南海電気鉄道は23日、難波駅で特急「HYDEサザン」のお披露目セレモニーを開催した。「HYDEサザン」はL'Arc~en~Cielでヴォーカルを務め、ソロでも活躍するHYDEさんと南海電鉄がコラボした列車。当日は多くのファンらがセレモニーを見守った。

  • 南海電鉄が難波駅で特急「HYDEサザン」お披露目セレモニーを開催

HYDEさんは和歌山県和歌山市の出身ということもあり、今年1月から「和歌山市ふるさと観光大使」に就任している。両者のコラボレーションにより運行される「HYDEサザン」は、南海線の特急「サザン」(難波~和歌山市・和歌山港間)の座席指定車両に使用される10000系10004編成を装飾。今年、HYDEさんの誕生日に和歌山市で開催された「HYDE ACOUSTIC CONCERT 2019黑ミサ BIRTHDAY -WAKAYAMA-」のゴシックな雰囲気と、和歌山市の観光名所である友ヶ島のイメージを取り入れた。

使用車両の10000系10004編成は、2015年に「南海電鉄創業130周年記念&さようなら7000系記念企画」で緑色の旧塗装になった車両でもある。今回、車内は従来のまま、外装のみ変更され、車両全体をレンガ造りのシックな雰囲気を持つデザインとした。車両ごとに外装デザインは異なり、HYDEさんの歌唱シーンをはじめ、HYDEさんがSNSで使用するタグ「なんて素敵な和歌山なんでしょう」も挿入されている。

  • HYDEさんの歌唱シーンをはじめ、友ヶ島や「ポルトヨーロッパ」などの和歌山の観光名所も車体側面にデザインされている

難波駅7番乗車ホームで開催されたお披露目セレモニーでは、南海電気鉄道代表取締役社長兼CEOの遠北光彦氏、和歌山市長の尾花正啓氏らが出席した。遠北社長は挨拶の中で、「HYDEサザン」のデザイン監修をHYDEさんに依頼したと説明。和歌山市駅直結のランドマークとして2020年4月下旬にオープン予定の「キーノ和歌山」とともに、「HYDEサザン」が和歌山の活性化につながることへの期待感を示した。

セレモニーの途中、HYDEさんからの祝電が披露される場面も。「自分のイメージだけでなく、和歌山へ行きたくなるようなデザインをうまくミックスしたいと考え、多くのやり取りをデザイナーと行いました。皆さんにもこの列車を可愛がってもらえるとうれしい」との内容が読み上げられた。

その後、遠北社長や尾花市長ら関係者によるテープカットを実施。この日、「HYDEサザン」は地元大学生など関係者を乗せた団体専用列車として運行され、11時18分、難波駅長の合図に合わせて発車。南海線を走行し、住ノ江検車区へ向かった。

  • ヘッドマークには「黑ミサ HYDE WAKAYAMA」とデザインされた

  • 南海電鉄の遠北社長(写真左)、和歌山市の尾花市長(同右)ら関係者によるテープカット

  • 難波駅長の合図で「HYDEサザン」が発車。住ノ江検車区まで走行した

「HYDEサザン」は今後、2020年10月頃まで特急「サザン」の座席指定車両に使用される予定。従来の自由席車両(4両編成)と連結した8両編成での運行となる。通常運用に入るため、都合により運行されない日もある。