身体にフィットし快適な着心地を実現するとともに、見た目の印象を良くする効果が期待できるオーダースーツ。昨今ではインターネット経由で手軽に利用できるものが増えています。

ですが、「既製品のスーツしか着たことがない」という方などは、オーダーの際に出てくる専門用語や選択肢の多さ、金額面などで、自分には敷居が高いと考えてる人も多いと思います。スーツを着慣れていない人、とくに若いビジネスパーソンは何を選んだらいいのかわからない方が多いでしょう。

そこで本稿では、ビジネスウェアのカスタムオーダーサービスを展開する「FABRIC TOKYO」にご協力いただき、「若手ビジネスパーソンの初めてのオーダー」をテーマに、オーダースーツを新調してみました。

  • オーダースーツを取り扱う「FABRIC TOKYO」でオーダー体験

FABRIC TOKYOの特長は?

FABRIC TOKYOは、「Fit Your Life」をコンセプトに、サイズだけでなく生き方や価値観にフィットする"自分らしいビジネスウエア"を展開。ネットと実店舗のそれぞれの強みを生かしたオーダーメイドのスーツが注文できます。

  • 今回は数ある同社のショールーム型店舗の1つ「FABRIC TOKYO 表参道」でオーダー

店舗で最初に採寸を行っておけば、サイズデータがクラウドに保存され、ネットでも店舗でも自分にジャストフィットするスーツが簡単にオーダーできるという特徴があります。基本的には以下の3ステップです。

  • 1:近くの店舗へ行きます
  • 2:サイズを測定します
  • 3:店舗または自宅でネット注文します

2019年現在、東京に9店舗、神奈川に2店舗、大阪に2店舗、千葉、埼玉、愛知、京都、兵庫にそれぞれ1店舗の計18店舗を構えています。

実店舗で正確な採寸を行うことで身体にフィットしたスーツが注文できますが、採寸したからといって必ずしも購入する必要はありません。

そもそもFABRIC TOKYOの店舗は採寸とサンプル展示に特化しており、表参道店を含む一部店舗はキャッシュレス店舗になっており、レジすら設置していないのです。

実際にオーダーするかどうかは店舗で決めても良いですし、時間がない方は30分〜60分ほどで終わる採寸だけを行い、あとからネットで好みのスーツをオーダーしてもOK、という仕組みです。

自社オリジナルの生地を多数取り揃えており、オーダーされたスーツはすべて国内で生産されます。2ピーススーツであれば41,800円(税込)からオーダーが可能。2ピース/3ピーススーツのほか、ジャケットやスラックス、ベスト、シャツなどもオーダーできます。このほか、ジーンズやチノパンツのオーダーに対応している点もFABRIC TOKYOの特長です。ちなみに、これらの充実したラインナップを比較的低価格で提供できるのは、縫製工場と直接取引を行っているためだそうです。

  • 採寸やオーダーの対応をしてくれた金崎栄太さん

今回はスーツをオーダーする際のチェックポイントを知るため、プロのスタッフに生地やカスタマイズについて聞きながら、店舗で注文してみました。担当してくれたのはFABRIC TOKYOのコーディネーター、金崎栄太さんです。

まずは会員登録からスタート

店舗で最初に行うことは、FABRIC TOKYOメンバーへの会員登録。採寸したカラダデータを保存しなければそもそもサービスが受けられないからです。基本的な個人情報とともに、体型の基本データやオーダー経験などについて回答していきます。

ちなみに会員になるとお買い物ですぐに使える500円クーポンがゲット可能。お急ぎの方は、あらかじめ会員登録や来店予約をしておけばスムーズに採寸やカスタマイズに移行できます。

  • 基本的な個人情報とともに身長や体重なども入力

スーツからジーンズまで多種多様なアイテムをオーダーできるFABRIC TOKYOですが、今回は3ピーススーツをセレクトします。

コンセプトは普段2~3着のスーツを着まわす若手ビジネスパーソンが、初めてオーダーする1着。会食や大事な商談などのビジネスシーンだけでなく、結婚式などのフォーマルな場にも着て行けるスーツです。

