ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは12月5日、2020年市場の見通しに関する調査結果を発表した。調査は10月~11月、アジア、欧州、北米、中南米、中東の機関投資家500名(企業・公的年金基金、財団・基金、保険会社、政府系ファンド等を含む)を対象に行われた。

8割が次の金融危機は「今後5年以内に発生」と予想

  • 次の金融危機はいつ発生すると予想しているか

    次の金融危機はいつ発生すると予想しているか

2020年の投資トレンドを左右するマクロ経済情勢を見るうえで、機関投資家の多くが、公的債務残高の増大および経済の低成長を懸念しており、結果、「次の金融危機はいつ発生すると予想しているか」という質問に対し、83%が今後5年以内に、58%が今後1~3年の間に発生すると回答した。

機関投資家は、市場の不透明感を高める要因となっている世界の政治局面にも注視しているが、これについて、6割強が「他国による選挙への干渉、特に米国大統領選に対する干渉は、市場のボラティリティを高める主因の一つである」という見解を示している。

また、マクロ経済環境が依然として複雑な状況にあることから、2020年の為替市場について、機関投資家の77%が株式市場の、62%が債券市場のボラティリティの上昇を見込んでいるという。

このような状況の中、2020年のポートフォリオに対するリスク要因を聞いたところ、「ボラティリティ」(53%)が最多に。次いで「低金利の継続」(50%)、「信用収縮の影響」(37%)、「流動性問題」(35%)、「デフレ」(20%)と続いた。

なお、市場のボラティリティの高まりに対応するため、投資家の7割が、今後3年間は「アクティブ投資を70%、パッシブ投資を30%」と、アクティブ投資の比重を高める考えを示している。