俳優の高橋克典が13日、前日に慢性腎不全で亡くなった俳優・梅宮辰夫さん(享年81)への思いをブログにつづった。
高橋は梅宮さんの親戚にあたり、人気ドラマシリーズ『特命係長 只野仁』でも長年にわたって共演するなど、深い関係として知られる。
13日未明に投稿した記事では、冒頭から「寂しい。まだもう少し。まだ少し早い気がします」と惜別の情をにじませ、「華やかな世界で生きた裏では、若い頃に患った胃癌から始まり、病気や怪我の多い方でした。それでもその都度生還し、現場復帰を果たしてきた辰夫叔父。しかも驚くべきことは幾度の闘病にも枯れることのなかった華やかさ、おおらかさ、優しさ」と在りし日の姿に思いを馳せる。
なかでも、高橋にとって忘れられないのが芸能界入りを相談した時のことで、梅宮さんから「やめておけ」と突き放された苦い記憶がある。「ならば自分でやってやると奮起し、自分で探し、出逢い、やってきたことはとても価値があるものとなりました」と振り返り、「東映京都太秦撮影所の門をくぐると、演技事務の方が『辰兄ぃから電話をもらったよ』と。僕には何も言わず、よろしく頼むと電話を入れてくれてたんですね」と逸話を明かす。
高橋は時を経て、「やめておけ」の真意を梅宮さんにたずねたそうで、「お前みたいな地味な顔はこの世界ではやっていけない、と思ったんだ、と後に」「笑って話してくれました」「でも実はな、当時、俺もとても大変な時期でもあったしな、と、この世界で生き抜く大変さをも言いたかったとも。お前はしっかりした家庭なんだからしっかり大学を出てしっかりカタギになれ、と。笑」とその優しさを噛みしめる。
「先月の僕の母の葬儀の際も、悪天候の中、ご自分の身体がキツいはずにも関わらず、参列してくださいました。以前にも、ご自分の具合が悪かった時に、知人の方の激励に、見舞いに行ったよと話していたこともありました。親交のあった沢山の方々の中にも梅宮辰夫さんのそんな人柄が大好きだったのではないかと思います。大好きな叔父でした」
「あのおおらかさに触れられないと思うと、今本当に寂しいです」「冥福を祈りますという気にはまだなれず」と吐露する高橋。「さっき会ってきました。静かに眠るように安らかなお顔をされてました。今夜、まだ眠れません」と結んでいる。