  • FABRIC TOKYOでオーダーできる製品(ベルトやネクタイなどのアクセサリーはオーダー対象外)

オーダーの要となる採寸

会員登録を終えたら計11箇所の採寸がスタート。まずはネクタイを締める頻度などを確認しつつ首周りを測ります。続いて肩幅、ゆき丈、腕周りなどに降りていき、胸回りに移行。その後腕を組んで腰回りから下を採寸します。さりげなく体形変動の幅などが確認されます。

  • 上着を脱いで上半身から採寸スタート

次に実際にスラックスやジャケットのサンプルを着用し、ベースとなる型を決め、体勢を変えながらさらに採寸と微調整を行っていきます。この際、着心地やスラックス丈の長さの希望を出すことも可能です。こうして15分〜30分ほどで採寸の全工程が終了となります。

  • スラックスのサンプルを履いて股下などを採寸

  • ジャケットのサンプルを着用し、丈などを調整

生地選びのポイント

それではオーダースーツの生地を選んでいきましょう。FABRIC TOKYOでは素材、色、パターンの組み合わせで500種類を超える生地を取り揃えています。

オーダー初心者には、数が多すぎて目移りしてしまいます。そんな時は、恥ずかしがらずFABRIC TOKYOのスタッフに確認しましょう。

  • FABRIC TOKYOの人気スーツランキング(2019年12月時点)

今回対応頂いた金崎さんにおススメを聞いてみたところ、人気の高い「FABRIC TOKYO MODEL X」「Authentic」「COMBAT WOOL」の3モデルを挙げてくれました。


FABRIC TOKYO MODEL X

ウールに特殊ポリエステルをブレンドし、ビジネスからプライベートまで使える機能性の高い生地で、価格も抑えられています。シワになりにくく、ストレッチ性があり、耐久性にも優れるため、普段使いに便利だそうです。


Authentic

FABRIC TOKYOでも特に人気の高いモデルで、メリノ種のスーパーファインウールを100%使用した発色の良い生地。ほどよい光沢感もあり、ビジネス・パーティともに使える定番の1着で、ナチュラルストレッチ加工も行われているそうです。


COMBAT WOOL

ウールに、ポリエステルとCORDURAを加えた摩擦に強い生地。ウールの風合いを残しつつも高い耐久性を誇るため、ラフに使用してもスレを気にせず着ることができます。自転車通勤の方やバックパックを愛用する方にもオススメとのこと。


  • 500種類を超える生地の中で1番人気の「Authentic」

  • 実際に生地を合わせてみて色味を確かめることも可能

今回のオーダーコンセプトを考慮し、装いを新たに、ドレスアップを目指して「Authentic」を選択しました。

なお、最大10種類まで生地サンプルをネットから注文することも可能です。無料でメール便発送されるので、購入前に生地の質感や色の確認をしたい方はぜひ利用してください。

  • 生地サンプルはネットから無料で注文もOK

カスタマイズの選び方

はじめてスーツをオーダーする際、もっとも悩むのがデザインのカスタマイズでしょう。ジャケット、スラックス(パンツ)、ベストそれぞれでカスタマイズできる箇所は次の通りです。

  • ジャケット:ジャケットボタン、ラペル、ベント、ポケット、裏地、ネーム刺繍、ハンドステッチ加工、本切羽(袖口本開き)加工、ボタン変更、ボタンホール色変更、背抜き加工

  • スラックス:カフス、タック、ツーパンツ、プリーツセット加工、サスペンダーボタン、サイドアジャスター

  • ベスト:ボタン数、ベスト襟

この中でも、とくにチェックしておきたい全体のイメージを左右する大きなカスタマイズは、ラペル(衿)とジャケットボタンとポケットです。金崎さんはこの3つを「スーツの"目"、"鼻"、"口"」と説明します。

