に進展し、製造業の景況感は底入れすると考えており、いわゆる『モメンタムが損なわれるおそれ』は高まらず、長短金利の操作目標水準を変更する必要性は次第に低下する」とみている。また日本の10年国債利回りは、おおむねマイナス圏での推移が続くと見込んでいる。