南海電気鉄道は20日、難波駅でラッピング列車運行開始記念セレモニーを行った。当日は堺市長の永藤英機氏や南海電鉄の「ハニワ駅長」、堺市の「ハニワ課長」も出席。ラッピング列車の車内でイベントも行われ、大いににぎわった。

  • 難波駅に1000系ラッピング列車が入線(写真:マイナビニュース)

    難波駅に1000系ラッピング列車が入線。百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録記念キャンペーンの一環でラッピング列車が運行される

南海電鉄は百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産への登録が決定したことを受け、百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録記念キャンペーンを実施する。その一環として、同社の1000系1編成(6両編成)がラッピング列車に。車体には南海電鉄の幻の駅「ハニワ駅」の駅長「ハニワ駅長」や百舌鳥古墳群がある堺市の名産品などが描かれている。

セレモニーが行われた7月20日、先着100名による「ハニワ駅長と行く古墳ツアー」も実施。ラッピング列車はツアー客を乗せる団体専用列車として、高野線の三国ヶ丘駅まで運行された。

  • 中間車両(2~5号車)は「ハニワ駅長」と堺市の名産品をデザイン

  • 先頭車(1・6号車)は「ハニワ駅長」と「祝世界遺産」と書かれた垂れ幕が目立つ

  • 種別標は「臨時」、行先標は「団体専用」を表示。真ん中に共通デザインのロゴマークも

  • 南海高野線に乗り入れる泉北高速鉄道のラッピング車両と並ぶ

11時27分、ツアー客や沿線住民が見守る中、難波駅4番線にラッピング列車となった1000系1003編成が入線。車体の下部に緑帯があるせいか、緑色をベースにした南海電鉄の旧塗装を思い出させる。種別標は「臨時」、行先標は「団体専用」と表示。珍しい種別・行先標だったのか、珍しいそうに見る利用者の姿もあった。

ラッピングのデザインは先頭車両(1・6号車)と中間車両(2~5号車)で異なっている。先頭車両は「祝世界遺産」と記された垂れ幕や「ハニワ駅長」が目立つ。中間車両には堺打刃物など、堺市の名産品がデザインされている。

  • 車内では百舌鳥・古市古墳群に関するパネルを展示。セレモニーでは「ハニワ駅長」が百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を記念した共通デザインのロゴマークを紹介した

難波駅で行われたラッピング運行列車記念セレモニーでは、南海電鉄代表取締役社長、遠北光彦氏が挨拶の中で、「今回の世界遺産登録により、高野線は高野山と百舌鳥古墳群という2つの世界遺産を結ぶ路線となります」と述べた上で、観光客誘致に力を入れることを表明。一方、堺市長の永藤英機氏は、遺産の保全・継承の観点から百舌鳥・古市古墳群の魅力を感じることの重要性を指摘し、ラッピング列車の運行に謝意を表した。12時42分、ツアー客を乗せたラッピング列車が発車し、三国ヶ丘駅へ向かった。

ラッピング列車は7月21日から南海本線・空港線で運行開始し、2020年6月30日までの運行を予定している。6両編成であることから、特急以外の種別で運行されるとのこと。また、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を記念した共通デザインのロゴマークが南海電鉄、近畿日本鉄道、阪堺電気軌道、南海バスの一部の車両で掲示される。