  • カスタマイズではラペル(衿)とジャケットボタンとポケットを要チェック


ジャケットボタン

  • 2つボタン:定番のスタイルで、ビジネスでもカジュアルでも万能に利用できます
  • 3つボタン (段返り):Vゾーンが少しだけ狭くなりクラシカルな印象に
  • 1つボタン:結婚式やパーティなどのドレッシーなスタイルに合う華やかな印象
  • ダブルブレスト:トラッドで重厚感があるため、貫禄のある印象に

今回はスタンダードに2つボタンを選びました。


ラペル

  • ノッチド:流行に左右されず使える定番のスーツスタイル
  • ノッチドスリム:ノッチドより1cm細く若々しさを与えます
  • ピークド:華やかで強い印象。ドレスアップスーツにおススメ
  • ピークドスリム:ノッチドスリムよりもモード感が強調されます

今回はドレスアップを目指しているので、ピークドを選びました。


ポケット

  • ノーマル:センターベントの相性が良い定番デザイン
  • スランテッド:ウエストを細く見せる効果のある、少しハの字に傾いたデザイン
  • チェンジポケット:小ポケットが追加されるデザイン。腰の位置を高く見せる
  • スランテッドチェンジ:チェンジポケットを傾かせることでエレガントに
  • パッチポケット:ポケットを貼り付けたようなカジュアルなデザイン

今回はスリムに見せることを重視し、スランテッドを選びました。


さらに、スーツにちょっとおしゃれな雰囲気をプラスしようと考え、裏地をキュプラバーガンディに、袖口を本切羽にし、ボタンホール色をワインレッドにカスタマイズしました。またパンツは裾の長さをカスタマイズできます。

いずれも好みやTPOに合わせてスタッフが丁寧に提案してくれますので、どしどし質問していきましょう。

  • 裏地もサンプルで手触りや色を確認可能

  • 本切羽と水牛ボタンについて違いを説明

注文とサポートの選択

カスタマイズが終了したら、いよいよ注文になります。採寸したサイズが登録され「表参道」といった店舗名が表示されるので、直近の採寸した店舗を選択。この際、合わせてオーダーシャツも注文可能です。

  • ここぞというときの1着なので奮発してカスタマイズを盛りました!

その後、購入後のサポートを選択します。「FABRIC TOKYO 100」というサポートサービスは月額制のサブスクリプションサービスで、何度でもお直し無料、補修用生地を最大2年間保持、仕立て費用のみでスラックス1本作成、1回までのお直し/作り直しが届いてから100日になるといったメリットがあります。無料版サポートでは1回までのお直し/作り直しが50日のみです。体型変化が気になる方や、作ったオーダースーツを長く着用したい方はFABRIC TOKYO 100 SUPPORTを検討してみるのも良いかもしれません。

  • 手厚いサポートを受けられる「FABRIC TOKYO 100 SUPPORT」

あとは支払い方法や受け取り方法を選択すれば注文は完了です。受注生産のオーダーメイドになっていますので、発注後24時間を経過するとキャンセルできなくなる点のみ留意しましょう。オーダーしたスーツは、年間通して約30~45日程度で完成します。季節要因で日数は変動するため、着用予定がある場合は早めの来店がおすすめです。今回は店舗受け取りを選択しました。


こだわろうと思えばいくらでもこだわれる、奥の深いオーダースーツ。はじめてのオーダーには敷居の高さを感じてしまうかもしれませんが、金崎さんはじめFABRIC TOKYOのスタッフは1つひとつ丁寧に説明や提案をしてくれます。自身の好みを伝え、アドバイスを貰うとよいでしょう。

後編では、実際に店舗でスーツの受け取り、仕上がりの確認を行っていきたいと思います。すぐにサイズを確認すれば1回までのお直し/作り直しができますので、できるだけ早めにチェックしておきたいところです。